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ケモノビト  作者: 光月
35/41

クラス分け


展開が気に入らなかったので最後の方を修正

大筋には関係ないです


「――ねえ、なんなのアレ」

「知らない」


 カルナと別れて《アドラス工房》を後にしてからというもの、アリアが『あれはなんなのか』とか『カルナとはそういう関係なのか』とか訊いてくるが、知らぬ存ぜぬで通す。

 カルナのアレは多分、サキュバスの先祖返りである事が関係しているんだろうが……サキュバスの生態なんかよく知らんので、オレに訊かれても困るのだ。

 大体、気になるならさっき《アドラス工房》にいた時にカルナに訊けば良かったじゃないか。


「あまりの事にショックを受けてたのよ!」


 ショックを受けるほど繊細でもないだろうに。

 そう口にしてはいないのに、何故か肩を叩かれた。いわゆる肩パンである。

 ていうか、いってぇ……!


「何すんだよ」

「失礼な事を考えてたからよ。……それで?」

「知らんもんは知らん。カルナに訊きに行ったらどうだ?」

「……そう。飽くまで自分は何もしてないというわけね?」

「ああ。……まあ、何かしててもお前に話してなきゃならない理由はないけどな」

「うるさいわね。細かい事はいいのよ」


 カルナと何があったのかってのは細かい事じゃないのか……。

 こいつの琴線……よく分からないな。


「……ん。もう貼り出されてるみたいだな」


 教導棟の入り口近くに、昨日配られた制服を身に付けた面々が立っている。

 僅かに見えるその人垣の向こう側には、どうやらクラス分けが貼り出されているらしかった。

 ただまあ、特に急いでいるというわけでもないので、人垣がある程度散るまで待って――


「――お、クラウディウスか。お前まだ見てないだろ。ほら、前行けよ」


 と思っていたのだが、人垣の最後尾にいた男子がこちらに気付いてそんな事を言って場所を空けた。


「いいのか? こんな後ろにいるんだし、お前だって見れてないだろ」

「まあ、それはそうなんだけどな」

「じゃあいいよ。時間までに確認出来ればいいんだしな。……もしかして、オレが『クラウディウス』だからって気を遣ってないか?」

「……あー、それは……」

「……まあ、父上の事があるからそういう扱いをされるだろう事は予想してたが、オレはクラウディウスだけど戦争とは関係ないから。普通に気安い友人みたいに接してくれ。今の当主は兄上だしな」

「……そうか? まあ、お前自身がそう言うなら……」

「そうそう。親の因果が、とは言ってもな。オレは戦争とは関係ない場所にいたし、そういうのは逆に困る。みんなにも変に遠慮しないでくれって言っといてくれよ」

「わかった。話しとくよ」

「頼んだ」

「うん。…………ところでさぁ」

「うん?」

「名前、教えてくんない?」

「おい」


 じっとりとした目で睨まれた。

 仕方ないだろ! 試験の時は誰が新入生になるのかわかんないから、いちいち名前覚えてらんないんだよ!


「やれやれ……。俺はクロードだ。クロード・ベルサリウス」

「ベルサリウス伯爵家の子息か。家族構成までは覚えてないが……嫡男か?」

「いいや。生憎と三男坊さ」

「ふむ……クロードは三男なのか。家を継げない者同士、仲良くしような!」

「なんでそんなに前向きなんだよ……」

「家を継がなくていい気楽な立場なんだから、前向きにもなろうってもんさ」

「継がなくていい……か」


 旧家の生まれとか貴族家の生まれとか、そういう由緒正しい生まれの奴は大抵家を継ぐ事に固執しているが、オレに言わせればちゃんちゃら可笑しい。

 次男や三男、それ以下なら、確かに親からの期待は少ないだろう。皆無と言っても差し支えないかも知れない。

 だが、好きな事が出来るという点については、これ以上の立場はないだろう。


「……まあ、それぞれ考え方があるだろうし、別にその通りに考える必要もないぞ」

「ああ。まあ、それはそうだけどな……」

「――ちょっと、何してるのよ? 早くこっち来なさいよね」


 クロードと話をしていると、いつの間にか人垣をかき分けて掲示板の前に立っていたアリアが、こちらを見て手招きをしていた。

 人垣の人数も、確認出来た奴から散っていったようで、随分と少なくなっている。


「おっと……失礼。ちょっと通してもらえるか?」


 一応の断りを入れながら人垣をかき分けてアリアのいる場所へと向かう。ついでにクロードも連れて。


「何してたのよ?」

「いや、確認に集まってる同級生を押し退けてってのは忍びなくてな」

「…………ごめん」

「いいよ、別に。多少は家名に頼った事もしないと、クラウディウスが侮られたら困るからな」


 こちらの言わんとした事を察したらしいアリアが、しょんぼりと肩を落としながら謝罪してきたが、それには笑みを返しておく。


「仲が良いんだな、2人は」

「腐れ縁ってだけだ。昔は事ある毎に魔法の勝負を持ち掛けられてな。捌くのに苦労したもんだよ」

「くっく……楽しそうでいいんじゃないか?」

「いいもんかよ。月に1度の頭の痛くなるイベントだったわ」


 ニヤニヤと笑うクロードに困った顔で返す。

 まったく……オレの苦労も知らないで……。


 ともあれクラス分けだ。

 掲示板に貼り出されているクラス分けは、実力順にFからSまで分けられている。

 最高クラスの実力を持つならSクラス。そこからA、B、C、D、E、Fと実力の高い順に分けられているのである。


 しかし、このクラス分けが全てという事ではなく、学院生活を続ける中で、その時々の実力がどうなのかを測る実力テストがある。

 そのテストで確かな実力を示す事が出来れば、たとえFクラスだった人間でもSクラスやAクラスなどに移籍が可能になる、というわけだ。

 もちろんその逆もあり得る。授業についていけないとか、実力がクラスに見合っていないだとかの場合には、実力が下のクラスに移籍する事になる。

 ちなみに、この実力でのクラス分けは、実力が同程度の人間を集めて、普段の授業を円滑に進める等の意味があるらしい。


「さて……オレの名前はどこだ?」


 もしかしたら、なんて事があっても困るので、同級生の名前を覚えるのも兼ねてFクラスから順番に名前を確認していく。

 F、E、D、C、B、Aと名前を確認していくが、『アルマ・クラウディウス』の文字は無い。

 じゃあSクラスなのか、と思って確認してみる。……が、無い。


「…………んん?」


 もう一度、FからSクラスまで順番に名前を確認していく。

 ……やはり、無い。


「……落ちたかな?」

「そんなわけないでしょ。その制服はなんで渡されてるのよ」

「いやまあ、そりゃそうなんだが……」


 しかし、だとすると何故名前がないんだろう。


 などと考えていると、教員と思しき男性が巻物をひと巻き持ってやって来て、それを広げて掲示板に貼り付けた。

 早速確認してみると、オレの名前が書いてある。


「……『特殊Sクラス、アルマ・クラウディウス』?」

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