第14話 「魔力の木」
5日間島に滞在し蒼依たちは自分たちの街に戻ってきた。
「ここが・・・・ここが魔術第1地区なんだね!おねえちゃん!」
「そ、そうだよ」
街に帰ってきて魔力感知が鋭い立花は何かに気づいた。
「ん?何かしら、なんだか私たちがいた5日前とは何かが違うような」
「何かってなに?」
「いや、それがわからないのよ、なんだか色々な物が混ざってて・・・・」
「僕はなにも感じないけどかすかに1つだけ気になる魔力があるの、それも魔女の」
「あーそれなんだがな、とりあえずみんなにお土産渡すのも兼ねてクロスフォード支部に行くか」
久しぶりに戻ってきたクロスフォード支部、そこではオペーターの人達が笑顔で出迎えてくれていた。
ラインフォルトが皆にお土産を渡し話は本題に入った。
「さて、蒼依達にはまだ話していなかったが、第1地区にステラという記憶がない魔女が現れ、それをルシェが保護したらしい」
「そのステラって言う子はどんな魔術を使えるの?使える魔術によっては僕達が知っている魔女かも知れないし」
「それは私が話すよ」
「あ、ルシェ!」
「お帰り蒼依、話は後で聞くね、じゃあステラについて話します。
魔術に関してなんだけど、癒しの魔術しか使えないみたい、まあこの時点で悪い魔女じゃないことはわかるんだけど、記憶がないっていうのがね、身長とかは蒼依とそう変わらないよ」
「それじゃあステラって言う子はそんなに害をなさない魔女って言うこと?」
「そうとも言い切れないけど少なくとも私は悪い子とは思わない」
「それでーなんだが、誰かステラの面倒を見てやってくれないか?」
「じゃあ私がステラを引き取るわ」
「リオンが引き取ってくれるなら問題ないか」
「じゃ、それだけだから、今日は解散するか」
はーい
そして、次の日
「おっはよー神奈さん」
「め、珍しいですね、蒼依先輩が私の部屋に来るなんて」
「いやーね、アンサンブルなんだけど、お互い敵同士じゃん?」
「そう、ですね」
「んでんで、できれば僕は神奈さんと戦いたい、友達として、パートナーとして」
「その気持ちは私も同じですよ」
「なので、もしお互い当たる前に負けてしまったら、どっちかの言うことを聞くっていうのはどう?」
「いいですね!もちろん私は蒼依先輩以外に負ける気はありせんよ!」
「僕だって神奈さん以外の人に負ける気はないよ!」
「それはそうと、その話をするために私の部屋に来たんですか?」
「そ、そうだった、千鶴が街を案内してほしいって言っていたから神奈さんもどうかなーって (僕より詳しいと思うから)」
「それでしたらご一緒しますよ」
蒼依と神奈は千鶴を連れ街を案内していた。
「ねえ、お姉ちゃん、あのでっかい木はなんなの?」
「あーあれはね、魔力の木って言って、ここら一体の魔力濃度を一定に保っているの、まあ桜の木と変わらないんだけどね」
「?ということは春になったら辺り一面桜まみれになるってこと?」
「そういうこと」
「ほんと、桜が散った後の花びらを掃除するの大変ですよね」
「う そ、そんなに大変なんだ・・・・あ、でもお姉ちゃんの風の魔術の花びらを集めればすぐ終わるんじゃないの?」
「普通の桜の木はね・・・・」
「え、まさか・・・・」
「魔力の木の花びらは魔力を通さない、なぜか知らないけど触れたら打ち消されるの、ほんっとにやっかい」
「もちろん千鶴ちゃんも掃除手伝わないといけないよ、シンシア生として」
「ま、まあ私は毎日狐白様の神社を綺麗に掃除してたので掃除は慣れているつもりです!」
「な、ならよかった」
「じゃあ、木の下まで行ってみる?」
「うん、行ってみる!」
3人は魔力の木の下まで行った。
「どお?千鶴ちゃん」
「す、すごいです!」
「たまにここにきてみるのもいいねー」
3人が魔力の木を見ていると木陰から1匹の精霊が顔を出していた。
「あれ?シンシア?」
「あ、あおい!助けてー!」
シンシアが蒼依の手のひらまで飛んできている後ろから1人の 女の子がシンシアを追いかけてきた。
「待ってよー妖精さーん!」
「ひぃー!き、きた!」
「えっと、どういう状況?」
「ま、待ちなさい・・・・ステラ・・・・」
「リ、リオンさん!てえ、ステラってもしかしてこの子がですが?」
「えぇ、そうよ」
「ねえ、リオンさん、この子魔女って言う感じ全然しないね」
「記憶がないんだってさ」
「だ、だからといってなぜ私につきまとうんだー!」
「仕方ないわよ、シンシア様、この子精霊魔術師だから」
「たとえそうだとしても私はあなたに契約されるほど安い精霊ではなーい!」
木の周りを飛び回っていたがシンシアはあえなく捕まってしまった。
「ねえねえ精霊さん、お名前教えて?」
「シンシアだ」
「いいお名前だね、困ったことあったらシンシアに頼もうかなー」
「私よりそこにいる猫耳の小さい子の方がずっと頼りになるぞ」
「名前は?」
「蒼依、風切 蒼依だよ」
「あおい、どこかで聞いたことあるような、まあいっかー」
「蒼依先輩、クロスフォード支部に千鶴ちゃん連れて行かなくて大丈夫ですか?」
「うん、もう暗くなりそうだしあそこはいつでも行けるから」
こうして、千鶴を案内する1日が終わった。




