1話_Flowing when_
間があきましたが大体こんな感じで不定期です。
今回は日常パート。ノリをつかんでくれたらと。
『早う起きろ。もう7時じゃぞ』
とあるアパートの一室。一一家は葉梨の姉を含め、ここを二人+バキの拠点としている。ちなみにいつも仕事で飛び回っている姉とは違い、葉梨は地に足をつけた学生生活を送っているため基本的にアパートに居ることが比較的多い。
話は変わるが一一家に目覚まし時計はない。そのかわりにバキが目覚ましの係について姉弟を起こしてくれるシステムとなっている。故に今葉梨が目覚ましを鬱陶しそうに叩き、二度寝をする不届き者のごとく、バキを叩いたとしても仕方の無いことなのだ!
無論バキは幽体の身なので実害は無いがご機嫌は窓から飛び出し真っ逆さまである。
『ほう、小僧よ。お主は我に鶏の真似をさせるだけでは飽き足らず、手まで上げ出すとはな。何時そんなに偉くなったんじゃ?んん?』
「まてまてまて、バキ姉は物理的なもの全部きかないだろ?!落ちついて!俺の体を乗っ取ろうとするふごぅ!!あの人間の腕はそうな風いぎぃ!!だからと言って脚が良いわけではうぐぅ!!ごめ、ごめんあやまるかあばびばば!!!」
この世は弱肉強食。哀れな子ウサギたる葉梨には体を乗っ取られては抵抗する手段がない。
たとえ己の姿が端から見ると、自分の腕を自分でキメにかかっている頭をキメている奴にしか見えなくてもだ。耐えるしかない。
しかしこの世の中は盛者必衰でもある。いずれこの自称鬼に泡の一つや二つ吹かせてやろうと葉梨は心に誓いたてた。
「俺はいずれお前を超えてやる…ぐふ」
『鬼殺しか。そう言えば小僧も英雄やら何やらに憧れをもつ時期じゃったな。ちゅうにびょなんとかそんな感じのやつがのう。…とゆうか寝るな。なに?痛みで意識がとおい。そう言えば二度寝が目的だった。達成するべき事はするなんて俺優秀?寝付く前に寝言なんぞ言うな。今度は三倍にするぞ』
さすがに元々人間を(ダメージという意味で)強制的に眠りに誘うような技の三倍とかは喰らいたくなかったので、渋々(ダメージという意味で)重い体を起こした。
今日は月曜日で普通に登校日だ。
特に葉梨はご飯かパンかなど頓着しないタイプなので日によって朝食が変わるのだが、今日は消費期限がレッドゾーンの食パンを消費することにしたようだ。
野菜を適当に切り、フライパンでベーコンエッグを作る。それらを今焼けたパンで挟み込んで簡易サンドイッチにしてがつがつ食べる。
自分一人となるとついつい適当なってしまう。そもそも素人脱出したいなぁ、程度の技量しかない葉梨に高等なものは作れないのだが。
ピンポーン
不意にチャイムが鳴る。早朝から訪ねに来る正統派幼なじみなんていない葉梨は珍しいな、と思いつつ玄関に向かい無造作にドアを開けと
「はーいはーいどなたさんですかなっと――――――え」
驚き。
まさか可能性すら考えていなかった。
ドアの向こう側にいたのは昨日爺呪縛霊を払魔術とかの御札で迎撃したもこもこ銀髪碧眼の外国人少女だった。
相手も相手で驚いたのか目を少し見開いている。いや、なんでチャイム鳴らした相手が驚いているのか。
「驚きました。昨夜ぶつかった人ですよね?」
「あ、あぁ。そうだけど。えと、何用で?」
葉梨が銀髪少女に当然の疑問をすると、少女はコホンと軽く咳払いして口を開いた。
「私は対妖魔祓魔教会ロシア支部正当部隊所属。イスクラ=クォーツです。これからよろしくお願いします。一一葉梨さん」
「はえ?」
さっぱりわからない。徹頭徹尾意味がわからない。少女は何の話しているのだ?
この際対妖魔祓魔教会も正当部隊も無視しよう。大切なのは、どうしてよろしくお願いしますされているか、なのだ。
個人的には厄介ごとの匂いがぷんぷんするのでよろしくしたくない。が、当然よろしくされてくれますよね?とばかりにこちらをじっと見ている少女を見る限り逃げ道は少なそうだ。
「…すまん。何のことかさっぱり分からないんだが?」
「えっ。あの一一葉梨さんですよね?一一風香さんの弟の?」
「風姉?まあ弟ですけど」
「なんだ、からかわないでくださいよー。部屋間違えたと思ったじゃないですかー。弟さんなら分かりますよね?」
「なにが?」
「ん?」
「ん?」
「「………………。」」
お互い首を傾げる二人。しばらく沈黙する。
「えと何も聞いていないんですか?風香さんから」
「いや、何にも。とゆうか祓魔術自体昨夜知ったしな」
「「……………………………。」」
再び沈黙。
コツコツと時計の秒針後鳴る音だけが聞こえる。と
「はぁぁぁぁ?!!何も教えてないんですか師匠っっ!!!!とゆうか関係者以外巻き込んじゃ駄目じゃないですかぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!」
静寂を破るように少女の悲痛な声が響き、ご近所さんの目覚ましへとなっていく。
取りあえず朝から元気があるのはいいことだなーと、葉梨は面倒くさそうな状況に目をそらしながら思った。
大体姉のせい