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1年A組の事件簿〜筆箱失踪事件編〜  作者: o
2章【犇めく陰謀】
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EPISODE5 十年一日の如く

ごめん。端金ではあるけどどうぞ。といって渡された金額は千円札五枚。

お年玉かと思いもらったが、中学生に五千円は大層の大金持ちだ。

何が端金だ。全然多いじゃないかと。言わないが思う。

日記を書き始めて約幾年。

いつから書き始めたのであろうか。

思いふけると幼稚園に入学した頃。

ずばり3歳くらいであろう年齢から書き始めているということになる。

欠かさず書くことを日課にしていたがやはりさほどに長続きをせずに。

つまり言うと三日坊主だ。実に当時の自分に当てはまる、適合性の高い言葉だ。


しかし今は、毎日欠かさず。わずかながらの言葉であるが着々と日記が完成していっている。

今まで書き記した日記の冊数はなんと9冊もある。本当は理論上は15冊は超えている計算のはずだが。

一番の低迷期はやはり、小学生になってから3年目。つまり3年生だ、幼稚園生の頃は絵書き表せてせていていたが、小学校入学すると両親は口を揃えて自分の字で書こう。そう言われた。


床についてから30分が経ったが、なかなか寝付けない。

何か睡眠に支障をきたすモノを含んだだろうか。

考えながら目を瞑ると一つ突っかかるものがあった。緑茶だ。

緑茶に含まれている「カフェイン」という物質のお陰で脳が興奮状態にいわば覚醒状態のまま睡眠をするので、入眠を妨げなかなか寝付けないということだ。


あれから三十分近くの小論争が続いた。

あの小論争にはどうやら僕も参加しないといけなかったが、どうも参加する気にもなれなかったし、それ以前にあの鳴り止まない小論争にはとてもだが機械音痴には次元の違う話だった。

寝付けない理由(わけ)は「カフェイン」だけではなかったようだった。


ー翌日ー

あまり気持ちの良い目覚めではないが陽の光で起こされた。

だが目覚めてしまったが百年目。

今日の始まり気合を入れて一週間をスタートさせる。

いつものように寝癖を直し歯を磨き少し馴染むようになった制服。でもまだ緩いような。

起きてから30分も経たずに家を出た。


眠い目をこすりしながらトボトボと大通りをコツコツと鳴らしながら歩いていると、またもや大きな足音が後ろから響き渡ってきた。

またか。思いながら恐る恐る後ろを向くとほぼゼロ距離でたっくんがいた。まぁ(せわ)しなく走ってきながら密着してくる人なんてたっくんぐらいしかいないんだから。


卓「おっはようございます〜かいちゃん。ん?どしたん眠いの?」

僕「あぁ、おかげさまでな。よく眠れたよ」


相手がどう捉えたのかはわからないがおそらく皮肉の表現であると思う。

今の自分は嫌味に聞こえたのだろうか。速攻脳内反省会が始まった。


誤解を解くべくたっくんに事情(なぜか)を話すと、案外すんなりと飲み込みが早かったのか快く承諾したかのような笑顔で言ってきた。


卓「かいちゃん昔っから機械音痴だからさ無理もないよそんなのさ気にしないでよ。ね?僕だって気にしてないよ。」


やはりこの(コンプレックス)を直したい。そんな気持ちを抱いていると自然と体の芯から先の方まで温まっていく。単純明快、耳が赤くなっていると聞くと途端に顔全体を手で覆い隠した。

隠せていないところはオーバーヒートしたように一気に冷えた。


徐々に落ち着きを取り戻したのか、やっと正常に質疑応答ができるように回復した。

その時に何を思ったのか軽く吹いた春風に身震いしてしまった。

冬が明けてからの4月だが身震いするほどに空気が澄んでいることが確認できた。

春寒ではあるのだが、違う寒さも込み上げてきた。なんだろう嫌な予感する。

嫌な予感がすると寒気がするのであろうか。

鶏も寒いと感じたら鳥肌というくらいなのだろうから鳥肌が立つのかと思っていた束の間。

虫の知らせというくらいであるのだから何かが良からぬことの配達をしてくれているのだろう。


大丈夫?と何回もさすってくれたその背中もいよいよ温もりをなくしてしまった。

そのとき、たっくんの後ろに一人走ってくる人を見つけた。

後ろは背景としてぼやけているためたっくんが元となっている。


この時ふと思い返したのが人間の目の錯覚だ。

例えば、たっくんをベースにフォーカスしているとたっくん以外の物や人が背景になってしまう。

これはカメラのピントを合わせるのと道理は同じである。


この現象を簡単に体現するのであれば「ルビンの壺」というものだ。

「ルビンの壺」というのは一枚の絵で2つの意味を持ち合わせている。いわば2面性。

そんな2面性を持っている絵を見極めるのは対して難しいことではない。ただ一つコツが必要なもの。

「ルビンの壺」を簡単に要約すれば、人間の目の錯覚を利用した実験。

黒色と白色の二色がある。その一つのコツというのが一つの色だけを見るということ。黒色だけを一点集中して見つめていると何やら何かの形が浮かび上がってくることがわかる。これがこの実験における()()であるということに気づける。

黒色だけを見ていると二人の顔が向き合っているような模様が見えていることが必然的。

一方、白色だけを見ていると作品の題名の「壺」が見えてくるだろう。これがこの作品で捉えておきたいこと。

感覚や知覚、記憶といった人間の情報処理過程を解明する認知心理学というのがデンマークの心理学者エドガー・ルビンが考案した多義図形であるロジックが見えてくるだろう。


こうして人間は工夫をこらして生きている。


やっと追いついて来たももちゃんが息を切らし膝に手をついている。

多分たっくんもかっ飛ばしてきているだろうからももちゃんのことは尚更だ。5分は休憩に用するだろう。

反省気味で気の毒そうなたっくんの顔が伺えたが多分明日もやってももちゃんにブチギレられることであろう。やれやれだ。そこで仲裁に入るのが僕であるのだから。こちらとしても身が持たない。


ー教室にてー


桃「あんたさ!一体どうなってるのよ、だいたいレディーを置いてかっ飛ばしていくってどーゆー神経してんのよ、この爆速ゴリラ!ゴリラは意外と優しいと言うけど私には体力的にも優しくないのね!この体力オバケ!サイテーよサイテー。」

卓「うぅん...」


まったく、予想通りの暴言混じりのお説教タイムだ。

恥を知らずに朝の教室内に怒号が響き渡る。

不服そうな怪訝な顔は今までの出来事を募らせてのことであろう。

それを毎回近くで見てきているのだからもっと尚更だ。

彼は反省気味で気の毒そうなたっくんの顔が伺えたがおそらくこれに懲りずにかっ飛ばしてきてくれるのであろう。

僕はたっくんが会いに来てくれ学校まで一緒に登校してきてくれるのはとてもありがたいが、こうもたっくんが怒られていると自分も気が気ではないのだ。

長々と4話分使ってやっと本題に入れそうです。

ちなみにEPISODE1から始まった【you and me】という題名は4話で区切って、このお話から新しい題名で始めるつもりです。

小説を読むのは好きなのですが、執筆したり構想を考えたり、言い回しを調べたりと小説家になるのにはなかなか苦労が必要とこの5話分執筆してみて痛感しました。

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