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1年A組の事件簿〜筆箱失踪事件編〜  作者: o
2章【犇めく陰謀】
8/22

EPISODE8 君はどうだい?

大富豪なんて、幾年ぶりだろうか。

いや、そんな思い浸るほどの月日は経っていない。

つい最近やったばっかりだ。

あれは頭を使うゲームだからゲームの全貌を見渡す力があるかが大切なゲームなので、僕にはウケるゲーム。

三限目前の10分休み。

嫌な寒気の正体を授業中に暴いた、ということになるが。

果さて、どうしたものか。いつもの自分であれば喜び、自発的に取り組んでいたところだ。とでも言いたい。

やはり寒気だ。こいつのお陰で大方の洞察力は果たして冴え渡っているだろうか。

答えはおそらく"NO"に近い回答だ。

ただでさえ、朝だというのだ。もっと"NO"だ。自分の身体からもお断りだ。

眠い時間帯に体を動かすならまだしも、ぼんやりする脳を抱えて推理するというのはとてつもない非合理的。


喧嘩が終わったたっくんとももちゃんはすっかり和解しており、ルーティーンのようにこちらに足を運ぶ。

取材陣がタレントを取り囲むように、僕の着席している周りに立ち尽くしている。

開口一番手。ももちゃん。


桃「ごめんね〜かいちゃん、いつものことだけど気を遣ってくれてね。」

僕「ううん。そんなことないよ。別に聞いてる側としてはかなり面白かったよ。バカにはしていないけどももちゃんから出ないであろう言葉が出てきたりと、色々と参考になってるよ。助かる。」

桃「ちょ!何言ってんのよ。いいこと言うじゃない。毎回毎回ありがとね。」


その時のももちゃんは心做しか頬を赤らめているのが確認できている。

気づいたのか、頬に手を当てながら身体を左右に揺らしていた。

僕はそんなに照れさせることを言った覚えはない。

まぁでも取り敢えずももちゃんに関しては褒めておけば間違いなし。

褒め言葉こそ最大の弱点であるからこそである。

決してバカにはしないが、今はそんなことはどうでもいい。

次に口を開くのは僕だ。これ以上話を斗折蛇行(とせつだこう)するわけには行くまい。

その志やいかに。


僕「たっくんには話したけど、今朝から明らかに春寒ではない寒さが目立つんだ。特別寒いわけではないんだけど何か嫌な予感がすると僕は推察する。君たちに感じるかどうかはさてどうだ。わからない。

だけど、何かが起きるというのは確実性が見受けられるんだよ。

ここで質問。君たちはこの疑問に関してどう感じるかい?」


急に難しい質問をしたと思ったがみんな案外すんなりと理解していてくれた。

それでは話は早い。間は空いたが、すぐに理解した口ぶりでたっくんだ。


卓「そうだね...。僕はなんにも感じないかな。極論生きていければいい理論で生きてる人種だから寒気なんて考えたことないや。でもかいちゃんがわざわざ『()()()()』だと感じるくらいだ、何か予感もあるべきだと僕は思うよ!名探偵の感に狂いはないってね♪」

桃「...。そうね。確かに小学校時代を思い出すとかいちゃんの言う『()()』は全部当たってるわ。

例えかいちゃんが山を張ったとしても当たっているといったのだから。私もこの案件はI won(当たっている)と思うわ。」

僕「うん。ありがとう。時くんはどう思うかな。」


顎に拳を置き暫くタイルでできた教室の床を見ながら唸った。

彼にも彼なりの考えがあるというのだ尊重しよう。

長らく考え捻りに捻り出された言葉はこうだ。


時「ウチもなんだかいやーな寒気は感じるわ。なんっちゅうか、自然の寒さやないのは確かやで。

あと、その名探偵の感っちゅうのもお手並み拝見やな。海人くん。」


彼がニヤける。()も何か意味がありげに、ご丁寧に名前まで呼んでくれているとは。

たっくんの発言の「名探偵の感」というワードも引用している。

予想するに、八雲くんはなにか嫌な空気(持っている秘密)に付いて関係がありそうな意味深な発言をしている。

このようなことはあまりにも不本意ではあるが友達を疑うということはしたくない。

だけど、目星をつけてておくのは探偵としての先入観には欠ける行為であるのでそこに関してはあまり気にかけることはない。

惜しいことだが、八雲くんをグレー認定とする。

一定の距離を保ちつつ対応する。

取り敢えずでも一瞬の隙すらも見逃さないのが探偵だ。

先入観は必要ない。


どないしたん。

そう言わんばかりの顔をこちらに突きつけている。

2人も疑問について話し合っている。

そこには触れない。

まっすぐと見る八雲くんの目には曇りなき眼であったがために少し怖さも混じっている。


時「どないしたん。そないにこわばっとる顔をしてもて。こっちも怖なんでぇ。」


どないしたん。ビンゴ。

彼の出身地が関西だとわかったために関西弁であると見抜けた。

だが、出身地の詳細が京都とわかったが、結構きつめの関西弁だ。これは大阪弁だと。

京都弁は比較的柔らかく皮肉な表現をしているという事がある。いわば京言葉だ。

語尾に「どすえ」などがつけて話すとなんとなく「お上品」に感じること。

では、良い大阪弁と京都弁の最大の特徴は「イントネーション(声の抑揚)」だ。


文章を読むにも抑揚をつけて読む。とよく言われるが、これはとても国語的だ。

京都弁の特徴は抑揚があり柔らか、お上品と感じる。

大阪弁の特徴は会話に抑揚がなく表現に堅さを感じる人も多く、発言を真に受けてしまう人にとっては、あまり聞いていて心地よく感じることはない、がそれは今は関係はない。


その他、相互の地方弁は語尾の相違があったりと、俗に言う国語的。先程のだ。

そのようなものがあり、勉強していくと案外楽しいものがあるのだ。


そのために八雲くんは京都出身だが、何らか理由(わけ)あって関西弁一括り大阪寄りの関西弁が誕生したわけだ。


話し終わったのか。

代表してももちゃんが開口。

本日2度目の開口一番だ。ももちゃんらしい。

たっくんを見るがなんとも言えぬ表情でこちらを伺っている。

なんだ。なにかついている、とでも言うのか?

1日に一気に2話分出してしまい、気力すら残ってないですよ。

やばいです。1日1ネタの概念がぶち壊れて刊行しきれない〜。そう思ってました。

ぶち壊れて動けないなんてないように休み休み練っていきます。

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