序章 2
と、いうことで裏路地。さすがに広告はないようだ。
そして例によって血の臭い。さすが蘇芳の庭だけあって、そういうところは変わらないらしい。
優「しかしよく殺すな」
アルル「お、ついに優男化か」
優「まあ、そうかもな。ゆっくり話ぐらいはしたいものだ」
目の前にはそういうゆとりがなさそうな、人間の腕を貪っている高校生ぐらいの少女がいる。
散らばっている死体は約5人。場所からして不良グループといったところか。しかし、正義の味方の線は薄いかもしれない。偏見だがメガネが落ちている。まあ、それでも十中八苦そのシュチュエーションで合っているだろうが。ここまで同じシチュエーションなら、割りとイメチェンでもすればこういう問題も解決するかもしれない。それはそれで寂しい話だが。俺クラスはともかく、根暗君の居場所ぐらい用意してほしいものだ。ちなみに、皮は剥かれていて骨も残っている。完全に食べ物として扱っているようだ。
優「芸術の次は食欲か。すごい秋だな」
アルル「人の肉は体に悪いってどこかで聞いたけど、実際は大丈夫なのかな?」
優「どっちでもいいわ」
と、向こう側から新たに人影が現れる。
あれ以来一度も会っていないが、ちゃっかり俺と同い年設定の飛鳥と五十代ぐらいの男性だ。カシやんと同じぐらいか。
優「おいおい、なんだかんだで俺のこと好きだな」
飛鳥「……」
優「マジでか」
アルル「ヒューヒュー」
優「よし、棒読みだから許す。やっぱり俺と一緒の方がいいんじゃないか?」
飛鳥「そう単純な話ではないです」
優「そうか?」
飛鳥「誰もがあなた程強くないということです」
アルル「そうか?」
飛鳥「くっ、この仲良しコンビ」
ダン「意外だな。おまえがここまで雑談できるなんて」
飛鳥「余計なお世話です」
ダン「はは、それは確かに」
ネクラ「メガネ、メガネ」
と、いきなり高校生ぐらいの少女が散乱する死体の中から現れた。
優「光学迷彩か?電脳人の能力も併せ持つ霊子体の俺が見逃すとは。バトルも結局あまりしなかったし、平和ボケでもしたかな」
アルル「それより重要なことがある気がする」
蘇芳「電脳能力、いわゆる超能力だな。まあ、一般的なやつとはレベルが違うからもはや魔法と言っても過言ではないが。そうだな、前例としては結局うやむやになった『木』での何でもできるというやつだ。電脳粒子、粒子、世界を操る、中々のロマンだろ」
優「へー、素直にすごいなそれは」
アルル「もう突っ込まないんだね」
そうこう放ったらかす内に、食人少女はメガネ少女を片手で抱えてビルの壁を駆け上り、屋上から屋上に飛び移りながらこの場を離れていく。
優「あれもか?」
蘇芳「ああ。中々の仕込みだろ?」
優「おまえも好きだな」




