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一瞬

「レディース&ジェントルメン!!ここに集まるは帝国屈指の腕自慢達!!最強の座を求め、今年も数々の名勝負を繰り広げてくれるのか!?第60回アームレスリング大会、ここに開幕だぁ!!」


 観客の歓声が鳴り響く。

 城の中庭を貸し切って、大勢の人間達がこの大会のために足を運んでいた。

 売店や射的などのゲームまで様々並んでおり、ほとんどお祭りである。


「かなり大規模な大会だな。」


「良い結果を残せば軍に高待遇で迎え入れられる可能性もあるような大会ですからね。冒険者や貧困層も挙って参加する1年で1番盛り上がるお祭りみたいなものですよ。」


 ルシウスと俺は出場者が控えている場所に待機していた。

 受付の時に番号を渡されたが、その番号の桁が3桁を超えていたので100人以上出場者がいる事になる。

 ちなみに俺が165番、ルシウスは前回優勝者なので1番だ。


「今年は一段と人数が多いですねぇ。200人以上居るんじゃないですか?」


「去年は何人だったんだ?」


「正確な数は分かりませんが、100人前後だったと思いますよ。城の会議室2つでギリギリ収まっていたので。」


 今俺たちが居るのは控え室4である。

 番号順に50人程度で固められているようだ。


「この中の人数だけで恐らく50人超えてますし、まだ受付終わってませんでしたからね。」


「てかこの人数、何回勝てばお前と戦えるんだ?」


「去年私と戦った方は7回位でしたね。」


「ん?お前去年も優勝者枠?」


「ええ。4年連続で優勝してます。今年優勝すると殿堂入りですね。」


 そりゃあ帝国最強を名乗れるわけだわ。

 ちなみにその前に優勝していたのはジークであり、その前がミラ。

 こいつらは10年以上互いに1位と2位を繰り返し続けて、道中倒された選手達が異議を唱え、殿堂入りしたらしい。

 こいつらが優勝を繰り返した結果殿堂入りの制度ができたと言っても過言では無いらしく、今は過去5回以上優勝経験がある人間は出場することが出来なくなっている。


「今年優勝するともうこの大会とはおさらばですねぇ。」


「残念だがそれは来年に持ち越しだ。」


「言いますねぇ一成さん。道中、負けないでくださいね。」


 静かに闘志を燃やしまくっている俺とルシウスを見て、周りの出場者が気圧されている。

 そのタイミングで俺の番号の書かれた紙がピコピコと点滅し出した。

 同時に何人かの紙も点滅していて、皆迷いなく部屋を出ていく。


「なんだこれ?」


「試合が組まれたってことですよ。会場に行ってください。」


「あー、そういう事か。んじゃ、決勝で。」


 俺はヒラヒラを紙を振りながら部屋を後にした。



「おわ、すげぇな。」


 老若男女関係なく、人、人、人。

 試合をするステージが少し高くなっているから余計に分かる。

 城の橋の向こうまで人が押し寄せているな。

 どうやら最初のうちは人数が多すぎるため、何組か一緒にやるようだ。


「おう、アンタが相手か。よろしくな。」


「ああ。よろしくな。」


 初戦の相手は大男。

 恐らく獣人だ。

 腕が俺の2倍くらいあるんじゃないか?

 態度も舐めており、余裕綽々といった表情で机に腕を置いてきた。


「さぁ皆さん、準備は出来ましたでしょうか!?1回戦、初め!!」


 合図とともに俺の試合は終わった。

 一瞬で相手の腕をねじ伏せる。

 ドン!!という鈍い音と共に相手の手が机に叩きつけられた。

 俺の試合を見ていた観客達が驚愕している。


「すまんな。相手が俺で。」


「う、腕が……!!」


 相手の番号札が燃えたのを確認して、タバコに火をつけながら俺は控え室に戻った。

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