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TS魔法少女は戦いたくない  作者: 橋比呂コー
第七話「ヴァルエメラルドの正体は誰だ?」
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意外な所で再会した

 ダイカルアの襲撃でてんやわんやになってしまったカードゲーム大会から数週間が経った。デュエウィザ人気は留まるところを知らず、ボクのクラスの大多数がカードを所有するまでになった。もはや、小中学生の必須アイテムになりつつある辺り、人気の異常さが窺い知れる。実際面白いんだよな、このカード。


 ただ、カードゲーム特有のジレンマとして、新カードが手に入らないと強くなれないというものがある。覇王から譲ってもらった余剰カードでデッキを強化してきたものの、所詮は寄せ集めだ。レアカードや実戦で頻繁に使われる優秀なカードが入ったデッキにはどうしても勝てない。やはり、ある程度拡張パックを買わないといけないみたいだ。


 迎えた週末。覇王がいつもどこでカードを手に入れているか謎だったけど、どうやら専門店で仕入れているらしい。カードの専門店なんて行ったことないな。若干の不安を抱えつつも、教えられた隣の市のショップに出かけることにした。


 近辺では最大規模のショップらしく、デュエウィザ以外にも多種多様のカードを扱っているらしい。公式大会も開かれているようで、カードゲーマーの聖地とされていた。熱心にカードゲームをやったことなかったから、足を運ぶのは初めてだ。覇王も一緒に誘ったけど、今日はネトゲで重要なイベントがあるらしい。レイドボスがなんちゃらって言ってたけど、よく分からない。デュエウィザもやりながらネトゲをこなすって、どんな金と時間の使い方をしていることやら。


 地図を頼りに右往左往しながら自転車を飛ばす。魔法少女になれば一瞬で行けるだろうけど、普段の変哲の無い中学生のボクにとっては、自転車が最大の移動手段だ。普段、あまり遠出しないから、たどり着くだけで体力の大部分を消費しそう。よもや、カードゲームをやるためだけに、余計な運動をする羽目になるとは。


 行き慣れないところへ地図だけを頼りにしているのだから、迷いに迷った。こんな苦労をしないと手に入らないって、人気が異常すぎるでしょ。休憩がてら立ち止まると、人だかりができているのに気が付いた。

 ゲームセンターか。ショッピングモールの中にあるのしか行ったことがないな。アーケードゲームの専門店ってガチのゲーマーが集まっていそうで敷居が高い。でも、入り口付近になぜだかお客さんが密集しているのだ。好奇心が勝り、自転車を停めて中に入る。無駄足だったとしても、休憩ぐらいはできるだろう。


 どうやら、近くに設置してあった音楽ゲームが騒動の原因のようだ。大画面に表示されるCGの少女の動きに合わせてダンスを踊る体感ゲームか。簡単のようで難しそうだな。そもそも、人前でダンスをするってけっこう恥ずかしいし。

 流れているのはSOS団が歌うアニメソング。歌に合わせてアニメキャラクターが踊るEDが話題になったそうだ。動画投稿サイトでしか見たことないけど。

 軽快なリズムに合わせ、洗練された動きを披露している。キレがありすぎて、つい見入ってしまう。おまけに、ゲームのスコアも順調に伸ばしている。一切ミスがないってのがすごいな。


 「フルコンボ」という電子音とともに、プレイヤーは汗をぬぐう。同時に、ギャラリーからは歓声があがった。この一角だけ、さながらライブ会場のようだ。余程の凄腕プレイヤーなんだろうな。

「やっぱすげえよな、Lは」

「さっき、太鼓の達人でもランクインしてたぜ」

 観客の噂話が漏れ聞こえる。やはり、有名なプレイヤーのようだ。


 ちょっと待って。Lだって。どっかで聞いたことある名前のような。つい最近、対面した覚えがあるぞ。うーん、どこで聞いたか。

 トンチ小僧よろしく頭を抱えていると、Lと呼ばれるプレイヤーと視線がぶつかる。

「あー、君!」

 同時に声をあげる。おいおい、偶然にしては出来すぎじゃないかな。小柄で童顔。機能性重視か、シャツにジーンズというラフな格好。そして、自己主張激しく揺れ動くアホ毛。うん、間違いない。


「マサッキーもゲーセンに来るんだ。意外だね」

 人懐っこく手を握って来る。だから、マサッキーはやめようよ。梨汁なんて発射しないからね。

「Lさんでしたっけ。ゲーム上手いんですね」

「さんはつけなくていいよ。さかなクンさんみたいで変じゃん。さておき、ここのゲーセンはよく来てるんだ。ぼくの主戦場ホームって言えば分かるかな」

 逆に分かりません。ゲーセンの専門用語なんて使わないでください。

「ううむ、全国順位だと四位か。ボーナスタイムでの稼ぎが甘かったな」

 ちらりと覗いた点数は一位からずっと均衡していた。どうやら、フルコンボは当たり前で、ボーナスタイムでの得点差がそのまま順位になっているらしい。神の次元というやつを目の当たりにした瞬間だった。


「マサッキーって何のゲームやるの。どうせなら対戦しない」

「ゲーセンのゲームはあまりやらないかな。ここへは休憩で立ち寄っただけだし。でも、クレーンゲームとかはたまにやるよ」

「けっこう可愛らしい趣味してるんだね。イージンファイターとかはやらないの。最近の推しゲーなんだ」

 歴史上の偉人同士が戦う格闘ゲームって、話題になってたな。一回やったことあるけど、面白半分で卑弥呼で挑んだら、一戦目のエジソンに瞬殺されてしまった。覇王曰く、卑弥呼はネタキャラだそうだ。邪馬台国の女王が殴り合うイメージ無いもんな。


「ここのゲーセンが目的じゃないとすると、どこに行こうとしてたの」

「覇王、ボクの友達に教えてもらったカードゲームのショップに行こうと思って」

「もしかして、カードショップ天馬?」

「正解。どうして知ってるの」

「ぼくもよくカード買いにいってるからさ。天馬もホームグラウンドだよ」

 むしろ、アウェーな場所はあるのだろうか。ここら近辺のゲーセンとかゲームショップは網羅していそうだ。

「天馬に行こうとしているってことは、デュエウィザにすっかりはまっちゃったってことだ」

「まあ、そんなところだね」

 素直に認めると、

「でも、あまり嵌まりすぎると厄介なことになるかも」

 Lは表情を曇らせた。ボクが訝しそうに首をかしげていると、ごまかすように手を振った。


「そうだ。ぼくも新しいカードが欲しかったんだ。せっかくだから一緒に行こうか」

「いいの。道に迷って困ってたところなんだ」

 常連客と一緒なら間違いはない。旅は道連れということで、Lも同伴でカードショップ天馬に向かうことにした。

実は、イージンファイターは前作の「オンラインゲームがバグったら彼女ができました」にも登場していたのですが、覚えているかな?

知らない人は読んでみよう(宣伝)

時系列的にバグ女に出てきたのはシリーズ最新作という位置づけです。

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