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FreeDom  作者: ユユキ
真・世界
84/138

リアルファンタジー終 4


いつもの草原。相変わらず、フィールドはここしかないようだ。

 月羽「おまえに教えることは何もない」

 ヨナ「極論、イメージだからな。まあ、発想がなければイメージも糞もないだろうから、基盤ぐらいはここで決めておいてもいいだろう」

 明「仕方ない、結婚を許そう。俺の娘への愛はいろいろな変態行為で重々理解しているだろうが、これは素直な気持ちだ。幸せになってくれ」

 優「折角来たからな、イメージの基盤ぐらいは掴んで、飛鳥とはそういう関係にはならない。一つの可能性としては、なんだろうがな。今はその可能性も消えたみたいだな」

 アルル「まだまだ甘いね、人生何が起こるかわからないのだよ」

 優「じゃあ、臨機応変その時はだな。いい加減そうに聞こえるが、頭が固いのよりはマシだろ。状況が変わったなら考えも直さないとな。柔軟性があった方がむしろ人間らしいし」

 明「そういうところが俺になくて優にあるところなんだろう。おかげでファザコンにはならなかったよ」

 優「そうなのか?」

 明「飛鳥も案外生まれついてのそっち側なのかもしれないな」

 優「変態過ぎたからじゃないか?」

 明「そうか、常識考えてそうだよな」

 優「よかったなこっち側で、おかげでファザコンとまではいかなくても仲は良かっただろ?」

 アルル「常識考えてありえないよね」

 明「はは、まったくだな。まあ、反省はしている。本当に。まったく、情けない話だよ」

 優「それありきで今の飛鳥なんだろう。腐っても親ということだな」

 アルル「腐っても、付けちゃったね」

 月羽「そういうところは蘇芳に似たのかもね」

 ヨナ「俺じゃなかった」

 優「まあ、ぶっちゃけ誰?だよな」

 ヨナ「追い打ちきた」

 月羽「とばっちりきた」

 アルル「愛があれば大丈夫だよ」

 優「血が繋がっていても愛がないとな。そして血が繋がっていなくても愛があればだ。確かに面識はほぼないが、条件は完璧なわけだ。これで少なくとも親がいない子供ではなくなったな。いればいいものでもないが、ろくでもなくても貴重な一つの出会いだ。結論としては、いないよりはいた方がいいのか。じゃあ、感謝しないとな」

 月羽「素直に喜びたいけど長いわね」

 ヨナ「ここで話を戻すと、その屁理屈を生かせばいい基盤ができるかもな。あえて真逆という手もあるがどうする?」

 優「これで死ぬわけじゃないし、焦らず長所から伸ばせばいいだろ。人間飽きる生き物、と言えば聞こえは悪いが結果的にそれが多面性に繋がる。まあ、言葉とは裏腹にいいことってことだ。つまり、どの道両方やるってことだな。方針というよりはただの順番と思ってくれ」

 ルカ「なら、ここはチャレンジしたらどうだ?」

 優「ああは言ったが、それなりの理由はほしいところだな。長所の理由は即戦力と言ったところか。俺の座右の銘は『長生き』、もはや『死なない』だからな。生存率はできるだけ早めに上げたいところだ」

 ルカ「臭いものに蓋ってことだ。今おまえに足りないものは短所の方だからな。存外、そこを伸ばせば長所の方も伸びたりもする。両方上がった方が結果的には効率がいいだろう?って、蘇芳が言ってた」

 月羽「蘇芳がね」

 ルカ「愛してるぜ、優」

 優「じゃあ、その愛に応えてやるか。ちなみに、具体的に言えたりするのか?」

 ルカ「ちなみに、これも蘇芳意見だけどな。野生を持て、と言われてもおまえじゃ無理だ。が、電脳能力を使えば可能。そういうことらしいぞ」

 優「なるほど。それが戦闘だけでなく俺自信の多面性となり、本来ありえなかった可能性になる。結果、元々あった俺の長所も伸びるわけだ」

 アルル「まとめると、それでOKってことだね」

 ルカ「じゃあ、これで終わりか。最期の言葉は愛してるってところだな」

 月羽「少し押し付けがましいかしら?」

 優「いや、いいんじゃないか」

 月羽「なんだかんだで優しいわね」

 優「そうか?まあ、客観は大事だからな。それも俺の多面性か」

 明「結局同じになってしまうが、その優しさで飛鳥のことも頼むよ」

 優「変わらず娘想いってことか」

 明「そんないいものでもないけどな」

 優「偶像か?ま、愛があればいいだろ」

 明「後付感はあるけどな」

 優「変われたなら過去に縛られる必要はない。とはいえ、経験を忘れるのはもったいないけどな。思い出程度がちょうどいいんじゃないか」

 明「そうだな、おかげで身に染みたよ」

 優「後悔先に立たず、後ろにでも立たせておけばいい」

 アルル「決まったところで、そろそろおいとまだね」

 優「相変わらず世知辛い世界だな」

 月羽「だからこそ自由は尊い、ってお姉ちゃんが言ってたわ」

 優「そうか、俺も言われた」

 

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