リアルファンタジー終
中世洋風の城内。初めてここに来た時の城のようだ。
場所は例によってバルコニー的な所。外の景色は青空と草原だ。そもそもこの部屋から出たら即外に繋がるので城というのもあれだが。
アリア「抱きつくことを許そう」
アレン「仕方ない、俺も許そう」
優「生きていたのか、というのも微妙なところだな」
アルル「世の中理屈じゃないのさ」
優「なるほど」
アリア「まあ、期待はしていなかったけどね」
アレン「それより俺のキャラどうする?」
アリア「ぶっちゃけ普通でいいと思うよ」
アレン「そうか、肩の荷が降りたよ。関西弁もやめよ」
飛鳥「否定されていましたが、それが魅力でもあるということですね。逆に、そうじゃないと気持ち悪いです」
アルル「優君大好きだっ、ごふっ」
飛鳥「しまった、幼女を殴ってしまいました」
優「ロリババァだから倫理的には大丈夫だ」
アリア「なにはともあれ、元気そうでなによりだよ。今じゃ、お母さん的な立場になっちゃったよ」
優「空元気だけどな」
アリア「そうなんだ、わかりずらっ」
アレン「じゃ、そろそろ本題にいこうか。まずは今回の修行内容だな」
優「修行って言われると何年も掛かるイメージだが」
アレン「そこは心配ない。一回一日も掛からないだろう。気軽にワンプレイってところか、ゲームだけに」
アリア「うまい」
優「仲が良さそうで何よりだ。個人的に反抗期はひくからな」
アルル「そうなんだ」
飛鳥「暗に私のことを言ってますね」
アレン「じゃあ説明、ちなみにゲームシステムではなく現実での話だ。今回はそういうのはないみたいだな。ここも一種の現実と考えた方がいいだろう」
優「蘇芳にしては淡白だな」
アレン「もうここに興味がないんだろう」
優「寂しい話だな」
アリア「あー、ちょっと泣けてきた」
優「無駄にならないよう俺が生かしてやるよ」
アリア「うまい」
アルル「珍しいね、そういうこと言うなんて」
優「人間は経験する生き物だ。散々俺の目の前で死んだからな、今なら少しは美学も理解できる。まあ、自分でやれと言われれば遠慮するが」
飛鳥「一言多いです」
アレン「説明に戻るぞ」
優「さっぱりしてるな」
アレン「ここで思い出に浸るわけにもいかないだろ?」
優「キャラ変わり過ぎだろ」
アレン「『新』とでも呼んでくれ」
アリア「おー、かっこいい」
アレン「じゃ、いい加減。電脳能力は汎用だ。固有のものとかそういう特別な能力はない。とはいえ、イメージを掴む必要があるから見てそれをすぐ使う、とはいかないけどな。具体例を挙げるなら人間みたいなものか。スペックは同じだが能力にばらつきがある、そんな感じだ」
優「まあ、こうして修行するわけだからな」
アレン「その中でも今回は基本中の基本らしい身体強化。防御力、攻撃力、スピード全て上がるからかなりのお買い得品だ。道具を使うにしても身体が丈夫なことに越したことはない」
優「それはいいとして、具体的に何するんだ?」
アレン「理想の身体をイメージしながら対戦相手と闘うだけだ。ちなみに、今後もそれの繰り返し。電脳粒子はイメージさえ掴めば誰でも使える。この誰でも使えるのがポイントだそうだ。一般人でもきっかけさえあれば化け物に生まれ変わる。元々、蘇芳も普通の人間だったらしいしな」
優「見る影もない、とはこのことだな。俺も十分他人のこと言えないけど」
アルル「霊子体なめんな」
アレン「じゃ、余談が広がる前に行くか」




