表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TS魔法少女は戦いたくない  作者: 橋比呂コー
第六話「謎の天才ゲーマーと自由の戦士ヴァルエメラルド」
64/141

デュエルスタート

 さて、巡り巡って日曜日。外は雲一つない青空が広がっている。気象予報士ならば絶好の行楽日和と形容しただろう。気温もそれほど高くなく、運動するならもってこいだ。

 でも、ボクらの目標は屋内だ。かつて、バタフライカルアの襲撃を受けたショッピングセンターの三階。おもちゃ売り場の大半を割いて、デュエルウィザーズの大会会場がセッティングされていた。

 主に二つのセクションに区切られており、一方は公式大会、もう一つは初心者向けのティーチングコーナーだ。すぐそばにはスタンダートデッキが山積みにされており、眺めている間にも牙城が崩されていく。余裕があるって油断しているといつの間にか売り切れになっていそうだ。


 とりあえず、お目当てのデッキを購入してホクホク顔になっていると、冷たい視線がぶつかり合った。うん、何度目だろう。この後のセリフも定番になってきているよね。

「どうしてあんたがここにいるのよ」

 渚先輩に倣うと「筋肉少女帯曰く、混ぜるな危険」だろうか。華怜はボクを睨んできたけど、今回は本当に誘っていないからね。でも、なぜか合流してしまったんだよな。


 ボクの隣でカードデッキを手にしているのは渚先輩である。鼻歌混じりでデッキの内容を確認している。

「先輩って、もしかしてデュエウィザやっていたんですか」

「すごく面白いって聞いたから買ってみたのよ。そしたら、案の定嵌まっちゃってね。女友達でやってる子少ないから、こういう大会は貴重なのよ」

 カードゲームって主に男子がやる遊びだからな。一定層を意識してアニメだと女性カードプレイヤーも登場するけど。


「サキちゃんはともかく、レンちゃんまでいるなんて意外だったわ。あんた、こういうゲームには疎いっていうか、苦手そうなのに」

「悪かったわね、カードゲームが苦手で」

 覇王からも同じように酷評されていたな。もちろん、黙っているわけではなく、仰々しくカードデッキを突きつけた。

「私だってカードを持っているんだからね。先輩、まずはあなたを倒させてもらうわ」

 いつの間に買ったんだよ。しかも、ストラクチャーデッキ「騎士王の進撃」っていきなり敷居の高いやつを手に入れたな。

「そのデッキ、戦士系モンスターで突撃するだけの脳筋デッキじゃない。まあ、レンちゃんらしいわね」

「ルール読んだけど、とにかく相手のライフを無くせばいいんでしょ。じゃあ、攻めまくればすぐじゃない」

「あのね、カードゲームはそんな単純じゃないの。まあいいわ。私の魔術師デッキで教えてあげる」

 すでに両者の間で火花が飛んでいる。殴り合いに発展するよりは建設的かな。


 ボクも一通りルールを教えてもらって、試しに覇王とデュエルすることになった。さっきのチュートリアルはお情けで勝たせてもらったけど、経験者相手はどうかな。しかも、ボクが使ってるのって第一弾の基礎デッキだし。

「初心者相手だからって容赦はしないぞ。俺の悪魔族デッキの恐ろしさを思い知るがいい」

「できれば容赦してほしいな」

 苦笑しつつもボクはデッキをシャッフルする。山札からカードを五枚引いてバトルスタートだ。


 トレーディングカードゲームの元祖を踏襲しており、一ターンに一度溜めることができるマナを使ってカードをプレイする。基本的にはクリーチャーカードで攻撃して、相手プレイヤーのライフ2000ポイントを削れば勝ちだ。でも、相手の邪魔をする魔法カードや、クリーチャーの特殊能力があるからそうは上手くいかない。


 ボクのデッキはバニラと呼ばれる特殊能力無しのカードが中心の、正真正銘初心者デッキである。圧倒的に不利じゃないかって。ところが、覇王の使う悪魔デッキは特殊能力が強いけど素の攻撃力が弱いカードが多い。だから、単純な殴り合いとなればボクの方が有利となる。


 八ターン目。ボクのライフは700、覇王は400だ。こっちのバトルゾーンには攻撃力400の「荒野の野犬」がいる。こいつの攻撃を通せばボクの勝ちだ。

「初心者の割にはなかなかやるな。しかし、俺のデッキはここからが本領発揮だぜ。俺は八マナすべてを支払い、暴食王グラトニーを召還する」

 繰り出されたのは三段腹を強調させ、巨大なナイフとフォークを持った悪魔モンスター。覇王が自慢してきたレアカードだ。


 けれども、攻撃力は100しかない。体力500の「偉大なる盾持ち」がいるし、逆転は不可能だろう。

「グラトニーの召還時効果発動。相手のバトルゾーンにあるクリーチャーを一体破壊し、その攻撃力と体力を加算する」

「何だって」

「俺は荒野の野犬を指定する。攻撃力、体力ともに400なのでグラトニーの能力は攻撃、体力ともに500になる」

「盾持ちの攻撃力は200。次のターンじゃ決着はつけないか」

 マナを使い果たしたため、ボクのターンとなる。幸い、グラトニーの攻撃は盾持ちで防ぐことができる。盾持ちは「ガーディアン」の能力を持っているから、相手プレイヤーの攻撃を強制的に防げるんだ。


 デッキから一枚ドロー。お、いいカードが来たぞ。

「ボクのターン。アタッカーカード、大山のドラゴンを召還する」

「むむ、九コストで攻撃力1000の第一弾レアカードか」

「こいつの攻撃を通せばボクの勝ちだ。盾持ちは相手プレイヤーを攻撃できないから、ここでターンを終了する」

 ドラゴンの体力は600だから、グラトニーでは倒せない。よし、いけるぞ。


 覇王のターンに移り、カードをドローする。さあ、どう来るか。

「初めてにしてはやるじゃないか。だが、悪魔族デッキの恐ろしさはここからだ。俺は三マナ支払い自爆霊を召還する。こいつの能力値は100だが、バトルした相手を強制的に倒すことができる」

「まずい。ドラゴンが倒されちゃう」

「誰がドラゴンを攻撃するといった。六マナ支払い魔法カード悪霊の反撃を発動。墓地が十枚以上あるとき、俺の場にいるモンスターの攻撃力をすべて200ポイントアップし、速攻能力を与える。こいつでグラトニーと自爆霊は同時攻撃が可能だ」

「確か、ハンドチェンジで手札を一旦全部捨てていたはず。じゃあ……」

「その通り。俺の墓地にあるカードは十三枚。悪霊の反撃の発動条件を満たしている。さあ、フィニッシュだ。自爆霊で盾持ちを攻撃して破壊。そして、グラトニーでダイレクトアタックだ」

 グラトニーは攻撃力が700にまで上昇している。為すすべなくライフを削られ、勝敗は決した。

唐突にカードゲームを取り入れたのは、最近シャドウバースにはまっているせいです。

ちなみに、暴食王グラトニーはシャドバの第一弾レジェンド「プルート」が元になっています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ