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マフィア達

「ただいま。」


「あら一成、遅かったわね。」


「心配はしてませんでしたけどね。」


 ソールとルシウスが俺達の宿で書類仕事をしながらヘラヘラ笑ってやがる。


「まぁ用事自体は30分もしないで終わったんだけどな。」


「裏道で迷って同じ建物の周り5週くらいしてましたからねぇ。」


 レインが疲れた顔をしながらルームサービスに飯を注文していた。

 意気揚々とマフィアのアジトを出た俺達。

 行きはハリーの案内のおかげですんなりと来れたが、帰りは完全に迷っていた。

 勝手に立てかけられたであろうバリケードや陥没しても舗装し直されていない道、終いにはガラの悪い連中が因縁つけて金をせびってくるような場所だ。

 帰りもアイツに案内させればよかったとつくづく思った。


「んで、距離的には徒歩10分なのに計2時間かかったという訳ですか。」


「それにしてもガロンゾって随分名の知れたマフィアなのに家を建てる場所はセンスないわね。」


「多分ソールが言っているガロンゾと今回のガロンゾファミリーのガロンゾは別人ですからね。」


 ゲシュタルト崩壊起こしそうだが、多分ルシウスの言う通りだな。

 俺はタバコに火をつけて窓辺を占拠した後窓を開けながらことの経緯を説明した。


「……成程。父の方のガロンゾが出てきて良く無事に帰ってこれましたね。彼は帝国内のマフィアで最高権力を持ってるとされているザ・ドラゴンズの幹部ですよ。」


「シマに入ったら帝国兵でも虐殺するとかいうかなり危険な連中よね。一時はテロを画策していたとか何とか。」


 どんな危ねぇ連中だったんだよ。

 そしてその名前知っててなんで俺を差し出したんだこの女は。


「そうです。でもガロンゾファミリーというのはその息子、通称ジュニアと呼ばれる男が仕切っていたマフィアですね。彼の組では魔力を使うことが出来ない、魔力が弱い人間達を集めて人海戦術で犯罪行為を行っていたようですよ。」


「だからアイツらの攻撃には魔力が乗っていなかったのか。」


「それでなくても普通の人間は角材で頭殴られたら死にますけどね?」


 それはそうだろう。

 俺自身が1番人間からかけ離れたと思ってるからな。


「この国は実力主義な側面が強いので魔力を使えない人間は淘汰される運命にあります。それを受け入れていたジュニアはそういう人間達にとって最後の砦だったのでしょう。本人も父ほど魔法に長けた訳では無いようですしね。」


 恐怖で支配していた側面が強かったが、それでも部下が居たのは他に居場所がなかったからというわけか。


「まぁ、何にしても和解できてよかったよ。父の方とやり合ってたら正直どうなっていたか分からなかったしな。」


「父の魔法に関しては未だ不明な部分が多く、危険な賭けになっていたでしょう。それでも一成さんとレインさんなら帰ってこれたでしょうけどね。」


 ルシウスは飲み物を飲みながら机の上にある書類をトントンと整えている。

 ソールがそれを文句を言いながら番号順に並べていた。


「さて、一成さんもだいぶこちらの世界には慣れましたよね?」


「ああ。こっちに来てから半月位か?大体の生活には慣れたよ。」


「私とソールが今日ここに居たのは他でもない、魔源を収め、世界を救う旅の話をしに来ました。ここからは後戻りできません。覚悟は良いですね?」


 俺が頷くより少し早く、タバコの灰がゆっくりと窓の外に落ちて行った。

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