幕間 犬っころ
=達也達が釘宮と談笑している時と同時刻=
♦︎?視点
暗い夜道に佇む一人の女性。
私の周りにある家々はどれも廃れて壊れた家ばかり。人間もまともな様子がなく、痩せ細ったものや私を追ってナイフを手にしているものとか。
ナイフを持ってるやつは、この子の後に可愛がってあげるわ。
「わんちゃん。こっちにきなさーい」
妖麗な呼び声を上げる一人の女性。
そこにはボロボロに小汚い犬がいた。
犬はそんな甘く、抗えない声に惹かれてゆっくり歩み寄る。
小さな子犬だ。
「そうよー、おいでー」
この女性は犬を愛でるのか、手は犬の頭に優しく触れる。
「うふふ、可愛い」
「ううーん」
そんな艶のある声に呼応する犬。
暫く犬は女性に撫でられた。
尻尾は激しく横に触れる。
「もういいかな」
そして女性が手を止め「バイバイ」と手を振って一歩下がった。
それに犬は「くーん___」と甘える声を漏らす。
物足りなさそうな眼差しで女性を見つめる犬。
だが、さっきとは打って変わって、突然バタリと地に伏して呻き声を上げた。
「グワ"ア"ァガ""」
犬の呻き声。
「流石、低脳な生物。アッホみたい」
「アオオ"オ""__ガ"アアア"!!!」
叫び声とも、遠吠えとも、苦痛に叫ぶ様に見える犬の姿。
膨れ上がる筋肉。
次第に肥大化していき、自身の身体の皮を突き破る。
骨も筋肉を貫通し、巨大に伸びながら飛び出る。
「アアアアゥアゥアウア」
犬はひたすらに巨大化していった。
50センチくらいだった犬が1m,2m.3m……。
終いには廃れた家よりも巨大に、凡そ10m程。
その犬の眼は白く、また、紫色の血管が眼球の中で脈を打っていた。身体中にあった小汚くもフサフサだった毛は筋肉に変わっており、それはなかった。
姿も狂気的に変化して、牙も爪も鋭利に伸びる。
そうして身体の成長を終えた犬は、一度青い稲妻を発して吼えた。
「ガアアアガァアアアア!!!」
近くにいたら耳を劈かれる程に煩い叫び声。それでも女性に気にした姿はなく、不敵に笑った。
「もういいわ、死になさい」
その女性の言葉で、巨大な犬がいたところには多量の血溜まりができ、肉片も血も家々にぶち撒かれる。
そんな湿った生々しい音と共に静寂が訪れた。
あーあ。服に血が付いちゃった。シミ取りは早くしないといけないわ。服に血が付いた事には腹が立ったけど。ありがと。
「じゃあね」
一つ、女性はその犬に対しての弔いの言葉を言ってその場を立ち去った。
月夜に、金色の瞳を輝かせて。
お読みいただきありがとうございました。
作者「ありがとうございました」
女性「ありがとー」
作者「いやー、幕間ですよ幕間」
女性「悪気は微塵もないんだけど、生々しかったわね」
作者「だねー。それに、達也たちの話が終わらない中での話だし」
女性「さて、ギャラ分は喋ったから帰るわ。読者もありがと」
作者「え、お、おい。先ず読者様だ! 次に帰るの早いわ!」
女性「えー、嫌よ。服のシミが取れないし」
作者「じゃあ作者パワーでなんとかしてやる」
女性「それを職権濫用、ご都合主義って言うのよ。帰るわ」
作者「ただ喋りたくないだけの口実じゃねぇーか!」
女性「そうよ、それが何か?」
作者「隠すつもり微塵もないのね!?」
女性「じゃーねー、バイバーイ」
作者「え、あちょ!!」
お読みいただきありがとうございました。
大体1週間ぶりですね、はい。すいません……。
着々と増えるブクマにニヤニヤしながら、それを糧にして改稿しているんですけど……。
本編に伏線を張ろうとすると、自身の力量だと作風が変わってしまう現象が三回起きまして萎えてしまいました。そして、4回目。何とかいけましたので明日投稿します。
大変お待たせしました、よろしくお願いします。




