18、資料⑤
ご先祖さまは、以前誰かから聞いた話を思い出した。それによると、日本は世界でも稀にみる単一民族国家だそうで、しかも四方を海で隔絶されている。
他の国は、たいがい地続きだし、島国でも他民族の混入もある。しかも、民族意識も強固だし、宗教への帰属意識も強固だ。その二つは、結びつくことも多い。
そういうところでは統治も大変で、ホンの些細なミスが重大な事態を招くこともある。下手な施政を行えば、分裂や内乱を起こしかねない。
対して日本はどうか。これは、モウ非常に楽だ。日本語ならどこでも通用するし、識字率も高い。制度の周知徹底も易い。
かなりのミスでも許容されてしまうし、責任の所在もウヤムヤだ。
宗教意識など皆無に近い。なにしろ日本には、八百万も神々が居る。
政治家たちにとって、これほど気楽なことはない。しかし、日本の政治家、リーダーたちは、判で押したように人の上に立つのは『タイヘンだ』とか『ムズカシイ』という。
本気でそう思っているなら、甚だしい認識不足だ。日本の政治家など、外国ではほとんど通用しない愚物ばかりだし、決定的に緊張感に欠けている。日本の中だからこそ、バカでもチョンでも、けっこう何とかサマになっているだけだ。
まったく、日本の国とは良くも悪くもケッコウな国らしい。
ヒトラーとは、歴史上最悪、最大の犯罪者とされている。
しかしご先祖様は、ヒトラーに何故か不思議と共感するものを感じていた。魅力的でさえある。ヒトラーを、良くいう者はいない。第二次世界大戦も、ヒトラーが引き起こしたものだともいう。果たしてそうなのだろうか。ヒトラーがいなければ、ズーと平和が続いただろうか。とても、そうは思えない。
遅かれ早かれ、各国入り乱れての戦争が起きただろうと思う。
現に、北に新興社会主義国ソビエト連邦のスターリンがいる。ヒトラーに勝るともおろらない、凶悪、凶暴、非情、冷酷な絶対的独裁者だ。イタリアには、ファシスト党のムッソリーニ。イギリスには、ファシスト連盟のオズワルド・モーズリー、フランスには火の十字団があった。仮にヒトラーが居なかったとしても、これ等たちの間に何事もなく、平穏無事にすんだとはとうていおもわれない。
それに、迷妄、蒙昧国家日本があった。この国は朝鮮半島併合からの暴走を、思いとどまる事が出来ただろうか。否、出来はしない。狂い始めた歯車は、壊れなくちゃその動きを止めないだろう。
ヒトラーとは、まさしく悪魔的に狂った巨大な歯車に違いない。そのヒトラーを中心に、第二次世界大戦が動き出す。




