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序章
緑におおわれた大地があった。それはとてもとても大きく、広く。
そこへ人々は点々と家を建て、営みを始めた。それはやがて集団となり、ひとつの村、町を作っていった。
北に森が広がる小高い丘の一帯もそのひとつ。丘の上から森もそのふもとに広がる家も一望できた。丘の頂上の北は十数メートルの崖。そして森。つまり小高い丘の北三分の一は削られたようになっている。
森へ行くことはもう何百年も前に禁止された。それは魔物が出るから。見た目には分からないが、もう樹齢何百年という木々が規則正しく、けれど自然とこの丘一帯を守り抜いている。
この村に住まない人々はここを『テーベル』と呼んだ。




