何故運命なのか
旅する猫
Ep2. 何故運命なのか
「あーぁあ…生き返った…」
時刻は14時15分
「おぅ生き返ったな、多めに水を買っといて正解だったぜぃ」
トウヤは二輪の上で変にニヤニヤしながら言った
ランドを目指して数日、人をほとんど見なかったので不思議な感じがする。
そしてこの水! 水なんてもっと久しぶりな気がする 少し前まで水筒に入っていたのはその辺の沼の水で色が黄色かった。
「本当に助かったよトウヤ、前の町からすぐって聞いたんだけどぜんぜんランドに着かなくて。食べ物も水もなくなっちゃって運命終わりかと思ったよ」
チィーはいつのまにか起きており、トウヤの大きな影で日光を防ぎながら水を飲んでいた。
「いやぁアタシも本当はこっちの逆の国に行く予定だったんだけどよ、手前の街に行ったんだけど、ランドの町に着いてるはずの探人が到着しないって聞いたもんでさっ」
バンッ!!っとバイクのタンクあたりを叩くトウヤ
「見た目が小さくて猫を連れてたって聞いてお前だと思ったんだよ、で追いかけてたら死にかけの干物になってるお前を発見した訳よ。」
やけにニヤニヤしている気がする。
ほぼ後ろからの顔なのでよく見えない。
ちなみに私は今トウヤの二輪の後ろに乗せてもらっている。二人乗りで乗っているのでかなりゆっくり走っている。
私は後ろに足を出しているのでまるで耕運機の後ろにのせられてドナドナされているみたいに見えていると思う。
「てかなんでお前こんなところにいたんだよ、全然見つからないから何往復もしたんだぜ?まさかこんなとこにいるなんてねぇ」
?どういうことだろうか、この道を真っ直ぐ行けば着くと聞いたのでひたすら真っ直ぐ進んだだけの筈だ、別れ道もなければ小道すら無かったはず。
「え、どういうこと?ここはそんな何往復できる道なの??うぅ…よくわからないな…」
トウヤがふと小声で言った
「お前道間違えてたんだよ、本当は北から出る筈の道を西に進んでたんだ」
え?
「嘘でしょ…っそんな」
私が居たのは別の国でした
気がつけば二人乗りの二輪は道を外れて最短ルートを目指していました。
その後約半日でランドに到着。
「それじゃあ、ありがとうね!また本部に戻ったら連絡するから!!」
トウヤは私達を下ろしてすぐに彼女の本来の行くべき書主の元へと行ってしまった。
時刻は朝の9時30分
使命開始です。
3へ続く