ベンさん 2
桜とベンさんはさっそく目的地へと出向いて行った。今は場所を変え、街のはずれ。砂漠なので周りに遮蔽物はほとんどない。対峙しているのは先の反神派(二十人くらい)、プラス『蛇』のヨナだ。
ヨナ「俺、あのおっさんに用があるから後はよろしく」
ヨナ、二十代後半の男、『聖痕』持ち。自称ティナの父親代わり。ちなみに、『聖痕』はティナ(天使)からのもの。
リオ「よろしく」
カシヤス「まあ、いいけど」
カシヤスとヨナはそのままここから離れて行く。
優「おっさんも大変だな」
凪「そうね」
リオ「器がでかいのよ器が」
優「ものは言いようだな」
相変わらず砂漠には何もなく、まるで二人きりの空間のようだ。そんなロマンチックな場面でもないが。
ヨナ「お互い話すこともないだろうし、さっそく本題にいくか。ルリベラから呼び出し、と言えばわかるよな?」
カシヤス「あいつ、『蛇』に入ったのか?」
ヨナ「いや、たまたまだ。とはいえ、着実にそっちの道には入っているし、そろそろ目をつけらるかもしれないな」
カシヤス「潮時ということか」
ヨナ「おまえも女運悪いな。それに比べて、ティナは文字通り天使だな。そうだ、話すことができたからおまえに選択肢をやろう。一応、体裁上時間稼ぎしないといけないんでな。ここで俺と闘うのと娘自慢どっちがいい?おまえも父親だろ?損はないと思うぞ。しかしこうなると、やっぱり娘が一番だな。おまえの息子かなりグレてるし」
カシヤス「意味合いがかなり違うと思うが、否定できないのはつらいところだな。それと、平和な方でお願いするよ」
ヨナ「そうか、なんだかんだで聞きたいんだな。同じ父親なわけだし」
カシヤス「いや、そういうわけじゃないが、まあいいか」
砂漠、遮蔽物はない。相手は二十人前後。
優「これ、どうするんだ?」
凪「カシやん置いて逃げよう」
優「うわー、最低だな。港で使ったあれでか?」
凪「ああ、あれキューブ製だからまだ修理中か」
優「ついでに、俺持ってないしな」
リオ「おっと私としたことが。後で渡しておくよ、シオンの秘密道具シリーズ」
優「できれば今ほしいけどな。結局どうするんだ?」
リオ「あれ一人用だからね。カシやんならいけそうだけど、私じゃバランス崩すかも、10mくらいで」
優「早っ」
フェイ「おまえら二人は、『蛇』を抜けてなにをやっているのかと思うえば」
優「うわっ、どっから出てきた」
辺りには砂が舞っている、どこか離れたところから一気にここまできたということか。俺にも電脳人のようなセンサー機能が付いているはずだが、認知する前に到着したようだ。
凪「相変わらずね、いろいろと」
フェイ「おまえと違ってな」
ファイが反神派の集団に突っ込んでいく。後は惨殺ショーだ。砂埃であまりよく見えないが、おそら銃弾は掠りもしていないだろう。そしてちょうどそれが終わった頃にカシヤスとヨナが戻って来た。何か仲良そうに肩を組んでる(ヨナが一方的に)。
ヨナ「って、お前がやったのかよ」
フェイ「私がこんなクズに協力なんてするわけがないだろ」
ヨナ「清々しい程に憎んでるな。あの人の采配ならと思ったが、いや、こうなると見越してか。じゃっ、いいか。と、いうことで。ああ最後にこれを授けよう」
ヨナが懐から取り出した写真をフェイはすかさず切り刻む。ちなみに、素手で。先の戦いでも素手だが、残っているのは切り刻まれた死体だ。
ヨナ「おいおい、今時写真なんてレア物なんだぞ」
ヨナとフェイはそのままこの場を後にする。
リオ「じゃ、桜とベンさんの回収に向かいますか」
優「まさか歩きか」
ちなみに、桜はベンさんの車で出立して行った。
リオ「もちろん」
優「ここ砂漠だぞ」