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第三章 混迷? 美男美女コンテスト⑫
「うわぁ……私、どうしちゃったんだろ?」
顔を赤らめた自分を見ながらリルムは一人反省会をしていた。
ドレスに袖を通して思ったことは、ロイにその姿を見てもらいたいということであった。
最初は軽い気持ちだったのに、
なかなか現れない彼を思ううちに変な気持ちになって…………
(そ、それでキス…………ロイちゃんから迫ってきてくれた――――)
彼の顔のアップが脳裏にフラッシュバックする。
それだけで頭から湯気が出そうなくらい顔が熱くなる。
ちゃんとしたキスしたらどんな味がするのだろう?
そしてどんな気持ちになるのだろう?
興味を持っていただけあって、それが拒まれたのが残念で仕方がない。
「挫けるな、リルム! チャンスはまだまだある!」
ガッツポーズをとり自分を奮い立たせ、リルムはコンテストへと臨むのであった。