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FreeDom  作者: ユユキ
仮想世界
41/138

最終都市


あれから一年後。木の侵食は右肩上がりに進んでいき、今では木と海、エデンだけの世界となった。ちなみに、木の大きさは変わらず電脳人の領地(大陸六分の一)だ。つまり、地面までも吸収されたことになる。地図で言えば、海に巨大な木とエデンの塔がポツンと浮かんでいる状態だ。エデンは十一階層だが、今では最下層しか機能していない。それより上は『白夢』と化し空間的に封鎖されている。

その『白夢』にて。

この場にいるメンバーは俺こと優、アリア、凪。そしてエタ、ロロ、ゼウス。さらに、黒い長方形の箱(大きさは大人一人分程、正面中央には電脳印が描かれている)に一本のコードで繋がれた金髪ロリ少女(見た目8歳、エタと同じぐらい)。耳ツンツン、背中に翼の天使だ。コードの太さが普通のものより少し太いだけなのも相まって、コンセントに繋がれているようにも見える。しかも、コードの出所もこの形なら一般的な後方の下部。むしろ、少女がコンセントみたいなシュールな画となっている。

 アルル「私の移動可能範囲このコードの長さ分なんだ」

 優「それは暇そうだな」

 エタ「そうでもなかろう。ここには全世界の情報がデータで集まるからな。文字通りすべての知識、娯楽が手に入る。移動する必要もない」

 優「それはむしろ引き篭もった方が効率いいな」

 凪「むしろ優だけどね」

 優「で、何者だ?」

 エタ「そう焦るな、今は現状把握だ」

 優「まあいいけど」

 アルル「ええんかい」

 エタ「今あの木の中がどうなっているか知ってるか?」

 優「いや全然。正直、そういう情報は一年前で止まっているからな」

 アリア「いやー、引き篭もったよね。正直、ゲームの中と変わらなかったかも。あそこでも、ネットで流れている情報ぐらいは入ったからね」

 優「世の中そんなもんだ」

 アリア「それは世知辛い話ですね」

 凪「要するに、世界は狭いという話ね。一つの街で十分なぐらい」

 優「それを大きくしたのが国で、世界は国ごとに区切られているからな。文字通り大きくな。世界平和を謳いながら寂しいことだ」

 エタ「所詮は猿あがり、縄張りのボスが身の丈なのだろう。ご立派な叡智があったところで精神は獣か」

 優「それ以上言ったら引かれるぞ」

 アリア「大丈夫、優の時点でだから」

 エタ「ならここは、精神が文明に追いついていないとでも言っておこうか。進化の途中でな。なに、何も悲観しているわけではない。今が途中かどうかは置いておいても期待はしているつもりだ。私としては、さらに体でも改造して百年以上生きてほしいものだがな。いっそ、空でも飛んでロケットパンチでも撃つか。要するに向上心ということだ。最後の話が馬鹿な話しと思わないぐらいのな」

 優「そうだな。昔にくらべて変わった奴が増えたからな。昔のままじゃ肩身が狭い。ぜひ向上してもらわないとな。世界に」

 エタ「本題に戻ろう。今あの中では蘇芳の造った異世界が展開されている。元は『リアルファンタジー』だ」

 優「それでデータ取りに来てたのか。なんだかんだで良い奴キャラと思ってたのに」

その時、狙ったようなタイミングで次元の穴が開く。

 優「おまえら本当に狙うな」

 リオ「気を遣ってやっているんだ。むしろありがたく思え。ああ、かと言って私こそ良い奴キャラとかいうくだらないオチはナシだからな」

 エタ「それはそうだ。おまえらは退いた方がいいんじゃないか?」

 凪「私はお任せで」

 アリア「同じく」

 優「じゃあ残るか」

 リオ「ならよく理解しておけ。おまえの立ち位置をな」

さらに次元の穴が開く。そこから現れたのはフェイだ。

 優「げっ、出やがった」

 リオ「全員殺してもつまらないからな。優と事後処理用にアルルだけ残すか」

 フェイ「……まあ、いいだろ」

              ・

              ・

              ・

結果は惨敗。リオの宣言通り、俺とアルルだけが生き残った。


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