「蛇」 3
エデン最下層の広さは小都市程度というべきか、それ程広いわけではないが密集しているわけでもない。
それが十個あったからエデンだけでもそれなりの人口だったが今は一個分だけだ。
例の組織が海に本拠地(ちなみに、この本拠地はキューブ製ではない。一年で海上にそんなものを、となるがそこは仮想世界だからなのか、電脳粒子様々なのか今では判断しかねるところだ)を構えていたからその分人口もプラスされていたがもはやそれは過去形だろう。
今までと比べれば激減だが、社会が成り立たない程ではない。その証拠にこの街は荒れ果てることなく割とうまく回っている。まあ、治安がいいと言うわけではないが無法地帯というわけでもない。
と、言っている側から目の前に綺麗に刻まれた死体が散乱しているわけだが、場所が場所だけにおざなりなオチでもない。ここは例の組織の残党が集まっている五階建てのビル、そのロビー。そういう意味では一応治安が守られたとになる。
優「何か居そうな予感しかしない」
アルル「『蛇』がだね。わかります」
月羽「慈善事業の意識はないんやろうけど、意外にこういうこともするばってん」
優「とりあえず、普通に戻すか」
月羽「個性とかなくならないかな」
優「逆になくなるぞ」
月羽「わかった」
優「しかし母ちゃんよ」
月羽「そんな呼び方」
優「まあ、何もないけど」
月羽「かなりの衝撃事実なのに気まずいどころかそんななの」
と、じゃれあっていると予想は的中したようだ。向こう側からティナとヨナがやって来た。ティナは抜き身の刀を肩で担いでいる。その血のへばり付いた刀に数体の死体を団子のように串刺して。
ティナ「胴体は使わない」
優「刀くらいの穴でもか。プロフェッショナルだな」
月羽「乗っちゃった」
ティナは刀から死体を抜き取ると、解体し始める。ま、死体ということで。残念ながら俺はそういう人間だ。
ヨナ「ここは家族水入らずといくか」
優「まさかの父ちゃん」
ヨナ「まあな。薄い夫婦と言われている」
優「そうか。俺は頑張るよ」
アルル「優は割りとリアクション薄いけどね」
優「そうか。遺伝子に負けないよう頑張るよ」
ヨナ「まさかこんな展開になるとはな」
優「そうか?生身の数考えたら、3人はかなり密度高いと思うが」
ヨナ「環境が特殊過ぎと言いたいが、結果こういうことになっているしそういうものなのかもな」
月羽「私はそこまで楽観的になれないけどね」
ヨナ「相変わらず、俺以上に暗いな。そうだな、そう言わずに試してみるといいかもな。これで幸せな家庭でも築いたら、ある意味笑い話だな。と、いうことでティナを含めた4人で暮らしてみるのはどうだ?おまえに妹だぞ、優。中々笑えるだろ?」
アルル「私を忘れてもらっては困るな、お父さん。いや、父ちゃん」
ヨナ「お、悪い悪い。これで爆笑ものだな」
優「ま、それはないけどな」
と、そこで新たな来訪者が入り口からやって来た。
優「おお、ここでまさかのカシやんか。本当、密度が高いな」
カシヤス「ふむ。確かに、言われてみればリアクション薄いな」
優「聞いてたのかよ」
さらに後続がやって来る。
ルリベラ「私より先を歩かないでくれる、クズ虫」
ルカ「後ろの奴に言われてもな」
シャロン「うんうん、仲いいね」
さらにティナの近くで3つの次元の穴が開く。
蘇芳「よう、こっちの方が盛り上がってきたから来てやったぞ」
リオ「あんたも好きね」
凪「私は好きよ、優をいじめるの」
優「限定しやがった」




