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鬼はいつも人の心に  作者: UVリキュール
14/15

4話_Rescue operation?_3_

 長期休暇に入ると他の事に熱が入り筆が進まないですね。忙しすぎても駄目ですが。

 つまりやることがありつつも、時間と心に余裕が有るときがベスト。

『で、頭は冷えたかのう』

「はい、しっかり冷えました」


 人生の中で最も三途の川が見えた戦闘、あるいは逃走を終えて緊張がほぐれ、達成感や何やらでごちゃ混ぜになった感情を出し切った葉梨。思い返してみると恥ずかしい。

 にやけた顔をしているバキに弄られまいと、すました回答をするが、耳が盛大に赤くなっているのを笑われていることに気付かない。


「これからだな。情報集めて確信を得てからイスクラに頼んで動いて貰う予定だったけど、予定が狂ってご本人が登場しやがったからな。このまま言いに行ったら動いてくれるだろ」

『そもそも妖怪の被害を止められてない時点で、奴らの警備がガバガバのような気がするのう。言われなくても動く事案じゃろうに、仮にもこの区域の担当祓魔術師を名のるならのう』

「後どうしよう。秤のこと…」






「ううん……うぇっ、何で私は路上にいるんだろ…」


 秤は目が覚めたら外であることに驚く。

 あまり寝る前の事を思い出せない。


「…いや、ほんとなんで」


 ひとまずは奇異の目に晒されているこの場から去ることだ。






 とゆう事で非情な葉梨は秤を置いてアパートに帰宅。

 扉を開けてコタツのある部屋を覗くが


「………居ねーな」


 思い出してみれば玄関に靴もなかった気がする。


 とあるマヌケ祓魔術師がコタツの魔力に吸い込まれてうたた寝をし、妖怪の反応に慌てて遅れながら先程現場に向かった、とゆう事を当たり前だが葉梨は知らない。

 そんな蛾誘灯的存在であるコタツに哀れ、新たな犠牲者がもぞもぞと入る。


「ふわぁ…しょうがない、寝て待つか」


 急な運動は疲労が溜まりやすいものだ。

 例に漏れずいきなり鬼ごっこ(マジモン)を敢行されられた体はお休みまであと何秒か。


『夕餉を食ってないぞ、小僧』

「疲れた。腹より今は寝ることを優先したひ」


 おかん属性をバキが発動するも、運動部系息子風キャンセルに阻まれる。おかんは頑張る息子に弱いのだ。

 そのままコタツで寝ようとする葉梨を、何とか布団まで誘導しバキは一息をつく。


『ふう、もう寝たか。余程疲れたのじゃろう』


 実際に触れているわけではないが、葉梨を優しく撫でているバキの手は愛情が込められている。

 寄生者と宿主とゆう利害関係だけのもではなく、確かにそこには家族の暖かいものがあるだろう。


『…なんか忘れて居るのう』




















 紫藤 秤は今年最大の危機に陥っていた。いきなり目が覚めると硬くて冷たいアスファルトの上だったのだ。

 なんか寝る(気絶?)前の記憶が曖昧で、誰かと話していたような気がするが誰か分からない。声が低かったような気がするから男のだったのだろうか。

 しかしそれは今回関係はない。紫藤 秤はどちらかというとあまり表に立つ事は無く、図書委員とか環境委員とかが似合っちゃう性格だ。そんな草食系女子は人に注目されるのが苦手だった。

 では、今の状況を確認しよう

場所←人がちらほらいるホームセンター前

時間←夜、しかし灯りはある

自分←さっきまで路上で寝ていた

 結果、奇異の目で見られる。しかもなんかアンタッチャブル的なものとして距離を置かれている。つまり


(すっごく恥ずかしぃっ!!)


 思わず目を渦巻状にしてしまうのも仕方が無い。状況は最悪、即撤退すべしと判断を下した秤。

 打開すべく、意味も無くわたわたしながら周りを探るが無い。いつも寄り添った半身であるアレが無い。


「車椅子が無いよッ!!」


 叫んだことにより余計に人の目が集まったが、今のも仕方が無い。

 確かに体の調子は平時と比べすこぶる良いが、10分間以上歩き続けるのは怪しいところである。ホームセンターと家までの距離は1キロ程度。無理だ。


(積んだ…。これは積んだかも)


 この時彼女のポケットにはしっかりとスマホがあるのだが、追い詰められると視界は狭くなるもので脳内で掠りもしない。灯台下暗しだ。

 真剣に今夜外で寝るプランニングをしていると、自分から視線が外れた気配がする。

 視線が外れた原因が気になり顔を上げると、そこには綺麗な銀髪をした外国の少女がこちらに近づいて来るのを見つけた。


(よくこんな変な人に近づけるなー、国が違うから感覚も違うのかな)


 他人事のように観察をしてみる。

 じっと見ていたら件の少女は目の前まで来たあと、こちらに目線を合わせるように腰を屈めた。


「貴方はここで何をやっているのですか」

「寧ろ私が知りたいですよ…」


 実際何にも分からない。誘拐にしてもおざなり過ぎる。迷宮入りの匂いがする。


「…あぁ、そうゆうプレイですか。放置プレイはロシアにもありますから」

「凄い誤解されているぅ?!」


 無駄に暖かい目でこちらを撫でるロシア少女を小一時間使い説得に成功した。途轍もなく非生産的なことに疲労したが必要な犠牲だ。

 この交友関係が不明な少女(イスクラと言うらしい)に言いふらされる、ましてや葉梨の耳に入ると考えると青ざめる。


「まとめると気が付いたら公共の場で寝ていたと、見覚えが全くない………よくこの程度の説明をするのに小一時間使いましたね」

「それはイスクラが信じてくれなかったからだよねえ?」


 年下と判明し敬語が抜けた秤。

 疲労した体はその年下なイスクラを窘める余力も無かった。


「車椅子が無くて困っているなら私が家まで送りましょうか?」

「え、いいの?」

「いいですよ、こう見えて力ありますし」

(反応もあった事から秤さんの異常は物の怪に関連するでしょうし)


 軽々と秤をおぶったイスクラは揺らさないように体幹を維持しながら歩き出した。

 もう周りの注目がピークなのだが、イスクラとの会話に気がそがれている。


「わ、本当だ。とても乗り心地いいよ」

「当たり前です。私を誰だと思っているのですか……秤さんの家に着いたらもう少し質問などをしても良いですか」

「うん、別に良いよ」


 生死を分けた鬼ごっこがあった道を知らずに逆走していく重なり合った影。この出会いは物語にどう異変をもたらすのかは悪魔しか知らない。


「あ、私の車椅子だ」

「本当ですね」

 書く予定の無かった秤ちゃんの文字数の方が多いだと?!

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