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黒髪の公爵達  作者:
21/26

落ちた砦へ

 クレメンテとシアーノ伯爵軍に港町を任せてマラガン公爵の居所に紫国の援軍を連れてきたルシアス達は砦から脱出していたルヴェーラ、マナ、ラルフと再会した。ルシアス達はセシルとアルマが砦の戦闘で行方不明になっていることを伝えられる。マラガン公爵の臣下達はすぐに王都を攻略するか否かの意見を出し合っていた。魔獣やアンデットとデーモン達に大打撃を与えたルヴェーラ達の活躍により臣下達の多くは王都を攻め討つことが出来ると考えていたがシンビス王子の身を心配する臣下達は機を待つことを進言した。

 

 「マラガン閣下、如何なされましょう?」


 「うむ、アルバ侯爵から手紙がきていた。内容は捕らわれているというシンビス殿下を救出し次第、我が領内にシンビス殿下を逃すというモノだった。」


 「アルバ侯爵は最初はアダイト大公と手を結んだ男、それに加えて今度はラファールの傍にいるとは。何か裏があるかもしれませんぞ?」


 「いや、アルバ侯爵は元々王家に対する忠誠心が高い男だ。その男が何故アダイト大公の側についたのか疑問だっがどうやら娘を人質に取られていたようだ。私は手紙の内容を信じようと思う。次の手紙が来るまで紫国の方には申し訳ないが待機をお願い出来るか?」


 「私達はかまいません、閣下、シスイ!忍びの者にアルマ達の行方を探索させるように。」


 「わまりました。姫様」


 それから二日後マラガン公爵の元にアルバ侯爵からの手紙が再び届いた。シンビスと娘のアリスそして捕虜となっていたセシル達を王都から脱出させて公爵の領内に向かわせているという内容だった。手紙を読み終えたマラガン公爵は再び臣下とルシアス達を呼んだ。


 「アルバ侯爵から再び手紙が来た。シンビス殿下と娘のアリスそして恐らくセシル殿達も一緒に王都から逃したようだ。」 

 

 「王都からこの城に来るためには陥落した砦を通らなければなりません。シンビス殿下達を迎えに行く者達が必要でしょう。」


 「それならば我が配下の炎鉄騎士団を派遣しよう。」

 

 その言葉に臣下の一人が言った。


 「ではシンビス殿下がこの城に到着次第、王都に進軍を?」


 「いや、どうやらラファールは邪教の司祭によって殺され人外の者と入れ替わっているようだ。それに元々ラファールに心から忠誠を誓っているものはほとんどいないだろう。」


 「ではどうなさると?」


 「うむ、アルバ侯爵がラファールに化けた人外の者を討とうとしたようだがラファールに化けた者の周りには強力な魔物達がいて実行する為には魔物達に対抗できる者の協力がなければ難しいと相談された。そこで砦で魔物達の侵攻を退けるのに活躍したルヴェーラとその仲間のルシアス殿達に王都に潜入してラファールに化けた魔物をアルバ侯爵と協力して討ってほしいのだ。多くの血を流さぬ為に頼めるか?」


 「そうですねマラガン公爵閣下、無用な流血は避けねばなりません。」


 「マラガン公爵、それならば私達は騎士団と共に砦に行きセシルさんと合流して王都に向かいます。」


 「礼をいうぞ、頼もしい魔法使いと異国の公爵殿。」


 準備を整えたルシアス達は炎狼騎士団と共に砦へと向かっていった。

 

 

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