第8話 パーティー更新
俺はギルドへ向かって歩いていた。なんでもノエルが話があるらしい。おれ何やらかしたんだ。思い当たることは、レストランからの帰りに眠っているノエルの太ももの感触を確かめていたぐらいか。ああ、今思い出しても興奮してしまう!俺は少し興奮気味に歩き続けた。
「タクミ、こっちですよ!」
俺がギルドの扉を開くとノエルからの言葉が飛んできた。手を振って立っている。しかし、隣にいる女の子は一体誰だ?
その子はノエルと同じくらい可憐な美少女だった。身長165cmほどで年齢は17歳くらいだろうか。セミロングで少しばかりピンク色がかかったクリーム色の髪色、毛先はツンとしており前髪は左に流している。両耳には星形のピアス、袖がなくて両脇に二つある大きなポケットが特徴的で白と水色のパーカー、フリルがついた白色のスカートを着ている。
「なんだよノエル話って」
「実はルーちゃんをパーティーに入れようと思っているのです!」
「ルーちゃん?」
俺が疑問を投げかけるとすぐにその子が反応した。
「はじめまして、ルウと言います。タクミさんのことはルウから聞いております」
微笑みながら、凛とした声で答えてくれた。
「は、はじめまして!タクミと言います!」
こんなにも可愛い女の子と話すとなるとやはり緊張してしまうな。すこしかみかみで言ってしまった。しかし俺は元はひきこもりなのだ。何か言葉を出しただけでもかなりマシだろう。
「ルーちゃんは私よりも先輩の冒険者でレベル20なのですよ!シルバーベアー討伐の依頼の時に前衛がいなくて困りましたですよね、その問題を解決するために頼んだのです。職業はシールダーなんですよ!」
ノエルは両腕を前に組みながらフフンと鼻を鳴らすように言った。なんでこいつが自慢してんだよ。すぐに調子に乗ってしまうのは相変わらずだな。―――――しかし、レベル20か。シルバーベアーを倒したおかげで俺のレベルは7に達している。ノエルは確かレベル12だったか。パーティーに加わるとなると一番の高レベルだ。何とも心強い。
「あと、前に行ったレストランもルーちゃんが教えてくれたんですよ」
なぜかまたノエルがフフンと鼻を鳴らすように言った。あのレストランで食べたステーキは本当に美味しかった。ついステーキがじゅうじゅうと焼ける様子を思い出してしまい涎が垂れてしまった。
「タクミ、ルーちゃんをパーティーに入れていいですか?」
「ああ、勿論だよ。前衛はパーティーには絶対に必要だからな」
「よかったのです、ではさっそくパーティー登録をしてくるのです!」
ノエルは受付にいるエミルさんのもとへ走っていった。それにしても、すぐに調子に乗ってドジなノエルが真面目そうな印象を受けるルウさんと仲良くしている姿が想像できないな。一体どこで知り合ったんだろうか。
「ノエルとはどういう関係なんですか?」
「ノエルは命の恩人なんです」
少しばかり意外だな。でもなんだかんだ俺がウルフに襲われたとき(ノエルが故意に木から蹴落としたが)も助けてくれたからな。何となく納得。
「それは一体どういう状況で?」
「私がラビリンスに行ったときにモンスターアラームのトラップに引っかかってしまいました。近くにいた魔物やモンスターが一斉に取り囲まれて絶体絶命でした。そんなときに偶然にもノエルが通りかかり、黒魔道を使って助けてくれたんです」
ノエルの黒魔道を知っているのか。あれは本当に強力だ。なんせ黒魔道の魔法である「ダークウィンド」たった一発で数十匹いるウルフを消し散らしてしまったからな。
「だから私はあの子に恩返しをしたいんです」
羨ましいぞノエル!こんなに可愛い女の子に慕われているなんて!
「それは大変でしたね。無事でよかったです」
俺もルウさんに慕われるべく気遣うような発言をした。俺も慕われたい!
ルウさんは軽く頭をさげた。
「パーティー登録終わったのですよ~!」
少しして嬉しそうにスキップをしながらノエルが戻ってきた。
「お疲れさん、今からどうするんだ?」
「う~ん、ルーちゃんは何かありますですか?」
一度考える素振りをしてノエルはルウさんへ視線を向ける。
「それでしたら、私の実力を見てもらう目的でラビリンスに行きませんか?」
「いいですね!それ!」
ラビリンス、魔物やモンスターが潜んでおり危険だが多数の宝箱が眠っている。そのため毎日多くの冒険者が攻略しに行っている。
「でもあと1,2時間後には日没ですから今日は解散して明日の朝行きましょう」
ルウさんが興奮するノエルを止めるように言った。
「タクミさんもそれでよろしいでしょうか?」
「はい、もちろんです」
「私はこれから用事があるのでまた明日お会いしましょう」
ルウさんは俺たちとラビリンスに行く約束をしてギルドから出て行った。
「では私たちは明日の準備をしましょう!」
ノエルが提案をする。
「そうだな、ポーションが少なくなってきたし雑貨屋へ行くか」
そして俺とノエルもギルドから出た。




