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007 万能ナイフ

 一日の授業が終わり、ようやく俺はクソつまらない監視から解放される。

 『死神の目』を駆使し、退屈しのぎに遥風の周囲の人間の詳細も探索したが、大友以外にも気になる情報を持つ人間を四人ほど発見した。

 俺は情報欄を空間に映し出し、首を捻ったまま鼻をほじる。



ーーーーーーーーーー

【本名】新藤幸次郎しんどうこうじろう

【国籍】日本

【年齢】17歳

【性別】男

【身長】175cm

【体重】60kg

【血液型】B型

【概要】東京都立城聖学園に通う高校二年生。

 大友輝明と同じくモデル事務所『AKATSUKI』に所属している。

 女好きで有名で、過去に何度も問題を起こしている。

 大友とは中学時代からの友人であり、子分のような存在である。

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【本名】大河原哲也おおがわらてつや

【国籍】日本

【年齢】38歳

【性別】男

【身長】189cm

【体重】91kg

【血液型】A型

【概要】東京都立城聖学園で体育教師を務める男性教員。

 遥風や大友のクラスの担任教師も兼任している。

 大柄な体格で教育熱心であり生徒の信頼も厚い。

 子供は三人おり、妻は大学生時代からの友人でもあった。

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【本名】飯嶋直人いいじまなおと

【国籍】日本

【年齢】17歳

【性別】男

【身長】167cm

【体重】51kg

【血液型】A型

【概要】東京都立城聖学園に通う高校二年生。

 春日部遥風の幼馴染であり、唯一まともに話せる異性が彼女である。

 趣味はインターネットやゲームでありスポーツ全般が苦手。

 過去にいじめに遭った経験があり、それ以降友人を作らなくなった。

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【本名】相馬愛そうまあい

【国籍】日本

【年齢】16歳

【性別】女

【身長】148cm

【体重】40kg

【血液型】O型

【概要】東京都立城聖学園に通う高校一年生。

 大友輝明と現在付き合っており、学園中の注目を集めている。

 父親は都内で市議会議員を務めており、母親は別の学園で教員を務めている。

 人懐っこい性格だが、欲しいものがあれば手段を選ばない性質がある。

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「なーんか臭うんだよなぁ、こいつらも……」


 情報欄と睨めっこをしていた俺は、ホームルームが終わり席を立つ遥風に視線を戻して画面を閉じた。

 俺は翼を広げグラウンドから飛び立った。


 校舎を後にした遥風の後を再び尾行する。

 そのまま帰宅するのかと思い見守っていたが、彼女は自宅とは反対方向に歩き出した。

 上空から彼女の進路を辿っていると、大型のホームセンターに入店するのが確認できた。


「んだよ、バイトでもするのかよ……。また監視するのダリぃんだけど……」


 監視に飽きた俺は遥風が入店した正面ゲートが見える位置で待つことにした。

 今からバイトだとしたら恐らく日が暮れるまでここで待つ羽目になるだろう。

 どこかで暇つぶしをしようにも彼女から1km以上離れられないからやることもない。

 ホントに死神なんて仕事、するもんじゃねぇわ。

 特に俺みたいに『殺し』に消極的な奴はマジやらないほうがいい。

 暇すぎて逆にこっちが死にそうなくらいだから。


「……? あれ、もう戻ってきやがった」


 遥風は入店してから十分ほどで店を出、自宅の方角へと歩いていく。

 紙袋を持っているところから察するに、ただ普通に買い物に寄っただけのようだ。

 しかし彼女の表情はどこか落ち着きがないように見える。

 俺はもう一度『死神の目』を発動し、紙袋の中身を検索サーチする。



ーーーーーーーーーー

【万能ナイフ】

 刃渡り8.3cmのアウトドア用万能ナイフ。

 高品質のステンレススチール素材を使用し、錆びにくく丈夫。

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「……いやいやいや」


 俺は頭を押さえて蹲る。

 女子高生が学校帰りに万能ナイフのみを購入する――。

 それは果たして日常の光景なのだろうか。


「あー……めんどくせぇ……。本当に面倒クセェガキだよお前は……」



 俺は再び翼を広げ彼女の後を追った。




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