表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

6/20

うろの中の女の子

うろ…なんかよくよく見ると怖いですよね

「…」

「気づいたようじゃな」

「ひっ!きゃぁぁぁぁ!!!」

「ぬぁぁぁぁぁ!!?」


いきなり叫ばれたためびっくりした。なんでそんな今にも食われそうな声を…


「目が覚めて、目の前にドラゴンがいたらそうなるよ。当たり前でしょ」


カルマがやれやれ…みたいな目線を向けてくる。

むむ…そんな怖い顔だったかのう…?


「お嬢さん!このドラゴンは怖くないよ!安心して!」

「ス、スライムが喋っ…がくっ…」

「あれ?お嬢さん!お嬢さん!」


結局驚かせては同じレベルではないか。まったく、カルマも我と変わらぬな。


「…はっ!」


数秒ほどでまた意識が戻った。


「…誰なの…?あなたたちは」

「俺は【スライム】のカルマ!そしてこっちの怖い顔の龍が」

「カルマの父、ベンダバルだ。驚かせてしまってすまないな。悪気は無かったのだ、許してくれ」


頭を下げてみる。人間界では悪いことをした時は頭を下げるか、お金を積むかのどっちかだと聞いたことがある。お金はあいにく持っていないのだ。


「…魔物が喋れるなんて…」

「そんなの【龍種】は当たり前じゃ。【スライム】は珍しいがの」

「そんなことより、お嬢さん、名前は?」


そんなことよりだと?むむむ…まあ良い。息子カルマの言葉遣いはもうどうにもならん。


「私…?私は…ブリッサ」

「よろしくね!ブリッサ!」

「まぁ、自己紹介は別にいらん。なんでこの巣の中におったのじゃ?」

「…そうだ、私は蜘蛛たちに襲われた時に仲間とはぐれて…ここは危険よ!蜘蛛がいっぱいいるの!」

「蜘蛛ならもう全滅させたぞ?」

「え?」

「うむ、この森にいるのは小動物くらいだ。魔物はあと2カ月くらいは出ないだろう」

「ど、どどど、どういうこと?」


先ほどの戦闘(虐殺)の事を話す。


「少なくとも200匹はいた【蜘蛛】たちを…全滅?」

「うむ。この辺の【蜘蛛】など、たかが虫けらよ」


楽勝で朝飯前だ。


「そんな…私たちのパーティーはCランクで、それでも苦戦したのに…」

「さて、探しに行くとするかのう」

「どこに何を?」


カルマもブリッサも分かっていないようだった。


「ブリッサ、お主の仲間に決まっておろう」




「それで?いったいどうやるんだバル爺?」

「今からスキルを覚える。なに、簡単なスキルだ。ブリッサも覚えるといいじゃろう」

「私にも出来ますか?」

「まあ、見ておれ」


瞑想するような感じで自然体になり、周りの空間を占めている魔素の流れを感じ取る。


《スキル【魔力感知】を得ました》

「よし、上手く行ったわい」


今、自分がやった感覚を2人に教える。


「おー、これか?」

「む、難しいです…」


カルマはすぐに出来たが、ブリッサは上手くコツが掴めないようだ。


「ふむ…ブリッサよ、そこに座ってやってみなさい」

「はい。?」


ブリッサが座り、瞑想し始めると同時に自分の魔力を辺り一面に大量に流す。


「わわっ!なんだかゾクゾクします!」


悪意は込めていないのだが、なにぶん強い魔力だから変な感じだろう。しかし…魔力は掴めたはずだ。


「ふむ。我の魔力は感知できているのだから大丈夫だ。あとは練習あるのみよ」

「分かりました師匠」


ふむ。先生ではなく師匠も良いな。もしかして我には教える才能があるのでは?

いかんいかん、話が逸れた。それは後回しだ。

森全体に【魔力感知】を張り巡らす。


「…森にはいないようだな」

「街に戻ったのかも」

「どこだ?ブリッサ」

「【始まりの街】」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ