再起
所は変わり現実世界の『白夢』。この場にいるのは俺こと優とアルル。そして紋章部分を破壊された黒い長方形の箱だ。もう少し正確に言えば、リオが紋章部分に手を突っ込み掌サイズの珠を取り出した。その部分から機械郡が見えているので不思議アイテムではなく、普通に機械だったようだ。
と、見解したのが一週間前だ。散々偉そうなことを言った割にいざ自分がその立場に置かれると駄目でした、というのが今の現状だ。絶賛意気消沈中。
アルル「なあなあ、外出ようや」
ちなみに今は『白夢』経由でネットサーフィン中。絶賛現実逃避中。
アルル「ラッパーか」
優「地の文読むな。うっとおしい」
アルル「なんだと」
と、言って俺の首に跨る。つまり肩車だ。ちなみに、霊子体で血が流れていないのでこの状態でも凝ったりしないし、アルルは翼でバランスをとっているので落ちる気配はない。
優「しかしおまえらの時代、幼女率高いな」
ちなみに、アルルは創世の神、始祖天使みたいな感じらしい。この世界を創ったとかなんとか。時代というのはそこまで遡る。エタ、ロロ、ゼウスもその時代からの付き合いらしい。
アルル「需要だよ需要」
優「少し心配だな。悪まで純真な想いであることを祈ろう」
アルル「もうタイトルになってるから、もったいぶってもあれだよ」
優「連でいいだろ、連で」
アルル「そういえば、ロロとゼウスは台詞なしで死んでしまった」
優「今なら一般人の気持ちもわかるよ。散々、一般人有利なように話たがそうでもなかったようだ」
アルル「弱肉強食怖っ」
優「食われないように隠れてないとな。それが今回の教訓だ」
アルル「自分で言って虚しくない?」
優「超虚しい」
アルル「自由を求めろ、自由人」
優「ああ、そういえば目指すんだった」
アルル「ゴーゴーゴーゴーゴー」
優「ヤル気でないな、今のところ俺に実害ないし」
アルル「そんなこと言ってるとフラグ立つよ」
優「逃げるぐらいの自信はある」
アルル「くそぅ」
優「何かすっごい力があるなら考えるかもな」
アルル「ないよ」
優「ないか」
アルル「ないね」
優「ヤル気があればどうにかなる、とはいかないか」
アルル「どっかの少年漫画じゃあるまいし、都合良過ぎだね。って、そのヤル気がない。危うく騙されるところだった。さて、ではなにが必要か。それは愛だ。愛とは求めること。世界を愛し、自由を愛そうではないか」
優「それで殺されてもな。あんなの勝てる気しないぞ」
アルル「とりあえず、同じ過程を辿ればスペックは同じになる」
優「世知辛いな。マジでないのか、すっごい力」
アルル「若干取られたね」
優「なんてこった。しかも霊子体になったし、次元印も手に入れたからもうすでに過程は辿り済みだ」
アルル「なんてこった」
優「まあ、連がいい動きしてくれたら気も変わるかもな。と、いうことでとりあえずでも連のところに付いておけ。よくわからんが、やっと自由になったとかなんだろ?」
アルル「釣れないな」
優「釣りたいならエサをくれ。俺もそこまで腐る気はないしな」
アルル「棚ぼたかよ」
優「その通りだよ。こう見えても結構傷心してるんだぞ」
アルル「他人にはあれだけ言っておいて」
優「いっそなんで知っているかは置いておいて、人間そんなものだ。むしろ、俺はそんなものと言ってもいい。どんなに言い繕ったところで、やっぱり自分で経験しないと実感できないな」
アルル「それを言われたら私は何もないね。連れてってほしいな」
優「ま、悪いとわかっていて続ける馬鹿もいないか」
アルル「やっと折れたか。向上心だね。よりよく、いい言葉だ」
優「結局、自己解決だったな」
アルル「マジで」
優「嘘だよ」
アルル「この野郎、最高」




