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鬼はいつも人の心に  作者: UVリキュール
1/15

プロローグ_the die is cast_

 前作も書ききらないままの新作投稿。前作見ている人本当すいません。でも、多分再投稿しないです。すいません。

 今回の目標は書ききること。頑張る。

 ではお楽しみください。


 すみませんあとで調べようと、少女の服の部分をDDDDで埋めて直すのを忘れてました。

「あぁ、ついてないついてないついてないっ!!」


 夜闇に包まれたばかりの水木場市を叫びながら全力疾走している男がいた。ここだけなら将来黒歴史確定の出来事で終わるのだが、そうは問屋が下ろさない。

 どこでもは居ないと自覚がある普遍的な高校生、一一ひとつい 葉梨ようりは幼い頃から妖怪や幽霊などの物の怪の類いが見えてしまうのだが、それだけならまだいい。しかしながら現実はそう甘くない。とてつもなく物の怪に好かれるのだ。勿論性的ではない。依り代としてとても好かれるのだ。ということで――――――――――――――現在薄気味悪い笑みを浮かべている八十代くらいの呪縛霊に追われている。

 今日はお金に余裕が有り、学校帰りに欲しい本の新刊を買いに行ったのが間違っていたのだ。新しい本も買えてちょうど補修が終わり鼻歌を歌いながら帰宅していると、今太陽が下がったよね?私らの時間だよね?とばかりにおじいちゃん呪縛霊がこんばんわーっヒュードロドロッ!!と出てきたのだ。ついでにその本はおじいちゃん呪縛霊の登場料として出てきたとこの下水道の中に沈んでいる。壁からニュッと出てきたので思わず落としてしまったのだ。


『まあお主には我がもう憑いているんじゃがな』

「五月蠅いバキ姉!今下らないことを言っている場合じゃないんだよ!!」

『そういえば小僧よ。晩飯用意してないような気がするんじゃが』

「あ―――――――っっ忘れて、ごほっげほごほ……うえ」


 そして物心つく前から葉梨に憑いている自称鬼の女性通称バキ姉と共に全速力で(そもそも葉梨が動けば勝手にバキもついてくるのだが)逃げるために路地を走っていた。路地は日が落ちたからか人気が少なく走っている身としては助かっている。

 この葉梨が走っている地は【二重都市】水木場市と言い、発展によって陸地が少なくなってきた現在、試験的に大きな柱を何十本か立てて、その上にもう一つ都市を造るという多重都市計画のモデルケースとして作られた都市である。つまり幾分か標高の高い位置に存在する。故に走ると酸欠を比較的に起こしやすい、ランナー殺しの地形なのだ。そもそも全般スポーツをするのに向いてない。


「儂に体を許すんじゃああああ」

「やめろ呪縛じじい!背筋がぞわっとしたじゃねかよぉ!!」


 あれ?幽霊として生者の背筋を凍らせるのは正しいのではないか。むしろじじいは己の仕事を全うしただけなのかもしれない。どうやら葉梨は酸欠で頭が回っていないようだ。


「ぜはっ、はぁはぁ。まだ撒けねえのか」

『ほれ頑張れ。あと少しであやつの呪縛対象外の路地に着くぞ』

 

 こちら側としては都合のいいことに呪縛霊は何かしらのものに憑いており、そこからあまり遠くへと行けないのだ。まあ、その枷を外すために依り代を探すのだからプラマイで考えればマイナスだが。

 今回の呪縛霊は事故死でもしたのか呪縛対象が道路のようだった。


『ここを抜ければ安置じゃ』

「はぁはぁ、やっとか。はぁ、20分全力ダッシュは心臓に悪い。ごほっ」

『なんじゃ、軟弱じゃのう』

「まじめに、はぁ、余裕無いから。はぁ」


 バキのつまらない言葉遊びを一蹴するとバキは拗ねたのか葉梨の体へと潜ってしまった。そんなバキの行動に目を向けているとドンッと肩が誰かに当たる。


「うわっ、すまない。大丈夫か?」


 反射的に体を向けて心配してみるとそこには銀髪碧眼で同い年ぐらいの少女がいた。少女はかなりモコモコの服を着ており現在の季節――――――――6月には暑いのではないだろうか?そして銀色の髪を肩まで伸ばしていた。座っている体勢から肩をぶつけたとき転けてしまったのだろう。


「いえ、私は大丈夫です。それより私の後ろに逃げてください」

「おいっ、そっちは危ねえぞ!」


 葉梨の警告を出すが少女は無視して葉梨が走って来た方へと歩いていく。見間違えかもしれないが心なしかその少女は自信ありげな顔をしていたように思えた。

 少女はまるで呪縛霊が見えているかのように前に立ち何事かぶつぶつと呟き始める。

 呪縛霊は少女も依り代として優秀だったのか標的を少女と変え、今にも襲いかかろうとしている。

 堪らず葉梨は少女を庇うべく走り出そうとするがそれをバキが小声で諫める。


『これ、止まらんか。お主が行っても犠牲者が二人になるだけじゃ』

「でもそれじゃっ」

『そもそも小僧が行かなくとも何とかなる』

「はぁ?どうゆうことだよそれ――――――」


 葉梨が口を開こうとしたとき、少女の手から御札がまるで生きているかのように呪縛霊にへばり付いていく。そして御札の内から幻想的な浅葱色の光が漏れてきて目を眩ませた。中の呪縛霊はよほど苦しいのかうめき声が少々離れているここでも鮮明に聞こえる。


「何なんだよこれは…」


 葉梨があまりのことに思わず漏れたこのように呆然と呟く。

 するとやはり小声でバキが答える。


『小僧は初めて見るか。あれが我々、物の怪に対抗するためにお主ら人共が生み出した呪術。祓魔術じゃよ』


 その声は懐かしさと忌ま忌ましさを混ぜ込んだ、もの悲しいものだった。

 意見歓迎ですが作者は豆腐メンタルなのでオブラートに包んで頂けると嬉しいです。

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