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村に入ったぞ。おや?賢王の様子が…??

村に着いた。結論から言ってしまおう。騒ぎになった。

そりゃ〜そうじゃろうな。歴戦のギルド長でさえ本気のわしは愚か、賢王の前ですら立てなかったのだ。


「今度から村とかに行くときは工夫が必要じゃのう」

「毎回騒ぎになってもなぁ」

「こんなこと普通はありえませんからね…」

『ふんっ。余は隠れる気など微塵もないからな!』

「止まってください!」


村の連中が騒いでいる中、ひとりの青年が出てきた。


「わ、私はこの村の衛士長ドミニク!名のある武人と賢王様と見受けられる!」


膝がガクガクと笑い、あまりの震えのせいで分身でもする気かと思えるくらいだった。


「これはこれはご丁寧に。我は暴風龍ベンダバル。そしてこやつらは我が家族じゃ」

「ぼ、ぼぼぼ」


ぼぼぼぼ?


「暴風龍様ぁぁぁぁぁ!!??」


青年はどデカイ声で叫んだ後腰を抜かしたのかその場にへたり込んでしまった。


「し、しし失礼いたしました!こ、殺さないで!!」

「無益な殺生はせんわい」

『どれだけお主が悪名高いか分かったな』

「ペットは黙ってろ」


口の利き方がなってないのう?躾が必要じゃな。


「おいソフィアよ。表に出ろ」

『望むところだ』

「ストップストップ!!」

「むう?ブリッサよ、止めるな。ペットに必要な躾を…」

「今は村に入るために少しでもおとなしくしててください!!」

「『はい…』」


ぬぬぬ…なんで我が怒られねばならないのだ。


「えーっとですねわたし達は…」


ブリッサが説明をしてくれる。話は付いたようで村に入る許可をもらえた。

まあ、何か問題を起こしたら即追放かつ、賞金首になるらしいがのう。


公共の広場のような場所に荷車を置き、一旦家族会議をする。まぁ、カルマは子供達と遊んでおるが…。



「さて、まずは何からするべきじゃ?ブリッサよ」

「旅に出る訳ですから、携帯食料などの食料や最低限の日用品、武器などを揃えるのが冒険者の常識です」


ふむ?日用品とな?


「水や火の魔石にタオルや簡単な調理器具ですね」

「魔石など必要なかろう?」

「え?…あっ!」

「我は暴風龍。得意なのは風魔法じゃが、他の魔法だって上級魔法くらいなら使えるわい」

『余もその位はできる』

「今、我のすごさを出してたんだから黙っとれ」


賢王の周りに無属性魔法【沈黙(サイレンス)】を張り巡らせる。なんかジタバタしてるが気にしたら負けじゃ。ふう、これで静かになる。


「それに、武器も不要だろう?」

「たしかにそうでしたね。この杖を超える武器はそうそう無いですね!」


ブリッサが装備している豊穣の杖は伝説級の(レジェンダリー)武器(ウェポン)。武器屋にそれ以上の物が売ってあるわけがないのだ。


「あの、バル爺様?先ほどからソフィーが叫んでいますよ?」

「なんじゃ?静かなのに騒がしいやつじゃな」


音は聞こえなくても横で暴れていては煩いな。というか、ブリッサはいつの間にソフィアにソフィーなどと愛称をつけたのじゃ…。こやつ、やはり肝が座っとるわい。


『やっと魔法を解きやがって!ったく!次やったら特大魔法をぶち込んでやるからな!』

「わかったわかった。すまんのう…それで?なにか言いたいことがあったんじゃろ?」

『話をそらすでない!まあいい、ブリッサよ。食料は…小型の携帯食料をたくさん買え。調味料はなるべく多くだ』


調味料を?何故じゃ?


「そんなに買っても私の料理はそんなにバリエーション豊富じゃないですよ?」

『お主ではない。余が料理するのだ』

「ソフィーが?」

『人間の料理など、とうの昔に習得してある。最新の料理は知らんが昔からの料理はほぼ全て覚えている』


ふん。少しはやるようじゃが…何か忘れとらんか?


「その巨体で、手足でどう料理するのじゃ?物を掴めなければ話にならんぞ?」

『なめるなよ?余は賢王。スキルに頼らない分析能力と知恵でそう呼ばれておる。見ていろ』


荷車から離れ、広場の中心に立つ。


『ぬぅぅぅぅん!』


賢王の巨体が光に包まれ、5秒ほど辺りを光で照らした後、収束していく。

土煙が舞い上がり、その中に小さな影が見える。


「ふはは!見たかベンダバル!余にだって【人化】くらいできるわ!」

「…ソフィアよ、何故裸な」

「きゃぁぁぁ!!!!」

『ぬ!?』


我の台詞の途中でブリッサが悲鳴を上げた後、見たこともないようなスピードで動いた。猛ダッシュで駆け寄り、風魔法と土魔法で濃い土煙をソフィアの周辺に発生させる。さらにバックの中から羽織れるローブを出し、ソフィアに着せた。


「なんで裸で出てきたんですか!?」

「そこまで気を配る余裕が無かったのだ!それにその位はよいだろ?余は賢」

「自分の!姿!見て!ください!」


ずずいっ!と手鏡でその姿を確認させる。


「な、な、な…なんだこれはぁぁぁぁ!!」


ソフィアの絶叫が響き渡り、その威力で土煙が晴れる。


「何故…余の姿がこの様な幼い女なのじゃ…」

「私はソフィーが女性だったことにびっくりだよ…」

「ふむ?」

「あれ?ソフィーが妹になってる!!あっはっはっは!」

「笑いすぎだ馬鹿ルマ!」


ステータスを確認するとその姿の場合は【妹】になるようじゃな。ちなみに我ら、モンスターと呼ばれる存在に性別はあまり無いのじゃが…不思議じゃのう?

可愛い女の子登場です。年の頃は9歳ほどでしょうか。ブリッサと年の離れた姉妹みたいですね〜

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