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38話 英夜と幽霊少女22

英夜装甲態は高くジャンプしてマーシュの身体に乗り、薙刀で突き刺そうとする。

しかしマーシュの水のバリアで刃が肉体に到達しなかった。


「畜生、こいつ!」


英夜装甲態はオーラの炎で水を蒸発させようとするが、マーシュは身体をグルグルと回転させながら彼の体制を崩そうとした。


「大人しくしろ!!」


英夜装甲態は膝真づきながらもマーシュから離れようとせず何度も攻撃を試みる。

しかしマーシュは彼をもっと苦戦させようと思ったのか、英夜装甲態もろとも沼の中へダイブして行った。


「天城君!!」


美森装甲態は急いで足元のオーラを解き、自身も水中へと潜って行く。


「私達も行くわよ!」

「ええ!」


戦いを見ていた直花と穂波も能力の相性の悪さでマーシュに苦戦する英夜装甲態を放っておけず、後を追って沼にダイブして行った。


「英夜……無事かな?」


その場に取り残されたリリカはマーシュに苦戦していた英夜装甲態が心配になる。


「大丈夫よ、悪魔をやっつけるのが天城達の仕事だもの。」


雪木はその場にしゃがんでリリカに背丈を合わせながら彼女を勇気づけた。


水中に引きずり込まれた英夜装甲態はマーシュとの戦いを続けていた。

マーシュは巨大な尾鰭を鞭の様に振るい英夜装甲態を苦しめる。


「ぐっ! 水中じゃ増々炎の力を発揮できねぇ……」


薙刀で尾鰭の攻撃をガードしながらも弾き飛ばされる英夜装甲態が毒づく。

今思えば屋敷で最初にマーシュが現れた時は自分の身体をシャボン玉に変えていた。

その時にマーシュが水系のオーラ使いだと推察するべきだったと英夜装甲態は後悔するが、あの時はリリカを説得するので頭が一杯だったため仕方の無い事だった。

苦戦する英夜装甲態に美森装甲態達が応援に駆け付ける。


「貴方、大丈夫?」


まず最初に声をかけたのは直花だった。

とは言っても水中では喋れないためテレパシーでの会話であるが。


「俺の事より、素潜りの奴らは大丈夫か?」


英夜装甲態は無理して強がる様に鎧の中に搭載されている酸素ボンベで呼吸が出来る自分よりも素潜りの状態である直花と穂波を気遣う。


「天使は平均15分は呼吸をせずとも平気でいられるのよ、そっちの娘は私のオーラで作った風のヘルメットを被せたからしばらくは酸素が送られるわ。」


直花は自分と穂波も水中に長時間潜っていても問題ないと英夜装甲態に伝える。

英夜装甲態はふと穂波の方を振り向く。

よく見ると彼女の顔には透明の丸い球体が被さっており、それが風のヘルメットなのだろうと推察した。


「所でどうするの? あんたの能力は水中じゃ使えないんでしょ?」


穂波は今のこの状況では英夜装甲態の炎技はまるで無力だと察して彼に打開策はあるのかと尋ねる。


「それがわかりゃ苦労はしねぇ、今は取りあえず物理攻撃あるのみだ!」


英夜装甲態は戦っている最中では上手く頭が回らず、今は取りあえず薙刀でひたすら攻撃するので必死だった。


「うわぁ、単純……」


穂波は英夜装甲態の大雑把な考えに引いてしまう。


「話は終わりましたか!?」


マーシュは英夜装甲態達のやりとりに痺れを切らして口から水の渦を吐いて攻撃する。

4人はそれぞれ散らばって水の渦をかわし、そして身体のオーラを上げてマーシュに突撃して行く。

まずは穂波がマーシュに両手を近づけ、彼を爆破しようと考える。

マーシュは水のバリアでガードするが、その水のバリアが爆破されてしまい無防備になる。

そこへ英夜装甲態が薙刀にオーラを一点集中させてマーシュを突き刺した。


「ぐおっ!!」


今のダメージが効いたのか、マーシュは呻き声を上げる。


「よっしゃー!! サンキューな!!」


英夜装甲態はようやくマーシュにダメージを与えられて安心し、水のバリアを爆破してくれた穂波に礼をした。


「炎に強い事を覗けば案外こいつ弱いかも、何かしらのコレクターってだいたい実力が無いイメージがあるし。」


穂波はマーシュがそれ程強い悪魔ではないのではと思い、このまま押し切れば倒せそうだと余裕な気持ちになる。


「クゥゥゥゥゥゥゥソォォォォォォォォがああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


するとマーシュは突然荒々しい口調となり、傷口からオーラで作ったシャボン玉を噴き出した。


「何!?」


噴き出したシャボン玉は英夜装甲態の身体に次々と張り付き、彼は困惑してしまう。


「こうなったら貴方を私の体内に引きずり込んでやりますよ、ククク!!」


マーシュは英夜装甲態を取り込むべく、傷口を大きく開けた。


「畜生、放しやがれ!!」


英夜装甲態は必死に抵抗するが、それも空しくマーシュの操るシャボン玉によって彼の体内に引きずり込まれてしまう。


「させるか――――――!!」


美森装甲態は英夜装甲態を救出するべく、マーシュに剣で攻撃しようとする。

しかしマーシュは身体を横に一回転させて美森装甲態を尾鰭で払い除けた。

次に直花がイーグルドローンを飛ばしてその翼でマーシュを攻撃する。


「ぐう……目敏い蝿め!!」


マーシュは素早い上に小型なイーグルドローンに攻撃に水のバリアが追いつかず困惑するが、すぐにシャボン玉を身体から繰り出して応戦する。

イーグルドローンはシャボン玉をかわそうとするが、無数に繰り出されるシャボン玉の一つに囚われてしまった。


「しまった!!」


直花はオーラでイーグルドローンを操作してシャボン玉から脱出させようとするが、シャボン玉は頑丈だったため割るのには時間が掛かりそうだった。


「さぁ、貴方は早く私の一部となりなさい!!」


マーシュは再び意識を取り込もうとしている英夜装甲態に注目しながら彼に勝利宣言をした。


「そいつは出来ない相談だな!」


しかし英夜装甲態は突然余裕に満ちた口調でマーシュに反論した。


「何!?」


マーシュは英夜装甲態の余裕は何処から来るのかと考えるが、次の瞬間自分の体内が熱くなってる事に気が付く。


「な……! お前まさか!?」

「今更気がついてもおせぇんだよ紳士ぶったボンクラが!! 今お前の体内に炎を送ってるんだぜ!!」


英夜装甲態はマーシュが自分を取り込もうとしてるのを逆手に取り、身体の中から炎で焼き尽くせばいいのではと閃いたのだ。

マーシュへの打開策が見つかって英夜装甲態は今とても気分が良かった。


「ひっ……ひ―――――!! 溜まらん、出ていけ―――――――!!」


マーシュは慌てて英夜装甲態を身体から引き離した。

しかしそれと同時にシャボン玉を割って脱出したイーグルドローンによる突進がマーシュの腹部を貫通した。


「ぐおっ!!」


予想外の追い打ちにマーシュは苦痛の呻き声を上げてしまう。

そして直花は急いで英夜装甲態の方まで泳いで行く。


「ねぇ貴方、私もいい案を思いついたのだけれど。」


直花は英夜装甲態のオーラを有効に活用する方法を思いついたらしく、彼にその提案を話し出す。


「何だ?」


「貴方の炎と私の風を組み合わせるのよ、詳しく説明してる余裕は無いから早く始めましょう!」


英夜装甲態は直花の提案を尋ねるが、彼女は簡易的にそれを説明して実行に移そうと持ち掛けた。

英夜装甲態は訳が分からないという気持ちだったが、ぐずぐずしてるとマーシュのダメージが回復してしまうと思って取りあえず直花の指示に従い薙刀にオーラを送った。

続いて直花はその薙刀に両手をかざして自分のオーラを送り込む。

すると薙刀から2人のオーラが解き放たれ、赤い熱気が水中に広がった。


「これは!?」

「熱風よ、私と貴方でならこういう事が出来るんじゃないかと思ったの、このまま水中を干上がらせるわよ!」


突然の出来事に戸惑う英夜装甲態に直花がオーラによる複合技の事を説明する。

水の中では一見するとお役御免な英夜装甲態の炎を自分の風と組み合わせれば強力な技になると直花は閃いたのだ。


「うぉ――――!! まずい、ガードしないと!!」


マーシュはなんて事をしてくれたんだと思いながらも身体が干上がらない様にオーラを上げて身を守る。


「凄いけどちょっと無謀!!」


穂波も英夜装甲態と直花の複合技には感心するが味方巻き込まれるだろと突っ込みながらマーシュ同様オーラで熱風から身体を守った。


「あの直花って娘、ナイスファインプレー。」


一方の美森装甲態は鎧を着ていたため取りあえず熱風を浴びずに済んでおり、水中では無力な英夜装甲態の炎にサポートを加えた直花を有り難く感じた。

そして瞬く間に沼の水は熱風で干上がって無くなり、クレーターの様に窪んだ地面がそこに残った。


「おのれぇ……よくもこんなんしやがって!!」


自分の有利なフィールドである水中を台無しにされたマーシュの口調は完全に荒れていた。


「幽霊をコレクションしようなんて考えるおバカさんにはこれ位のお仕置きが必要よ。」


直花はマーシュを睨み付けながら、幽霊を慰めて成仏させる自分と真逆な事をするマーシュに辛辣な言葉を吐き捨てた。


「恩にきるぜ雑賀、さぁて……これでお前をぶちのめせるぜ!」


英夜装甲態は水中での自分の能力の弱点を補ってくれた直花に礼を言って最初に会った時に彼女が言った『自分の救世主になるかもしれない』という言葉がこんな形で実感できるとはと感動を覚える。

そして英夜装甲態は熱風をオーラで凌いで体力を消耗しているマーシュに勝利宣言をした。

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