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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

助手吉田の愚痴

作者: 高橋ひかり

 どうも、助手の吉田です。

 僕は田舎から上京してきて、いま探偵事務所で助手の仕事をしています。探偵といっても、皆さんが考えるような小説やテレビドラマみたいな難事件を解決するような名探偵――という仕事しているわけじゃなく、夫や妻の不倫調査や人探しなどをやっています。そんな探偵事務所の所長は――


「あなたが犯人ですね! こうじゃないかな? ……君が犯人ですね。やっぱこうかしら?」


 今、鏡の前でポーズをとっているのが、わが探偵事務所の所長の(自称)シャーロットです。本名は、山田妙子。でも本人は「探偵っぽくない名前だから嫌!」と喚いています。表の看板も<シャーロット探偵事務所>となっています。


 正直、恥ずかしいです。


「休憩の時間ですよ~」

 

 ほんわかな声が事務所内に響き渡る。

 この声は、シャーロットもとい妙子所長のお姉さんで、山田京子さん。

 所長のお姉さんなんですが、ちょっと面倒くさい。どう面倒くさいのかというのは、どう見ても僕より年上なんですが、「17歳です」と言い張る。

 一度、そこを突っ込もうとしたら、とても良い笑顔で「17歳だけど、お姉ちゃんです」と目の前で指をグルグルしてきて、催眠術でもかけようとしてきたので、17歳とスルーしておいた。


「もう休憩ですか? ついさっきもしましたけど?」

 仕事開始は午前9時。開始から30分後にもう休憩。そして、今の時間は午前10時。いくらなんでも休憩し過ぎじゃないのか?

「別にいいじゃない。依頼者はこないし、暇だし」

 そう言いながら、妙子所長は、ケーキとオレンジジュースが置いていある長机にやってくる。難事件を解決したいわーと言いながらケーキをパクつく。

「そうよ~体力温存しないと~」とニコニコしながら、僕を見ている。ニコニコしているけど、目の奥は笑っていない。こ、怖すぎる。


 転職しようかな……。

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