ラファール軍の侵攻に備えて
ルシアスと別れてマナとラルフと合流したルヴェーラ達はラファール達の軍が侵攻してきた時の為マラガン公爵領内の砦に待機していた。ルヴェーラは砦の兵士達に土で出来た3メートル程の大きな人形達を作らせていた。出来上がった人形達の出来に納得したルヴェーラに砦の指揮官が尋ねた。
「ルヴェーラ殿、今更ですが何故このような人形を?」
「ゴーレムというモノを作ります。魔法込めてこの泥人形達を砦を守る為の兵力にしようと思っています。」
「この土人形達が動くのですか?」
「私もこの手の魔法はお師匠様から聞かされていただけで実際に作るのは初めてですがやる価値はあるでしょう。」
ルヴェーラはそういうと師匠であったマリオンの書物に書いてある通りにゴーレムの核となる物に魔法を込めて泥人形にの胸に植え込んだ。
(お師匠様の書いた通りならこれで、、、、)
魔法の核を植え込まれた泥人形達はゆっくりと立ち上がる。それを見た砦の兵士達から歓声が上がった。
ゴーレム達を見たルヴェーラは考えた。
(応用すれば鉄で出来たゴーレムも作れるかもしれませんね。)
「うまくいきましたね!ルヴェーラ殿!!」
「ベイン隊長。鍛冶職人と協力して今度は大型の鉄人形を作れませんか??私も赴きます。」
「わかりました。一緒にかけあってみましょう!!」
ルヴェーラの考えていることを理解した砦の指揮官ベインとルヴェーラはすぐさま鍛冶職人達の元へと向かった。
砦の広場ではアルマそしてセシルと兵士達が剣の訓練している。砦の腕自慢の兵士達は模擬戦を行ったが誰一人としてセシルにはかなわなかった。
「凄いな!あの人」
「お前惚れたな?」
「お前だって鼻のしたが伸びてるぞ?」
「あんな人が隊長だったらなあ、、、、、。」
剣の訓練を終えるとセシルの元に大勢の兵士がやって来て一緒に酒を飲まないかと誘ってくるがセシルは苦笑いで疲れているからと断り自室に戻って言った。
(相変わらずセシルさんはもてるなあ)
そう思っていたアルマの元に純情そうな若い兵士が声を掛けてくる。
「あ、あのアルマさん良ければ一緒に食事でも如何ですか?」
声を掛けてきた兵士にアルマが名前を聞くと若い兵士はジャンという自身の名を告げた。
「自分とでは難しいですか?」
「ううん、とてもうれしいよ!行こう!ジャン君!」
アルマは内気なジャンの手をとり一緒に食事をとりに行った。
マナはいつもの様にシェイダルに祈りを捧げてラルフは自室で装備の手入れを行っている。そんななか砦の一日は終わっていった。