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挑戦権

 2回戦、3回戦、4回戦と余裕で突破し、次が5回戦目。

 戦った相手は殆どが冒険者。

 4回戦の相手は帝国兵だったが、相手にならなかった。


「快勝ですねぇ一成さん。」


「お前ずっと控え室で暇じゃねぇの?」


「暇だから一成さんに絡んでます。」


 ここまで来ると部屋の人数はかなり少なくなり、皆精神統一している様子だ。


「そういえば魔法とかってこの大会使っても良いのか?」


「全然ルール確認してなかったんですね……。」


「さっきから決着が一瞬だったからな。使うまでも無かったし。」


「結論から言うと使ってOKです。魔道具の類も許可されています。ただ、相手を直接攻撃したりするのはダメです。つまり、一成さんの魔法は全然使ってOKです。相手を殴らなければ。」


 アームレスリングで相手殴ることないだろうが。

 そうこうしているうちにまた俺の番号札が光だした。


「次が5回戦ですか。そろそろ手強いんじゃないですかね?」


「なんとかなるだろ。」




「貴方は確か、一成さんですよね?」


「……あー、ルシウスの部屋に入ってきた部下の女か。」


 5回戦の相手はとうとう知り合いになったか。

 確か名前はユイとか言ったか?

 いつだかルシウスを呼び出すために部屋に入ってきたのを覚えている。

 変わった武器を携えてた奴だ。


「よろしくお願いいたします。」


 ユイは丁寧に頭を下げて腕を机に置く。

 そんなに強そうに見えないんだが、ここまで勝ち上がってきたということは実力者なのだろう。


「ああ、こちらこそ。」


 俺も腕を置き、手を組む。

 ……何だこの違和感。


「それでは第5回戦、レディーゴー!!」


 司会の合図で力を込めるが、今までのように一瞬では決着がつかない。

 かなり力が強く、俺相手に均衡している。


「やるな、アンタ。」


「うぐぅ……。」


 どうやら喋っている余裕は無い様子。

 可哀想なので俺は魔力を使って更に力を込めようとした。

 だが、それでも均衡が崩れない。

 それどころか俺の魔力が体からどんどん消えていくのが肌感覚で分かる。


「お前、何か魔法を使ってるな?」


 返事は唸り声だけだ。

 確実に俺の魔力が消費されていく。

 しかし、元々のポテンシャルの違いか、少しずつ俺はユイの腕を倒し、やがて手の甲を机につけることが出来た。


「ま、負けてしまいました……。」


「いや、強かったよ。どんな魔法を使ったんだ?」


「私体質で魔力を消してしまうので魔法は使えないんです。でも代わりに他の人間からも魔力を消せるみたいなんですよ。」


「成程な。だから手を握った瞬間に違和感があったのか。」


「力では負けないように鍛えていたつもりでしたがまだまだでした。ありがとうございました!!」


 何だかんだ気持ちの良い奴だったな。

 魔力を消費したからか、その後に吸ったタバコは美味かった。


「いやー、素晴らしい戦いでしたね。まさかユイまで下すとは。」


「強かったぞアイツ。」


「能力も相まって帝国軍対人最強の兵ですからね。現在副隊長ですよ。」


「お前が居なくなって繰り上がったのか。……お、今回は早いな。」


 さっき試合が終わったばかりなのに番号札がもう光だしている。


「人数もかなり減りましたからね。あと2回くらいですか。ここからは多分連戦ですよ。」


「連戦か。ならお前との戦いの時に疲れ残さんようにセーブして勝たねぇとな。」


 そう言って俺はさっきのタバコを吸いきって、床で踏み消し部屋を出た。


「ふふっ。セーブ出来るほど弱くは無いと思いますよ。なにしろ相手は……。」




「さぁ、この場に並んだ4人は今大会のベスト4だ!!帝国最強の男、ルシウスに挑戦するチケットを手にするのは誰なのか!?1人ずつ紹介していくぞー!!」


 いつの間にやらベスト4に残ってたな。

 ここからは1組ずつ戦うのか、ステージの上には机が1つしか置かれていない。


「まずはベスト4の紅一点。魔道具開発において右に出るものはいないと言われている開発隊副隊長、ジニーの登場だー!!」


 大きな丸メガネに三つ編みのお下げ髪で白衣といういかにもな格好をした女だ。

 後ろの方でミラを含めた開発隊の連中が拳を突き上げながら応援している。


「次は帝国の誇る石壁。動く石像とも言われた帝国の守護神、防衛隊副隊長、ストーンがベスト4進出だー!!」


 丸坊主に太い眉毛の野球少年みたいな奴だな。

 服装はタンクトップに短パン。

 やっぱり野球少年みたいな奴だ。


「さぁ、どんどんいくぞー!!今大会のダークホース。しかし言わずと知れたこの男。貴族すらグーパンで沈めたその力、止められる奴は居るのかー!?人類の敵、一成!!」


 色んな意味でその説明大丈夫か?

 あとテメェらなんで俺の時だけブーイングすんだよ!!

 んで、最後は……うわ、アイツか。


「さぁさぁ最後の大本命。剣聖への挑戦権は誰にも渡さない。前回大会第2位、ベスト4唯一の隊長格の男!!エクスが今年もやってくれるかー!?」

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