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71話 霊園の歌姫32

銀装甲態は結界の街中で走り回っていた。

すると地面が波立ち、地中からリチュオルが飛び出して来る。

銀装甲態はすかさず二刀流の剣で応戦する。

リチュオルは両腕のクロー攻撃で銀装甲態を圧倒しようとするが、銀装甲態の鮮やかな剣捌きで無力化され、そして彼女の回し蹴りを喰らってしまった。


「オヨォ!!」


それでもリチュオルはめげずに立ち向かおうとするが、自分と同じく地中から現れたオーラの鮫に攻撃されてしまう。


「いい加減諦めたらどうですか!?」


オーラの鮫に乗っているジルがリチュオルに降参を勧めた。


「降参だとぉ!? そいつは出来ねぇ相談だな!!」


リチュオルはオーラの鮫の大きく開いた口を両腕で押さえながら降参を拒否し、力一杯オーラの鮫を投げ飛ばした。

そしてリチュオルは自身のオーラを滾らせ、背中から4本の鎖に繋がれた鉄球を具現化した。

4本の鎖はクネクネと動きながらコンクリートの地面を叩きつける。

叩きつけられた地面は泥化して飛び散り、氷柱の様な形状になって硬質化して銀装甲態とジルに降り注志だ。

そんな時、英夜装甲態が駆けつけて氷柱状になったコンクリートを薙刀で次々と弾いて行った。


「さーて、盛り上がって来たな!」


銀装甲態は白熱したこの戦いに興奮していた。


「調子がいいなぁ、戦いは基本真面目にやるもんだろ。」


英夜装甲態は真面目な戦いで面白がるのはどうかと銀装甲態に注意した。


「確かにそうだけど固くなってるだけじゃ勝算が無い時だってある、有利になるためにはポーカーフェイスが大事って訳よ。」


銀装甲態は独自の理論を英夜装甲態に伝えた後、リチュオルに立ち向かって行った。

リチュオルは鎖を縦横無尽に操って銀装甲態の行く手を阻むが、彼女は鎖の動きを次々と先読みしながら攻撃を避け、両手の剣でリチュオルを斬りつけた。


「オヨォ……!」


攻撃を受けたリチュオルは考えてみれば自分は知性を得てから然程月日が流れていない身であり、戦いを知り尽くしているベテランという訳ではない、逃げたいという感情が芽生え始めた。


「て―――りゃ!!」


しかしそんな彼に追い打ちをかける様にオーラの鮫を剣に変えたジルが攻撃を仕掛けた。


「グゥ……せめてこいつだけでも泥化を!!」


リチュオルは自棄を起こしてジルの身体を両手で鷲掴みにしてオーラを送り泥化させようとする。

しかしジルを救出しようと駆けつけた英夜装甲態によって両腕を切断されてしまった。


「ギャアアアアアアアア!!」


リチュオルは激痛による悲鳴を上げる。

その隙にジルと英夜装甲態は銀装甲態の方へ駆け寄り、一カ所へと固まった。


「所であんた、名前は?」


銀装甲態はジルにまだ名前を伺ってなかった事に気づき、改めて尋ねた。


「え? ジル・アッシュクロフトですけど……」


ジルは言われるがままに自己紹介をする。

その直後、ジルは銀装甲態から青い真珠の数珠を渡された。


「これは?」

「中国に出張に行ってた時に買った幸運のお守りさ、やるよ。」


突然数珠を渡されてキョトンとするジルに、銀装甲態は得意気な様子で持っていて損はないと伝えた。


「お守りとか、今はそんなもんどうでもいいだろ。」

「そうでもないさ、あんた、その薙刀を地面に置いてくれないか? そしてジル、あんたは薙刀にスケートボードに乗る様に乗っかってくれ。」


英夜装甲態は妙なタイミングでジルにお守りを渡す銀装甲態に苦言を溢すが、何かを閃いた様で2人に指示を出した。


「え……何か意味のある策みたいですね……天城さん、取りあえず彼女の言う通りに行動しましょう!」


ジルは銀装甲態が戦略的な策を練っていると信じ、英夜装甲態に彼女の指示に従おうと呼びかけた。


「しょうがねぇなぁ……」


英夜装甲態は銀装甲態の自由なノリは少し気になったが、それでも美森の師匠という事で彼女の言葉を信じて薙刀を地面に置いた。

ジルは薙刀に両足を乗せ、銀装甲態から貰った数珠を左の手首にはめた。


「それじゃぁ、とどめと行きますか!」


銀装甲態は下準備が整った所で高くジャンプをした。

すると銀装甲態の身体がロボットの様に変形してバズーカ砲へと姿を変えた。

バス―カ砲になった銀装甲態はジルの元へとゆっくりと降りて彼女の胸の辺りでピタリと止まって宙に浮いた。


「え……え―――!?」


「こんな事出来るオーラナイト初めて見たぞ!」


ジルと英夜装甲態は銀装甲態の予想外の変形に驚いた。


「驚いてる暇はない、とっとと私を手に取りな、使い方は簡単、私とオーラの呼吸を合わせればいいだけさ。」


銀装甲態は自分の使い方を簡単に説明しながらジルに自分を手に取って武器として使う様呼びかけた。


「は……はい……」


ジルは銀装甲態が武器になった事にまだ驚いていたが、のんびりしてるとリチュオルに反撃されると思って急いでバス―カ砲となった彼女を手に取った。

一方のリチュオルも両腕をくっつけて傷の再生を終えていた。


「なんかヤバそうだな、だが地面を泥化して踏ん張りを効かなくしてやる!!」


リチュオルはジル達が自分をバズーカ砲で倒そうとしている事を読み取り、地面にオーラを広範囲に送って泥化させた。

柔らかい地面になった事でジルがバス―カ砲をの照準を上手く合わせられないと考えたのだ。


「薙刀使いの兄ちゃん、薙刀にオーラを送れ!!」


銀装甲態は急いで英夜装甲態に指示を出した。


「なんだか分からねぇが了解!!」


英夜装甲態も地面の泥化が始まってる今の状況では有無を問わず銀装甲態に従うしかないと考え、地面の薙刀に有りっ丈のオーラを送った。

すると銀装甲態のオーラがそれに共鳴し、薙刀に乗ったジルは高く空へと舞い上がった。


「わぁ――――!! こんな事って!?」


ジルはまるで遊園地の絶叫マシーンに乗ってる感覚になり、混乱しそうになる。


「相手が地面を泥化するのなら空へエスケイプすればいい、薙刀を地面代わりにして踏ん張れば問題ない!! さぁ、私にオーラを送って敵を倒したいと強く念じろ!!」


銀装甲態は自分の策の全貌を明かしながらジルに砲撃を開始する様指示した。


「は……はい!!」


ジルはここまで来たら勢いで突っ走ろうと思って銀装甲態に自分のオーラを流し込む。

銀装甲態の砲口にエネルギーが溜まり、そして強力なビームが放たれた。


「オヨオオオオオオオオオォォォ!!」


リチュオルは急いで逃げようとしたが間に合わず、ビームを浴びて塵となって消滅した。

オーラを使い果たしたジルは力尽き、フラっと倒れながら地面に落下する。

そんなジルを人型に戻った銀装甲態がお姫様抱っこで受け止め、そして地面に着地した。


「突然の思い付きだったとはいえ無理をさせちまったなぁ、怖かったか?」


銀装甲態はオーラナイトでないジルに無茶な戦いをさせてしまい、申し訳なく思った。


「いえ……私も自分の意志で戦いに参加した身なので文句は言いません。」


ジルは雪木の家で留守番するという選択もあったが、結局は自分で決めて戦いに参加したので戦いで生まれる恐怖心も覚悟していた。

なので特に銀装甲態の強引な戦い方に恨み言はなかった。


「そうか。」


銀装甲態はジルが自分に不満が無くてホッとした様子で彼女を降ろした。

そして銀装甲態と英夜装甲態は変身を解除し、結界も解けて現実世界へと戻った。

辺りは何事も無かったかの様に通行人たちが歩いていた。


「さてと、肝心な事をまだ聞いてなかったな、俺達が戦ってる事をどうやって嗅ぎ付けた?」


戦闘が終わった英夜は早速銀に自分達が空き地でリチュオルと戦ってる事が何故分かったのかを尋ねた。


「それはな、グリーンパールへ来る前にモニカにまず自分が戦うべき場所を占って貰ったのさ、そしたらあの空き地が占いで出た。」


銀は自分もグリーンパールへ着いたらまず悪魔に苦しめられてる人間を助けたいと思っていたのだ。

それで予めモニカに何処へ行くのが得策かを占って貰って、結果あの空き地に駆けつけたのだった。


「へぇ……ここに来たのは弟子である水前寺が元気でやってるか確かめたかったのか?」


銀が自分達の助太刀に来た理由を知った英夜は次に銀がグリーンパールへやって来た動機を言い当てた。


「まぁそんな所だな、でもどうやら美森は今別行動をとっている様だな。」


銀は英夜の予想通り、美森の様子が気になってグリーンパールへやって来た事を伝えた後、肝心の美森は今別の場所にいる事を悟った。


「色々と複雑な事情があってな……」


英夜は取りあえず今美森が高井の仇討ちに行ってる最中である事を伝えようとするが、そんな時に胡桃がやって来た。


「戦いは終わった様ね。」


胡桃は英夜と銀が変身を解いているのを見て、リチュオルを倒した事を悟った。


「そちらの方こそ、眠っている人達は大丈夫なのですか?」


体力が少し回復したジルは一息ついた後にコレクションにされていた女性達の安否を尋ねた。


「大丈夫、まだぐっすり眠っていてリコさんが見守っているわ、でも病院に連れて行った方が良いかも。」


胡桃はコレクションにされていた女性達は長い間囚われていて体調も悪くなっているのではないかと思い、病院に連れて行こうと提案した。


「確かにそうだな、元老院に連絡だ。」


英夜は美森の現状を銀に話すのは後回しにしようと判断し、スマホを取り出して元老院に女性達を病院へ運ぶ手伝いをしてもらうため電話を掛ける事にした。

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