表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【BL】異世界転移なんてしたくないのにくしゃみが止まらないっ!  作者: 城山リツ
Meets04 毒舌師範

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

91/226

16 チョー気持ちいい夜

「1、2、3!」


「にゃあ!」


「1、2、3!」


「うにゃあ!」


 ジンの掛け声に合わせてミチルは蹴りの練習をさせられている。

 目標は、ジン同様、蹴りで音速を超えること。

 だが、その腑抜けた掛け声からも、ミチルがそれを習得するのは絶望的だ。


「ぬるいぞ、シウレン! もっと鋭く! 空気を切り裂くように!」


「無茶言うな! こちとら三年間帰宅部だぞ!」


 ミチルの体力はすでに限界。何度やってもミチルの蹴りにはトンボがとまる。

 そんな無駄な修行を始めて、はや三日。初日と今日で比べても、一切上達がみられない。


「うぬぅ……大会は明日だと言うのに、困った事になった」


 何故、ジンが急に武道大会にこだわっているかと言うと。

 大会の優勝者には、都に行って、皇帝の御前試合をするという名誉が与えられる。

 ジンは、例の腕輪の逸話が偽りである仮説を皇帝に進言するために、なんとしても都に行きたいのである。


「こうなればせめて今夜の稽古で、気の扱いだけでも完璧にしなければ」


「イヤだあ! 毎晩毎晩、あんなイヤラシ……痛いマッサージ、もうヤだあ!」


 日中のしごきに加えて、夜はジンからイヤラシ……じゃなくて、イタ気持ちいいマッサージを受け続けるミチル。

 体中を揉みほぐされて、毎晩ミチルは昇天している。もっとも、そのおかげで血流が良くなり、日中の激しい稽古の疲れを明日に持ち込まずに済んでいるのだが。


「今夜は最後の仕上げだな。貴様の×××××に太い×××を……」


「ギャアアア! そんなことしてみろ、絶対××してやるからなあ!」


 ジンから伝授されたのは、今のところ、伏せ字の使い方だけのミチルであった。


「はあはあ……もう、他のお弟子さんがやったらいいじゃないですかぁ……」


 ジンがミチルに付きっきりで稽古をしている、この三日間。ミチルにとっては正に針のむしろ。

 ミチルは変わらず、ジンの居室に繋がる中庭で練習をしている。そこにジンから放置された弟子達が代わるがわる覗きに来て、ミチルに冷たい視線を投げつけるのだ。


 爺さん(スノードロップ)から冷たい視線を浴びたと思ったら、今度は不特定多数の少年達から冷たい視線を浴びる。

 爺さんの視線は、そばにイケメン達がいたからそれに甘えられた。

 だがここではドS師範が睨みつけて、全然甘やかしてくれない。もっとも、ジンに甘えたら即ぱっくんちょの刑だろうから、それも良くない。


 そんな訳で、ミチルは八方塞がり。ジェイ、アニー、エリオットとはぐれて一週間近い。

 みんな、今頃どうしてるかな……

 オレはイケメン欠乏症だよ……


「確かに、儂の弟子なら大会でもいいセンはいくだろう」


「それなら……」


「だが儂は、シウレン、貴様に優勝して欲しいのだ!」


 ここまでのオレの体たらくを見て、よくもまだそんな事を言えるものだ。先生の愛が重いです。

 ミチルは過剰な期待と、過剰な稽古でとうとう膝をつく。


「もう、むりぃ……しんじゃうよぉ……」


「たわけ、そういう言葉は(とこ)の上で言うものだ」


「なんでもエロ変換してんじゃねえ!」


 そんなミチルの叫びとともに、日が暮れた。






「あ……」


 体に熱いものが注がれている。


「ああ……」


 ミチルは今夜も、ジンからの熱いほとばしりを受けていた。


「どうだ、シウレン……」


「ああ、先生ぇ……」


 ヤバい。今夜はマジでヤバい。

 ミチルはジンが完全に「本気」であると実感する。


 その手の熱さが、これまでと全く違ううねりで、ミチルの体をかき混ぜていた。


「ああっ! こんなの、おかしくなっちゃう!」


 念の為断っておくと、これはそういう意図は全くない表現である。


「いいぞ、シウレン……なかなか上手になったではないか」


「あう、ううっ!」


 そういう表現では全く、全然、ない。


「最後の仕上げだ、いくぞ……受け止めろ、シウレン!」


「ああ──ッ!」


「……っ!」


 ミチルは視界がチカチカ瞬いた。お腹の、奥の奥が熱い。


「やった……ついに、やったぞシウレン」


 ジンは達成感に満ちた声で、ミチルの体から手を離す。


「……へ?」


 ミチルはよくわからないまま、うつ伏せになっていた上体を起こし、無意識に腹をさすった。

 なんだか、ある一点が熱い感じがする。


「成功だ。貴様の丹田に、今、気が溜まっている」


「あ、そ、そうなんです……か?」


「来い。そこに立って蹴ってみろ」


 ジンはミチルの腕を引いて、冷たい床の上に立たせた。


「いくぞ! 1、2……」


「はいっ!」


 ビュン!

 ミチルの回し蹴りは、これまでとは全く違う鋭さで空を切る。


「ウッソ、体が軽い!」


 蹴りを繰り出したミチル自身も、その変化に驚いた。

 ちょっと達人ぽい!


「いいぞ、その感覚を忘れるな!」


「はい!」


 修行の成果が出るって、チョー気持ちいい!


「明日の大会は、シウレンが優勝をもらったな!」


「それは無理!!」


 いよいよ、明日は武道大会……!

お読みいただきありがとうございます

感想などいただけたら嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
くしゃみ転移シリーズの総合ポータルサイトを開設しました!
全ての情報の掲載を目指します。イケメンのビジュアルもこちらにございます
是非遊びに来てね♡
https://plus.fm-p.jp/u/kurishiroyama/

html>
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ