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15、資料②


第3回 大恐慌


『火事場ドロボー』がいた。アメリカ合衆国だ。次いで日本がそうだ。

一九二〇年代のアメリカの繁栄は、間違いなく戦争がもたらしたものだ。アメリカが途中から参戦したのも、債券取り立てを念頭に置いたからだ。債券が、反古になることを怖れたがためだ。

日本の場合はもっと露骨だ。

大戦勃発とともに青島(ちんたお)に出兵。対戦中、ロシア革命が起こりロマノフ王朝が倒れると、すかさずシベリアに出兵、濡れ手に粟の漁夫の利を得ようと画策していた。


それにしても、災難とはいつも突然にやってくるようだ。人は上手く行っている時は、ツユほどの挫折も考えないらしい。災難が降りかかって、始めて巨大な陥穽があったことを知るようだ。そして、人は世の中を嘆くのだ。


一九二九年十月二十四日、ニューヨーク、マンハッタン、ウォール街で株価が暴落を始めた。それが、大恐慌の始まりだった。

アメリカは、空前の大繁栄から、急転直下、奈落のどん底にたたき落とされた。

マンハッタンから始まった恐慌は、瞬く間に拡がり、世界中が深刻な不況の嵐に(さら)された。浮浪者が街に溢れ、自殺者が急増。人々はたった今までの自信を見失い、先の見えない、暗い、言い知れぬ不安に恐れ慄くことになった。

人々が否応なしに、不幸を身に滲みて実感する時代となった。


本編はンNHK・ABC 日米共同取材『映像の世紀』第1集~第10集を参考にしています。

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