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FreeDom  作者: ユユキ
真・世界
89/138

自由


その辺の街中。と、言ってもかなり荒れている。

 飛鳥「無神教の次は人類解放連盟ですか。今回は自由でしたね」

この区域は今、いわゆる無法地帯と化している。ちなみに、一時的なものだ。

 ネクラ「いっそこっちも加わるか」

 ダン「俺は止めないでおこう」

 飛鳥「私も、どうぞご自由に」

 ネクラ「冗談ですやん。あんな見てくれこっちから願い下げだね」

 飛鳥「確かにこれは問題ですね。王として対処する必要があるようです」

 ネクラ「はは、むしろそっちの方が良いな」

 ダン「それより戦闘関係は大丈夫なのか?このメンバー」

 飛鳥「私は大丈夫です。むしろ、この状況にぴったりですね」

 ネクラ「適当に銃でも撃ってりゃ死ぬだろ」

 ダン「俺は特殊なものはなく、普通より多少動けるぐらいだからネクラのお守りでもするかな」

 飛鳥「お願いします」

 ネクラ「なんでだよ」

 飛鳥「正直、私一人で十分ですからね。むしろ、邪魔です」

 ネクラ「くっそー」

と、そこに一台のヘリコプターが降り立つ。ちなみに、横道、脇道がほとんど確保されていない分大通りはかなり広く造られている。ので、余裕をもって着陸できる。

 ネクラ「飛んで火に入る夏の虫だな」

 ダン「迷彩使った方がいいんじゃないか?」

 飛鳥「まあ、私がいるから大丈夫ですよ」

 ネクラ「さすが姉御」

 ダン「アカシャにも勝ったぐらいだからな。ここは王らしく胸を張ってもいいと思うぞ」

 飛鳥「ただの能力の性質上確実にいけるという話なんですが、そうですねこの役目を引き受けた以上それもいいかもしれません。と、言うとやらされた感がありますね。そうなるよう努力しようと思います」

ヘリコプターには高校生ぐらいの少年が一人。というか、制服を着ているのでそのまま高校生なようだ。

 未春「よう、ちょいと待ってもらおうか」

 ネクラ「おうおう、それどうやって動いてんだ?」

 ダン「あまり粋がらない方がいいと思うぞ」

 ネクラ「姉御、頼みます」

 飛鳥「で、どうやって動いているんですか?」

 ダン「おいおい」

 未春「こいつは俺の相棒さ。ちなみに、乗り物になら何にでもなるぜ。まあ、これ以外にバイクと車しかやったことないが俺の相棒に不可能はない。そう、俺は自由だ。こいつとどこまでも飛んで行くのさ」

 飛鳥「さて、要約するとそれも一種の電脳能力で創られた武器。質問の答えとしては、リモート的なことでいいですか?」

 未春「前半部に不満はあるが、質問の答えとしてはその通りだ」

 飛鳥「なるほど、こういう会話ができるのならあなたに任せるのもいいかもしれませんね」

 ダン「ああ、そういうことだったのか」

 ネクラ「はは、突っ込んでやんの恥ずかしー」

 ダン「おまえはいちいち絡むな」

 ネクラ「寂しがり屋なのよ、私は」

 ダン「今のおまえが言うと白々しいな」

 飛鳥「それはそれでいいことですね。猫被ってた時より今の方が好きですよ、いろんな意味で」

 ネクラ「うわっ、最後気になる」

 ダン「じゃあ、帰るのか?」

 飛鳥「見守るのも王の役目、ということにしておきましょう」

 ネクラ「よし、どっか行くか」

 飛鳥「私はアテなんてないですよ」

 ダン「残念だが、同じく」

 ネクラ「んだよジジィ、おまえが一番長いのに」

 ダン「悪いな、俺もそれなりにひねくれ者なんだ」

 未春「暇なら乗ってくか?」

 飛鳥「さすがにそれはいきなり過ぎますね。その心は?」

 未春「今後の為に、だな」

 飛鳥「まあ、一応私も王ですからね」

 ネクラ「利用しよう、てことか?一般人が大きく出るな」

 ダン「おまえも大きく出過ぎだ。一応、か弱い乙女なんだから」

 飛鳥「そう思うと可愛げがありますね」

 ネクラ「え、本当に」

 ダン「まさか本気で照れてるのか?」

 飛鳥「私は乗ろうと思いますが、どうしますか?」

 ネクラ「萌シーンなんだからもっといじってくれ、姉御。そして姉御が行くならもちろん行くぜ」

 ダン「俺だけ残っても仕方ないしな」

 未春「よし、行くぞ。何か久し振りにまともに話した気がするな」


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