「蛇」
現実世界、海上。アルルとボートでクルージング中というのが今の状況だ。無論、それが目的ではない。
ただでさえ少ない人口、わざわざ海に出る奴もいないがここにはとある組織の本拠地がある。最近幅を利かせているらしいが、悪まで一般レベルでの話だ。キューブを使えば大方の大型兵器は錬成できるが、使えないと意味はない。知識も然りだが、人数もそれなりいる。と、いうことでそれなりに規模はでかい。電脳印だけでは携帯できる程度の武器までなので、現状一般レベル最強の組織だ。実際、支配者気取りで街を闊歩しているのはうざい限りではある。まあ、その程度の組織だ。
今も海上をその組織の船が悠々と泳いでいる。
優「おうおう、威勢がいいな。海賊王にでもなるつもりか?」
アルル「いっそ私達がなる?」
優「それより気になるのは、おまえがアリアと被っているところだな。そういえば、名前も似てるな」
アルル「それでもアリアは死んでしまったけどね。そういう似たような人生があったとしても、だね。命は儚い」
凪「確かに、あっさり死に過ぎてつまらないわ」
と、上空に次元の穴が開き凪が現れた。ちなみに、凪は飛んでいる。
優「お、おお、あれか、生きてましたってやつか」
凪「フェイと私は桜と春のようなもので私が本体ということよ」
そう言って凪は掌サイズの珠を取り出す。
優「『転嫁』か。壊したんじゃなかったんだな」
凪「わかりやすく言うと、真のラスボスね」
優「それはすごいフライングだな」
凪「私大型兵器は嫌いなのよね。ボタン一つで手応えなし。それで罪悪感でも消しているつもりなのかしら。まあ、そうなんでしょうね。殺したなら血ぐらいは被らないと」
凪がスイッチを取り出しそれを押す。
すると間もなく少し先を泳いでいた大型の船が消え、ついでに俺とアルルの乗っていたボートも消えた。ので、アルルは飛んでいるが俺は海の中だ。
凪「私達クラスならもはや血すら流れないけどね。ちなみに、キューブを使えなくしたから」
優「そうみたいだな。『シオン七つ道具』まで使えない」
アルル「そんなの持ってたんだ」
凪「さてと、一分で潰してくるからその後『真世界』に行きましょうか。逃げても別に構わないわよ」
優「長生きしたいから遠慮しとく」
凪「賢明な判断というより、あなたらしい判断ね」
優「それはどうも」




