無情 4
警察本庁内、執行部の部屋。
飛鳥「もう居場所もわかっていて、アカシャからの許可も出ているので後は準備だけですね」
優「おお、本当に一緒に行動していたのか。キャラ変えでもしたか?」
飛鳥「あなたに影響されたのかもしれませんね」
優「そうか?そういえば、人格強制プログラム使ってなかったからな。俺を育てるぐらいの度量はあったわけだし。半分はその部分があるわけだ」
飛鳥「案外、自分に自信がないんですか?」
優「それは新事実だな」
ネクラ「イチャイチャするな、姉様」
飛鳥「あなたは完璧に変わりましたね」
シノ「何かよくしゃべるな」
ダン「俺もそう思う」
優「なんだ、元ってオチか?」
葉「この三人全員な」
優「で、こうしてあっさりまた集まったわけか。俺と同時期のはずだから、まだ半年ぐらいの話だろ?」
アルル「茶番か」
ダン「一応、執行部自体はそれ以前にあったけどな」
優「そうするとあれか、飛鳥きっかけか」
アルル「はっきり言った」
優「まあ、カリスマがあるってことだ。これで少なくとも反抗期ではなくなったな」
アルル「ほうほう、もう一声詳しく」
優「自分の世界が創れるぐらいには自我が芽生えたってところだな。明も感涙ものだな」
アルル「珍しく褒め言葉だね」
優「たまにはいいことないとな」
飛鳥「いいこと、ですか」
ダン「やっぱりあからさまに嬉しそうだな」
ネクラ「姉御ー」
シノ「……」
香「とにかく、本題に入ったら?」
優「結局、やってることは一緒なんだよな?」
香「入らんのかい」
優「正面突破は俺もごめんだからな。とはいえ、俺が引きつけ役なのは確定だ。そっちにはわだかまりを失くしてもらって、しっかりフォローしてもらわないとな」
アルル「またまた」
優「そこはお好きにどうぞ、ってところだな。こうすると、やっぱり多面性があった方が面白いな。それはさておき、結局仲良く役割分担していただけなわけだ。アカシャが対象外に決めた奴等をシノ達が、てな。そういうわけで、ここは仲直りの握手でもしたらどうだ?まあ、飛鳥がアカシャの犬にでもなるなら話は違ってくるだろうが。そこのところどうよ?ちなみに、アフターケアは協力するつもりだ。負けっぱなしだから大船とは言えないけどな」
飛鳥「相変わらずペラペラとよく言葉が出ますね」
優「一応、初期設定だからな」
アルル「確かに、最近このぐらいの長さはなかったね」
優「さすがに定着させないけどな」
アルル「そうなんだ」
優「ま、ほどほどにな」
飛鳥「十分だと思いますけどね。会話全体としては」
飛鳥は一拍置くと、思い切ったように勢い良くシノに手を差し出す。
飛鳥「私でよければついて来てください」
優「お、大きく出たな」
アルル「茶化すな、茶化すな」
ダン「本当、よくしゃべるな」
シノも飛鳥に負けじと勢い良く手を握る。
葉「惚れた奴の負け、ってやつかな」
香「うるさいわね、殺すわよ」
葉「おー、恐い恐い」
優「ま、めでたしめでたしか」
アルル「よかったね」
ネクラ「よっしゃー」
飛鳥「もうあなたは改名しなさい」




