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黒髪の公爵達  作者:
12/26

出陣

 歩く死体や得体のしれない存在に敗れたと噂されるアダイト大公の敗戦はエスト王国中に響き渡っていた。魔窟と化したエイルダックの噂は中立の貴族達にも衝撃を与えてシアーノ伯爵やマラガン公爵の側に着くのをためらわせていた。アルバ侯爵とサヴィーニ伯爵は沈黙したままだった。

 マラガン公爵の元からシアーノ伯爵の元に戻ったルシアス達はルシアスとバルアを通して連絡を送りあい次にどうするかを話し合った。

 話し合った結果、マラガン公爵がだした提案はアヤの祖国である紫国の力を借りるというものだった。シアーノ伯爵は紫国の王族である天王家の血筋の者と結ばれていたためマラガン公爵は無理を承知でこの提案をした。シアーノ伯爵は紫国の姫であるアヤとシスイにその提案を受け入れられるかを聞いた。アヤとシスイはその提案を聞いて叔父であるシアーノ伯爵の為アヤの父であるシンオウ・イスルギに援軍を出すように願うことを約束した。

 マラガン公爵がラファールの動きを警戒して対応するという話の中、紫国に援軍を求めるためにシアーノ伯爵と中立の貴族の同盟軍は港街を占領するアルバ侯爵とサヴィーニ伯爵の軍と戦うことを決断する。ルシアスはアルバ侯爵とサヴィーニ伯爵軍との戦いの最前線に加わることを決断してバルアに言った。

 

 「バルア!船長や船員のことが気になる俺はアルバ侯爵とサヴィーニ伯爵の軍との戦いに加わる。ルヴェーラ達に伝えてくれ」


 「皆、無事だといのですが」


 「ああ、そうだなラルフ。しかしラファールの動きも気になる。広まっている噂が真実ならラファールにはグムハザの司祭がついているかもしれない。マナ、それに備えてラルフとルヴェーラ達の元へと向かってくれないか?」

 

 「ルシアス、、、、、分かった、気を付けてね。」


 「ああ、また後で会おう。ラルフ!マナを頼む!」


 「はい、ルシアス様」


 「やはりアヤ、君も前線に出るのか?」


 「ああ。援軍を出してもらうには私も船に乗り父上に会わなければならない。それに紫国の天王家の血を引くものとして背を見せることは出来ない。紫国の剣の使い手の実力をお見せしよう。」


 「このシスイもエスト王国の為に剣を捧げましょうぞ!しかし姫様、どうかご無理はなさらぬようお願いしますぞ!シデン!姫様の御身を必ずお守りしろ!」


 「はい、必ずやアヤ姫をお守りします。」


 戦いの準備をするシアーノ伯爵の軍の中にはクレメンテもいた。


 「クレメンテさんも貴方も前線に?」


 「無論だ。私の治める地だからな。」


 「ルシアス、クレメンテ様の事は私達に任せておけ!」


 一緒に旅をしたクレメンテの衛兵がルシアスにそう言って豪快に笑った。


 ルシアス達が出陣の準備を終えると甲冑に身を包んだシアーノ伯爵が部下達に言った。

 

 「この戦いに参加すれば命を落とす者もいるだろう、しかしこのままこのではエスト王国の未来は闇に包まれるだろう!忠勇なる我が精兵達よ今こそこのエスト王国に光をもたらす為の戦いをする時だ!出陣するぞ!!」


 「オオーーーっ!!エスト王国の為に!!」


 後方を数少ない同盟軍の貴族達に任せるとシアーノ伯爵の軍とそれに参加するルシアス達は占領された港街を奪回するためクレメンテの治めていた港街へと進んでいった。


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