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介護日誌〜僕の愉快な仲間達  作者: めんとうふ
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第2話 ゆとり世代の甘え


「皆藤、動画見たよ!ラップ上手いやん!」


二人でオムツ交換をしている中で僕が言い放つ、それには理由があるのだ。

どうしても二人でオムツ交換をしていると、無言の間が生まれてしまう。無言の間は新人にとっては地獄のような時間で、気を使わせてしまうのだ。

だから、僕は和ませるために私用の話題を振るようにしている。


勿論、僕が指導者で皆藤にオムツ交換を教えている場合のみだ。

オムツ交換は基本は一人でするし、私用の会話だって許されない。少し甘いような気もするが、張り詰めた空気のなかでは仕事は覚えにくい。全ては自論だが、僕の経験談でもある。


利用者さんには失礼な行為だが、僕なりに考えての配慮だった。


「見てくれたんですか?有難う御座います!」


「あぁ、女の子のファンが多そうで羨ましいよ‥」


「えへへ、けど握手を求められるくらいなんですよ」


皆藤は僕を見て、ニヤケながら話してきた。そんな、皆藤に僕は口調を強くして話す。


「話すのはいいけど、手は止めない。握手でも羨ましいよ」


皆藤は急変した僕の態度に少しビックリした様子を見せていた。

話に夢中になって仕事を中断するのはダメだ。仕事に取り組みやすい様に話しているのに本末転倒になってしまうからだ。


勿論、その旨を皆藤に伝えると妙に納得していた。

まぁ仕事中に私用の話をする次点で、僕が間違っているのは確かだ。




しかし、このまで皆藤に気を使っていた僕が一番恐れていた事が起きてしまう。

皆藤が無断欠勤をしたのだ。その前の出勤日は熱で休んでいる。

皆藤の携帯に電話したところ友達が出たらしく「皆藤は会社を辞めたがってます」と言ってきたらしい。

皆藤が隣に居て、友達に代わりに言って貰ったのだろう。


僕は正直呆れてガッカリしていた。期待していた分の脱力感もあった。


勿論、会社の人はみんなでもう来ないだろうと結論に至っていたが、皆藤は予想外の行動をとった。次の日、普通に出勤してきたのだ。


理由は母親に「辞めるんだったら一ヶ月前にちゃんと言いなさい」と論されたらしい。勿論、理事長などの上の者が皆藤と話をした。皆藤はそこで会社を辞めたいと言ったらしいが、論され仕事を頑張るという形になった。


周りは"ゆとり世代"だから仕方ないと言って呆れていた。

僕はまた皆藤の相談を受ける事になる。



ゆとり世代って一括りにされると腹が立ちますけど、何処か思い当たる節があると思います。しかし、それは未熟者という事だけであって"ゆとり世代"とは何ら関係がないのです。


一人一人の長所や短所を見抜けない上司の問題です。新入社員がどうこうではなく、長所短所を見つけてあげる。長所を伸ばし、短所を無くして上げるのが上司の役目です。


ゆとりですがなにか?というドラマがありますが、あれはいいドラマです。反面教師として、ゆとりがどう思われているかをしっかりと捉えています。


ゆとり世代はバカにされたくないのであれば、しっかりすべきです。責任をしっかりと持ち、人に迷惑をかけない。これは人間として出来て当たり前の行動なのです。





○著者も20才のゆとり世代です。

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