束縛
メシアの居場所はわからないので、とりあえず蘇芳のネタに付き合うことになった。
その道中にて。メンバーは俺こと優とアルル、そしてエコーだ
優「今の内に逃げられるんじゃないか?」
エコー「ああ、そういう話じゃないよ。折角だし、って話。正直、私がやると他愛もない話だからね」
優「ここは感謝するところか?」
エコー「理不尽なんてよくある話だからね。それは身に沁みているでしょう?」
優「嫌という程な」
アルル「気合足りないぞ、気合」
優「気合か?」
エコー「気合だね。そして、その機会を今与えようって事」
優「それはありがたいことだ」
エコー「そんな下手に出ずに、もっと大手を振ってほしいな。あなたにはその第一人者になってもらわないと。いつまでも悲劇のヒロインというのもね」
優「なるほど、気合か」
エコー「と、いうのは私というか蘇芳の意見としてあなたはどうかしら?このままの世界をシフトアップさせるか、別のものに創り変えるか」
優「今はそういう時期なのか?」
エコー「役者も力も揃っているからね。一応、一般人も蚊帳の外というわけではないよ」
優「電脳能力か?」
エコー「そういうこと。で、今からその万能性というか汎用性を見に行くわけだよ、少年。前情報としては完璧に平々凡々な一般人。環境も至って普通。案外、このパターンは初めてなんじゃない?恨みもなければ欲望もない。まさにTHE一般人だね」
優「だいたい何か背負ってたからな」
エコー「むしろ日常を愛している、ってやつだね」
優「あんまり愛されてもこっち側は困るんだけどな」
アルル「仲間はずれは寂しいからね。適当な御託並べられて無理矢理引き込まれた日には、もうあれだねあれ。何かすごいことになるよ」
優「マスコットキャラクターを名乗るなら、一文目で止めておいた方がいいぞ」
アルル「ふっ、そんなくだらないキャラで終わる気はないよ」
エコー「逆も然り、と言えばそれまでだけどね」
優「確かに、一般人もその日常を壊されたらすごいことになりそうだ」
エコー「王でありながらだけど、そういう先導者的なものは案外いらないのかもしれないね」
優「王なのか?」
エコー「そこは後々ね。その王から言わせてもらうと、今は転換期。いずれにせよ、そのままはありえないだろうね。実は私、男なんだ」
優「いきなりカミングアウトしたな」
ちなみに、どっからどう見ても女性。美少女と言ってもいいぐらいだ。
エコー「両親は普通の一般人。でも、私を完全な女性にする為にいろいろ奮闘していたわね。今では懐かしい思い出かな。ちなみに、この姿そのままね」
優「一般人もはしゃいでるな。明もジャンル的には一緒か」
エコー「一般人もそろそろはしゃぎたい時代ってこと」
優「そうか、一緒にそうできるならそれはいい話だな」




