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104 帰宅までが宴会です

その104です。

 一方、メゾネットの下の階では、いろはが幹事たちに謝り倒していた。


「本当にごめんなさい。そんなことになってるなんて想像してなかったから……」


「いいっていいって。面倒だったのは事実だけど、それがかえって意地でも成功させようってモチベーションになったし」


「そうそう。そもそも、クラスの親睦会に関係ない連中が割り込もうってのがおかしいだよね」



 念のため、幹事の従兄弟は「場所は提供するけど、食べ物や食い物はお前らが用意するように」と条件を付けていた。なので、用意されているのはポテチやジュースだらけとなってしまっており、本音を言えば三十分もしないうちに飽きが来ていた。


 加えて、ショットバーと聞いて「オトナの雰囲気」を期待していた部分が多少なりともあったのだけど、昼間の明るい光の中では微妙に安っぽさの方が目立っているような気がしてならない。


 とはいえ、やはり「目標をみんなで乗り越えた」という感情が幹事たちを高揚させ、それが周囲にも伝播している状態だ。実に心地よい空気で満ちている。



「そういえば」幹事の一人がふと思い出した。「例の皐会の人が何もしなかったのは意外だったねー。絶対にあれこれ探ってくると思ったのに」


 これは、いろはにも意外な情報だった。今なおメールなどで勧誘してきているというのに、この件に関しては不干渉を貫いているとは想像してなかった。


 プライドが高いからこういう場に入ってこれないんじゃないの、と笑う幹事たちだが、いろはは「TPOを弁えているんだな」と納得する。



(豊浜を代表するブランドになろうって気持ちは本気なんだろうね)



 だからといって関わるつもりはないけど、といろははスナック菓子に手を伸ばした。


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