表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
運に任せて平和に異世界で暮らしたい!!  作者: MRプロジェクト
第2章 王都に辿り着いても苦労は絶えない
35/51

32話 俺達と暮らしませんか?

「はぁはぁはぁ」


 俺、生きてるよなぁ。


 改めて実感した、生きた心地を。もしかしたら転生1日目よりも怖かったかもしれない。


 そう安堵のため息を吐いていると、獣人の姉妹が話しかけてきた。


「おつかれ…お兄さん……」


 この喋り方的に、俺を道案内した獣人だろう。

 労わりの言葉はより生きている事を記してくれた。


「あ、うん。お疲れ」


 そう言葉を返し、姉妹を見ると、姉妹は揃って深くフードを被っていた。


「なぁ、なんでフードそんなに深く被ってるんだ?」


 疑問に思い聞いて見る。


 別に見てくれなんて酷くないし、そこまでしてかぶる必要があるのか?


 その問いに獣人の姉の方が俺に駆け寄って耳打ちをした。


「お兄さん私たちが獣人だって知ったでしょ」


「あ、うん。耳と尻尾ね」


 スラムの家でフサフサ、というよりバサバサな毛だったが、尻尾と犬耳は確かに見た。


「そういう事よ」


「ごめん、話が飛びすぎて分からない」


 急に「そういう事よ」なんて言われてもなぁ。

 ちょっと、要領を掴めないわ。


「えーと。頭に毛耳や尻尾がある私たちは獣人って言うんだけど、獣人はここじゃ迫害されてるの。そういう事」


 噛み砕いた言い方であったが迫害と言う言葉を聞き、驚いた。


 迫害。人種的差別を行い、力で抑え痛めつける行為。


 そう言う事を、昔はテレビなんかで取り上げていて、凄惨(せいさん)と言う言葉をよく聞いた。

 だが、ここ最近では聞かなくなった。

 迫害が無くなったものではない。メディアが報道しないだけ。でも、現代的に生きる、前の世界じゃ、それだけで知識から抜け落ちていく。


「それ、本当か」


「ほんと、ほんと」


 俺が言いたいのは、こうして迫害と言う事を聞いて嫌な気持ちになった事だ。ましてや、こんな小さな子供達だ。散々な人生だったのだろう。







「なぁ、君たちはこの後どうするんだ?」


 沈黙が続く中、気になることがあったので聞いてみる。

 この子達は、あのスラム街で過ごしていた。

 あの時、追ってきた男には「もう来たのか」と言っていたから、どのみちあのボロ屋から逃げ出す事は決まっていたようだけど、話を聞いてからじゃどうしても気にかけてしまう。


「実は、考えてないんだよね。ただ、スラムにはもう居られないのは決まってる」


「そう、なのか?」


「うん。色々あってね」



 この無計画さ、聞けば呆れるが、実際は迫害と言うことがそうさせている。


 死が間近に存在する区画。

 この子達はそこでずっと暮らして居た。


 人間がいていいような場所じゃない場所。

 そんな場所に、ずっと居続ける理由となったのは迫害人種であるから。


 だから、そんな所にしか行き場がなく暮らしていた。外の街を歩くだけで酷い目にあわされるくらいなら、環境がゴミのような場所でも在るだけマシ。


 だけど、そんな場所は何かしらの理由で居られなくなった。


 そして路頭に彷徨うが、助けは乞えない。


 迫害人種だから。


 言葉を、自分が見てきた聞いてきた情報とを結びつける。それと共に、痛い気持ちになっていった。


「なぁ、それならさ。俺達と暮らさないか?」


 ふと、そんな言葉が出た。


 いい者として気取りたいだけなのかもしれない。だけど、どうしても言いたくなった。


 そんな俺の言葉に虚を突かれた顔をした姉妹。


「いや、大丈夫。こっちの事だからさ」


 驚きながらもはっきりした口調で断られた。

 名残惜しそうにではあるが、こっちの事を考えてくれたのだろう。

 辛い思いをしているのに、人を気にかけられる人なんてそういない。


「そ、そうか……」


 だが、そう言われてしまったらしょうがない。

 考えていた事を諦める。


「じゃ、じゃ私たち行くね。お誘いありがとう」


 そう言いながら俺に手を振って、身を翻した。



 そうして、遠ざかる二人の子供の姿。



 燦々と降り注ぐ太陽の光が当たり、二人の影が大きく、黒く現れる。

 その影は何処から悲しいように見えた。



 こんなもの、ただの錯覚だ。

 自分が、今、こうして映っているのだと思い込んでいるだけ。

 二人は二人で頑張って生きるさ。








 だけど、やっぱり。








 やっぱり。









「どうしても、見て見ないふりができないんだ!」





 大きく息を吸い込み、声が聞こえるように張り上げる。


 


「少しだけでいい!俺と、俺達と、一緒に過ごしてみてくれ。それで嫌になったら、見捨ててくれていいから!どうか!お願いします!」



 自身の気持ちを込めて土下座をする。



 今、こうして考えると、なんとも酷い事を言ったな。

 聞いてる自分が気持ちが悪い。


 だけど、後悔するよりはマシだ。

 後悔は先に立たない。執った行いは、一生物だ。



 そんな俺の叫び。

 姉妹は相当に困っていることが想像できる。







「あ、あの。えーと、その。ま、先ずは頭、上げてもらえますか?」


「わ、わかった」


 人の気持ちを考えず、自身の気持ちを、自己中な考えを伝えた。そんな自分に反吐がでる。


 そんなことを言った自分を後悔している。


 震える脚を立ち上がらせる。


 こんな事断られることぐらい分かってる。

 だけど、脚が震えていた。



 そして、獣人の子供は言葉を詰まらせながらも言った。


「あの、その……えーと。その、、、」


 だが、そんな感じの方がはっきり言われるより良かった。






「えーーと、、、ほ、本当に、、、良いんですか、、、?」







「え?」


 思わぬ答えに、豆鉄砲を食らった。


「え、あ。ダメですよね。す、すいません」


 あ、いや。


「ち、違う。断られると思ってたのに、そういう事を聞いて、豆鉄砲食らっただけ」


 良いのか。そうか。


 それを聞いて心の何かが落ち着いたような気がした。


「そ、そうなんですか……えーと、じゃあ、良いんですか?お邪魔しちゃって」


「ああ、そのつもりで言った」


 そう言うと、俺と話していた子供が深くお辞儀をし、それに続くようにして後ろの子もお辞儀をした。


「ありがとうございます!」


「あ、ありがとうございます」


 こうして、俺達に仲間が増えたのだった。


キャラ後書き

ダメな方ピチュンしちゃって下さい



作者「お読みいただきありがとうございます」


達也「ありがとうございます」


女の子「ありがとうございます」


レスカ「ありがとうございます」


女の子「あれ?私まだ名前ないの?」


達也「あ、ないね」


作者「また明日ね」


女の子「そんなぁ」


達也「それにしても短いね」


作者「すいません、詰まりました」


達也「話に詰まるのか」


作者「詰まった」


達也「そうか」


32話でした


誤字脱字、変換ミス、言葉が変な所があったらがあったらお願いします

これからも読んでいただけるように頑張ります


評価して貰えると努力と励みになります。

ブックマークすると、作者が語彙力修行を始めます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ