葬葉
掲載日:2015/12/14
君の姿が蘇る度、胸の中に大きな洞ができる。
満ちていたはずの言葉に飢え、吐き出せなかった想いが喉の奥でのたうち回る。
地上を目指してアスファルトに当たった無惨な蝉や草花のように、暗闇のなかで朽ちていくだけ。
私の愛は、まだ青空を知らない。
抱きしめることさえ赦せなかった。
小さな背中をさすることも、小さな頭を撫でることも。
遠ざかる影をいつまでも追いかけることだって。
どれだけ離れていても、思い出さない日は来ないというのに。
君が知ろうとしなかった僕はずっと怯えていた。気づいて欲しいと願っていた。
「君はそういう人だ」
「そんなの優しい嘘だ」
君と同じように、僕も言って欲しかった。気付いてくれると期待していた。そしてどちらかが灰になるまで、言葉を通わせていたかった。
僕の悲鳴が、空まで届かないだろうか。
君の涙が、この暗闇まで届かないだろうか。
その孤独を支え、悲しみを壊せないだろうか。
罪に言葉を奪われてから、生きる意味が見つかるまで僕は眠り続ける。君がどこかで生きているのなら、僕は僕のために償うことが出来る。罪を背負い、新たな愛を憶えず、両手を広げて新たな一歩が踏み出せる。
君は幸せに、なれるのだから。




