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FreeDom  作者: ユユキ
真・世界
99/138

愛憎


その辺のビル屋上。で、絶賛ストーキングされ中。

 優「ついて来たな」

 アルル「もはやこっち側もそんなにレアじゃなくなったね」

 優「実際、謳歌しているみたいだからな。しかし、いざなってみると急ピッチ感は否めないな」

 アルル「どちらかというと、欲望解放みたいな感じだからね」

 優「それ、終わるパターンのやつだな」

 ロコ「そこを終わらせないようにするのがわたし達『蛇』もとい『解放者』の仕事というわけだ」

 優「ここで新キャラ登場か」

新キャラの五十代男性のダンディなおじ様がいきなり俺の隣に現れた。

電脳能力は固有ではなく汎用なのでネクラと同じ迷彩の類だろう。

 優「また気づけなかったか。自分の基本スペックに自信なくすわ」

 アルル「萌キャラじゃないのか」

 ロコ「あまり安売りしても質を落とすだけだ。ここはおじさんでピリっと締めないとな」

 アルル「名前はかわいいけどね」

 ロコ「ユーモアは必要だろう?」

 優「で、結局『蛇』なのか?」

 ロコ「いかにも」

 アルル「出てくるの早っ」

 ロコ「『蛇』は蘇芳が仮想世界用に創ったものだ。無論、メンバーは生身なのであそこで死んでいった者も『解放者』ということになる。『蛇』、永遠のシンボル、仮想世界にはぴったりだな。『解放者』は組織名ではないし、いっそ『蛇』と名乗ってもいいかもしれないな。ちなみに、門戸は広い。そんなに厳かなものではないよ。『解放者』の目的は世界、および人間を束縛から解放すること。『解放者』たる資格は皆にある」

 優「どっかの宗教家みたいだな」

 ロコ「神に祈る気も成り代わる気もないが、思想を広めるという意味では遠からずだな。君も似たような思想なのだろう?わたしが橋渡しをしてもいいぞ」

 優「自分で見つけたいお年頃だからな」

 ロコ「なるほど、それもいいな。わたしとしては素直に頼る方をお勧めするが、今は何を言っても無駄か。いや、効率を考え過ぎたな。前言の通りそれもいいか。段階というのも大事な過程だ」

 優「納得してもらったところで、そろそろ本題いいか?あっちの相手もあるからな」

ちなみに、ストーカー女(俺と同い年ぐらいの二十五歳前後)は隣のビルの屋上の物陰から律儀にこちらの様子を窺っている。しかし、この歳で女性のがっつりストーカーというのも中々シュールな画だ。

 ロコ「まあ、気にするな」

 優「結局、世話焼くんだな。嫌いじゃないけど」

 アルル「寂しがり屋だね」

 優「単純に暇だからな、一人は」


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