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67話 霊園の歌姫28

リチュオルは自分の能力がジルの能力と相性が悪いという思わぬ盲点を突かれ追いつめられていた。

英夜装甲態達も泥化じた地面から這い上がってジルの元へと集まる。


「中々やるじゃねぇか、見直したぜ。」


英夜装甲態は泥化した地面には水分が多量に含まれるため液体の中を泳げるオーラの鮫にとっては好都合だと閃いたジルを褒めた。


「私も自分の能力は正直微妙だと思っていたのでこんな所で役に立てたのが驚きです。」


ジルは自分のオーラの鮫を操る能力は周りに水辺が無いと戦闘に不向きだと感じていたためリチュオルの能力が逆に自分の能力の自由度を広げる事に感心を抱いていた。


「ぐう……これで俺を追いつめたと思うなよ……」


リチュオルは立ち上がり、英夜装甲態達にまだ自分の戦意は消えてないと反論する。


「おー、強がるねぇ、でも私達はとことんやるよ!」


リコは強がるリチュオルに余裕そうなセリフを吐きながら再び刀を構えて立ち向かって行く。


「馬鹿め! 忘れたのか? 俺は地面を硬質化してシールドを作れる事を!!」


リチュオルは先程の様にリコの攻撃を無力化しよう手地面を盛り上がらせて壁のシールドを作った。

するとリコは香水を取り出し、刀の刃にふりかけた。


「てーりゃ!!」


そしてリコはシールドに突き攻撃をした。

一軒無駄な攻撃に思えたが、その時香水がふりかけられた刃が発火し、熱でシールドを溶かしていった。


「何!? ぐはっ!!」


シールドが溶かされ驚いたリチュオルの腹部にリコの刀が突き刺さった。


「よく考えたんだけど土は火に弱い、硬質化したシールドでも元は土だからちょっと工夫すれば無力化できると思った!」


リコが先程使った香水は以前ニュームーンでロンリネスから貰った香水を胡桃に成分分析させ量産した物だった。


ジルが機転を利かせた事で自分も頭の回転が良くなり、リチュオルに弱点は掴んだと断言した。

「オヨヨォォォォォ!! 熱い―――――!!」


リチュオルは簡単にシールドを突破された悔しさと体内を炎で焼かれる苦痛で心身共に苦しんでいた。


「おりゃあ!!」


そしてリコは炎を纏った刀でリチュオルを切り裂いた。


「オヨォ……まだだぁ……俺は勝つためなら卑怯な手だって使う男だぜぇ……」


リチュオルは苦痛を堪えながら身体をゆっくりと再生させ、オデイシアスから貰った紫色の指輪を輝かせた。


「今度は何をする気!?」


胡桃はリチュオルに警戒しながら銃を構えるが、その時背後から何者かに両腕を掴まれた。


「な……何!?」


突然現れた人物達に胡桃は驚く。

両腕を掴んだのはリチュオルが公園のベンチで捕らえた主婦の女性とゴミの山場で捕らえたチンピラの女性だった。

無論、2人の女性はリチュオルの指輪で操られており、眠ったまま動いていた。


「胡桃!!」


英夜装甲態は助けに入ろうとするも、自分もテニスウェアの少女2人に取り押さえられてしまう。

気が付くとリチュオルに捕らえられた女性達がゾンビの様にゆっくりとした歩行で英夜装甲態達に近づいてきた。


「これは……!?」


リコは突然現れた女性達を不気味に感じる。


「もしかしてこの人達が連れ去られた女性達?」


ジルもオーラの鮫から降りて緊張感を滾らせ、この女性達がリチュオルに捕らえられた被害者なのだと察した。


「そうだよ、こいつらは俺の集めたコレクションさ! いざとなれば操って利用する事だって出来る、罪もない一般人を殺したくはねぇよな、ボケが!」


リチュオルは敵に追い込まれても集めた女性を操って戦闘に使うという保険も懸けていた。

オーラナイトであれば非力な一般人を攻撃出来ないと考えて。


「卑劣な!!」


英夜装甲態は自分にしがみ付く少女達を傷つけないよう配慮しながら抵抗し、一般人の女性達を操って戦わせるリチュオルに毒づいた。


「その強がりが何処まで持つかな!?」


しかしリチュオルは形成が逆転した事で心に余裕が生まれ、英夜装甲態を嘲笑った。


「こいつ~!!」


リチュオルの付近にいたリコは本体である彼を倒せば操られた女性達のコントロールも解けると考え斬りかかろうとする。


「ヘイ! 右を見てみな!!」


リチュオルはそんなリコに右を振り向くよう指図した。

リコは言われるまま振り向くと、そこには公園で捕らえられた少女がカッターナイフを自分の首に突き立ててる姿があった。


「ぐっ……こんな小さい子まで!」


リコはリチュオルを攻撃しようとすれば少女がカッターナイフで自害するのだと理解した。

幼い子供までも連れ去らい、人質にまでするリチュオルにリコは怒りを感じた。


「さーて、お前らには大人しくしてもらいましょうかね。」


リチュオルは英夜装甲態達をどうしようか考え、取りあえず今は拘束しようと思った。









美森達は2枚目のパズルカードを探すべく次のエリアへ移動していた。

そこは幾つかの岩場があるジャングルの沼地だった。


「ここは、昭和70年代に有名だった日本人画家が描いた絵を模したフィールド……みたいね。」


雪木はこのジャングル地帯が以前見た絵とそっくりな風景だったため、その絵を立体的に再現したフィールドなのだろうと読み取った。


「辺りの木々に蔦がある、という事は蔦を渡ってフィールドを進めって事ね。」


直花はフィールドの地形を確認して探索のやり方を読み取った。


「うえぇ……私には向いてないかも……」


雪木は運動が苦手な上ロングスカートのワンピースを着ているため自分には蔦を渡るのは困難だと判断する。


「安心して、貴女なんか傍から当てにしてないわ。」


直花はそうだろうと思って直球に雪木に辛辣な意見を返した。


「それでも回復役がいるだけ有り難いと思いなさいよ!」

「まぁまぁ、お2人共喧嘩なさらずに……」


雪木は動きづらい服装で戦闘も苦手だとしても自分には回復能力があると直花に抗議し、アモーレはそんな2人を困った表情で仲裁しようとする。


「僕が行ってパズルカードを取って来ます。」


そんな時、美森は単独でジャングル地帯を攻略すると挙手した。


「あら、確かにこのフィールドは纏まって行動するより単独で行動した方が動きやすいわね。」


直花は美森の判断が正しいと思って彼に任せる事にした。


「それがいいわね……どんなギミックがあるか分からないから用心してよ。」


雪木も美森の挙手に賛同し、彼の健闘を祈る事にした。


「警戒心は強く持ちます、それではいって来ます。」


美森は雪木達に出発の挨拶をした後、オーラを足に込めて高くジャンプし、宙に吊られた蔦に着地する。

そして足場の悪い蔦の上を身軽に走り、下の沼地にある岩場へと着地した。

美森は大きな木に隠れて見えなかった右の通路を眺める。

すると奥に宝箱のある小島が確認できた。


「あの宝箱にパズルカードがあると見たけど、このまま上手く小島まで行けるとは思えないなぁ……」


美森はこの先何かのトラップがありそうだと予想し、警戒して先へ進むのを戸惑ってしまう。


「時としてトラップを恐れず、がむしゃらに突き進む事も必要だわ!!」


美森の様子を見た直花は遠くの彼に聞こえる大声で助言を与えた。


「そうですよね! 当たって砕けます!!」


美森も大声で直花に返答し、先へ進む決意をした。

そして再度ジャンプし、次の蔦へ着地する。

しかしその時、沼の中から巨大なオレンジ色の蛇が姿を現した。


「早速来た!!」


美森はこの巨大蛇が行く手を遮るトラップなのだと理解した。


「援護しましょう!」


アモーレはフルートを取り出して攻撃態勢に入り、直花に巨大蛇の注意を反らそうと呼びかける。


「ええ!」


直花はアモーレに返事をした後イーグルドローンを飛ばして巨大蛇に戦いを挑んだ。

美森は巨大蛇がアモーレのレーザーとイーグルドローンに気を取られている隙に先へ進もうと判断する。

しかしその最中、2匹目の巨大蛇が沼から現れた。


「ちっ……もう木の陰に隠れたから雑賀さん達の攻撃が届かない!」


美森は2匹目の巨大蛇まで直花達は対処しきれないと考え、強行突破をする事にした。

幸い、巨大蛇の動きは遅く逃げやすかった。

しかし巨大蛇もそれで終わる筈が無く、口から酸を吐いて美森に攻撃した。


「ぐっ!!」


美森は間一髪で酸の攻撃をかわし、次の岩場へと着地する。

こちらへゆっくりと大きな口を開けて迫って来る巨大蛇を美森は焦りのある表情で睨み付けた。

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