7月中旬
(2023/09/09追記)
下で載せている配合比率は特に問題があるというわけではないのだが、完全に重量比で米ぬか3:もみ殻2、そこへ40%量の水という方が成績は良かった。
参考文献の読み間違えによる。
一応写真は本文内の比率で調整した際のものなので、本文の修正は行っていない。
前回の実験ではおおむね満足いく結果が得られた。
ここでは現状最適と判断した手順に関してまとめておきたい。
1.容器
観察の目的から透明、120℃程度の加熱は問題ないものが望ましい。
前回使用したのは100円ショップで3箱1セットのもの。
培地の水分で容器内の湿度を保持する必要があり、変に高さがあるものは望ましくない。
普通の5~6cm程度の容器を使用し、半分程度は培地が入っているという状態が良いのではないか。
2.培地
いきなり前回の実験でやっていなかったことなのだが、米ぬか単用よりも、米ぬか+もみ殻混用の方が明らかによい成績が得られた。
米ぬかは成分的には極めて優秀である一方、粉状であり、通気性や通水性という面では非常に悪いと言える。
糸状菌類の繁殖はごく表層に限られ、逆に下層で細菌類繁殖の原因になってしまっていた。
それがもみ殻を混用して見ると、
(半面のみ灰散布蒸し糠培地、4日半経過)
特に種の散布や手入れをしたわけではないにも関わらず、中層・下層にまで至るほど強力な繁殖が得られた。
具体的な配合としては、容量比で米ぬか3に対してもみ殻2程度、そこに重量比4割の水を入れ、撹拌して電子レンジへ。
計量が混在するのは面倒なので、なんか適当なカップで、米ぬか15杯・もみ殻10杯・水2杯入れれば、おおむねこの比率が得られる。
3.灰
ホームセンターの園芸コーナーで売ってた草木灰を使用。
なんかもう明らかにコウジカビ類の生育に対する影響が大きすぎて、
(半面のみ灰散布蒸し糠培地、3日半経過)
これさえあれば大体どうにでもなる感がある。
量に関しては培地に対して重量比1%程度でよく、そう神経質に隙間を気にする必要は無い。
わざわざ作った灰汁は薄めたりと追加試験を行ったものの、あまり成果は得られなかった。
強調しておきたいのはアルカリ性がどうこう以上に、ちゃんと「灰」であること。
成分としてリン酸カリウム、マグネシウムを含んでいるのがコウジカビ類の繁殖上重要であって、好適ph自体はカビの例にもれず酸性側に寄っている。
重曹や石灰をぶちこんだところで、細菌類繁殖の助長にしかならないだろう。
4.曝露
培地を加熱する都合上、一度カビ類は全滅した上で、胞子の自然落下を待つという形になる。
前回グダグダだった部分だが、せいぜい1昼夜の曝露で、早々に回収してフタをしてしまってよいかと思われる。
今後は土壌採取法寄りの実験をしてみたい。
5.管理
直射日光は避けること。
発酵が進むと熱が出て培地水分が蒸発し、フタに水滴がたまるようになるが、
(半面のみ灰散布蒸し糠培地、2日半経過)
これをある程度取り去らないと過湿に傾きがちとなり、クモノスカビ類優位が形成されていく。
あちらもあちらでデンプンの糖化能力を持っており、甘い匂いがしてくるのだが、今回の目的からは外れる。
カビが旺盛に繁殖できる好気的環境を保てているならば、当初の匂いは糠、時間経過に従って無臭といったもので、コバエが飛んでくるということも無かった。
夏場は室温放置で十分……としつつも、外気温が連日猛暑日という頃は避けた方がよいかと思われる。
温度が下がるにつれ生育は遅くなるだろうし、冬季は加温が不可欠。
まだ別で進めていることはあるものの、一応実験の類は一区切り。
今後は特に稲刈りシーズン、稲麴法と草包曲あたりは実際にやってみたい。