2話_Smiletime_3_
今日二つ目の投稿。あれ?大丈夫か俺。めちゃくちゃ珍しいぞ?(微熱が出てるもよう)
仲良く廊下で放置プレイを強要された三人は、暇をもてあましていた。
廊下まで聞こえる授業の声を聞くなんて高尚な生徒でも無い彼らは、声を潜めて普通に喋っていた。
「廊下に立つとか昭和だぜ」
「バケツない分ましでは?」
「それもそうだぜ」
さすがにバケツありだとしんどいし、何より現代っ子が1時限耐えられるとは思えない。今の社会その程度のことでも、体罰として訴えられそうだ。
「あぁー。普通に暇っしょ」
「立ってるだけなんて何の足しにもならねぇぜ」
「いっその事足要らないっしょー。そうなったら幽霊になるっしょー」
彼らは学校の本分を自宅に忘れて来たらしい。
真面目な風紀員や生徒会などが聞いたら説教物の台詞だが、その風紀員や生徒会も授業中なので、廊下にいる彼らに説教をかませれる位置に居たら同罪だ。いや、でも説教されるのもそんなプレイとしてみたら良い物なのかもしれない。
余談で幽霊で思い出したが、香川も割と見える方らしい。何か同族の気配がして嬉しい。
「足しにもならん足に悪いことは辞めて、一一さんは足を自愛をしとくよ」
と言い葉梨は座り込むが、クラスメイトや教師が気づいた様子はない。
おや?と思い、確かめるために何回かスクワットをしてみるが、全然気にもとめない。
「あれ?これって抜け出してもばれなくね?」
「ようっち天才かよ。その発送はなかったっしょ」
理論が立てれたら後は検証。挑戦こそが人類を進化させてきたのだ。連絡役にじゃんけんで負けた藤崎が残り、香川と葉梨が自動販売機へと向かう。
「俺は珈琲店様のカフェオレで頼むぜ」
手を振っている藤崎の、期待と130円を受け取って走り出す。走り出すと言っても、足音は立てないよう慎重かつ大胆にだ。見つかっては元も子もない。
大丈夫、二人とも潜入ゲームなら得意なのだから。
根拠のない自信をひっさげて進む。
目的の自動販売機は薄暗い隣の購買にあり、ここから片道3分ほどかかる。
慎重に慎重を重ねて、五分後についた。ばれなかったのは、現在空が曇っているお陰かもしれない。
その雲空と薄暗い部屋がコンビを組み、雰囲気のあるものとなっている例の自販機。
「あら、カフェオレ売り切れてるぞ。代わりにブラックを買った方が良いかもな」
ふと、寒気を感じる。やはり曇っていると、温暖なこの季節でも肌寒くなるらしい。
これはホットドリンクを検討しても良いかなーと、もう一度よくラインナップを確かめる。
…香川の返事がない。
疑問に思い、顔を向けると
そこには誰にもいなかった。
「は?」
先生から隠れることを度外視した声は、余りにも虚しく部屋に響く。
慌てて部屋を見回すが、陰すらない。あるのは机と椅子にゴミ箱、自販機のみだ。外に出て周りを散策するが、香川のかの字も見えない。
何故香川は居なくなったのだ?彼自身がそうする要素がない。
もしかしたら自分を置いてクラスに戻っているかもしれないと思い、急いで戻る。
とてもイヤな予感がする。
「藤崎!シンは戻ってないか?!」
「おい馬鹿声が大きいっ。シンは帰ってないぞ」
駄目だった。
いや、まだ悪戯の可能性がある。先程大声を出したことで再度怒られながらも時間を過ごす。無駄に時計の針が遅く感じた。
結局香川は欠席扱いとなった。待っても、彼が帰ってくることはなかったのだ。
やっと事件の触りにたどり着きましたねー。いやー長かったですねー(投稿時間を見ながら)