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一難去ってまた一難

 迷宮の通路自体は比較的広く、ルシウスが大剣を横振りしても問題がない程度だ。

 その分出現する魔物がかなり多く、思うように前に進めない。


「オラッ!!」


 俺は目の前のゴーレムを殴り飛ばし粉々に粉砕。

 コアを露出させて即座にコアを破壊する。

 だが1体倒しても既に後ろに3体の影が見えていた。


「多いな畜生!!」


「どこから湧いているのか分かりませんが、また後ろからも来てますよ。」


 そうしてルシウスは後ろから現れるゴーレムを始末し、俺が正面から来るゴーレムを片付ける。

 入口からほとんど進んでいる気がしない。


「レイン、手は握っててあげるから走れる?」


「は、はい!!」


 そんな状況にソールは痺れを切らし、大声で俺達に呼びかけた。


「とりあえずひたすら前に進むわよ!!アタシが後続の足を止めるからアンタ達は前の敵を薙ぎ払って!!」


 その声にルシウスは俺と通じ合ったかのように、正面から来た撃ち漏らしのゴーレムを真っ二つに両断し前線へと加わった。


「分かりました!!」


「ちゃんと着いてこいよ!!」


 ソールは右手をかざし、魔銃召喚でショットガンを出す。

 後ろから追ってきたゴーレムの先頭の1体の足に向けて発砲し、動きを鈍らせた。

 機械的に動いているゴーレムは先頭に躓いて団子になっている。


「走って!!」


 レインもソールに手を引かれるがまま駆け出す。

 俺とルシウスは既に見えている正面の敵を一瞬で片付け、進路を切り開いた。


「一成さん、この際コアは破壊する必要はありません!!無力化させて突っ込みましょう!!」


「それなら……!!」


 俺が一瞬足を止めるとルシウスは悟ったように半歩下がってくれた。

 そして俺は全力で正拳突きを前方に叩き込み、風圧だけでゴーレム達を無力化していく。

 これを打つと少し魔力の消耗が多いので、すかさずタバコに火をつけて吸い始め魔力を補給した。


「再生し切る前に走りましょう。」


「レイン、足元気をつけてね。」


「は、はい!!」


 4人ともひたすらに走った。

 道は分からないから分かれ道は勘でしかないのだが、幸いまだ行き止まりや周回には出会っていない。

 前方の敵を粉砕しながら10分以上走り続け、そろそろソールとレインの体力が尽きかけてきた時、大きく開けた場所が見えた。


「お、出口か!?」


「行くしかありませんよね……。」


 後ろからは相変わらずゴーレムが束になって襲ってきているし、一息付ける程余裕は無いだろうが、俺達に飛び込む以外に選択肢はなかった。

 先頭の俺が中を見渡すと、そこは円錐状の巨大な空間になっており、正面に1つ出口があるだけだった。

 そのまま走って謎の空間を抜けようとした時、ソールが声を上げる。


「一成!!部屋に入った途端、後ろが追ってこなくなったわ!!」


「何だと!?」


「嫌な予感がしますね……。」


「……!?皆さん、下から何か来ます!!」


 レインの声から数秒後、地面が音を立てて揺れ始める。

 それは段々と大きくなっていき、やがて石で出来た地面のタイルにヒビが入り始めた。


「……一難去ってまた一難か?」


 レインの言う通り、地面から何かが現れる。

 人間程の大きさのゴツゴツしたゴーレムのような何かだ。


「あれ?案外小さい?」


「一成さんよく見てください!!あれはただの手です!!」


 まて、手のひらのサイズで人間の大きさって事は……。

 地響きが更に強くなり、地面が大きくめくれる。

 そして腕、肩、頭と胸、現れる度にサイズがどんどん大きくなって……。


「やべぇ!!めちゃくちゃでけぇじゃねぇか!!」


「目算私の10倍以上ありますね……。」


「後ろの奴らが来なかったのはこいつが原因って事かしら。」


 物言わぬ巨人は俺たちの姿を機械的な目で見つけた瞬間、何も言わずに1歩、また1歩と歩み寄ってくる。

 全員臨戦態勢に入り武器や拳を構えるが、当然相手はそんな事を気にも止めず、その巨体で踏みしめるように距離を詰める。

 こちらから見ればその姿は壁でしか無かった。

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