リアルファンタジー最終章 1
とりあえず、ヘイも住むことになった二階建ての一軒家そのリビング。ちなみに、『も』というのは飛鳥とアレンのことだ。
優「四国だからこれで最後か?」
アレン「そういうこと。気張りや」
優「まあ、最後の最後で、は嫌だな」
ヘイ「ちょうどアカウントとあるし俺も手伝うよ」
優「おいおい大丈夫か?」
ヘイ「結構有名だったんだぞ。四人でだけど」
優「へー」
ヘイ「いや、本当に。一番人気なかったけど。いや、そもそもあったか疑問だ」
飛鳥「どんどん自虐に走ってますよ」
凪「えらくバラエティーに富んできたわね、全体的に」
優「残念ながら、浅く広くだけどな」
凪「そろそろ器の見せ所ということね」
優「じゃ、下地にでも行くか」
そして、超3Dメガネを掛けリアルファンタジーへとログインする。
いつもの城。そこで待っていたのはいつも通りアリアだ。
アリア「何かおまけがいるんですけど」
優「まあ、いるな」
ヘイ「何かごめん」
アリア「もう行きましょう」
優「そうだな」
ヘイ「これ、ネタだよな?」
いつもの草原。
優「またここか。まさかここしかないとかじゃないだろうな」
アリア「まさか」
ヘイ「少なくとも俺は城以外ここしか知らないな」
アリア「マジで」
優「斬新だな」
ヘイ「最初はそれで賑わっていたりもしたが、ここ最近は人を見たことがないな」
優「まさにこれが最終決戦ってわけだな」
アリア「エンディングは見事に勝利して、がいいよね」
優「俺はそのつもりだけどな」
アリア「ふー、惚れるー」
と、タイミング良く向こう側から蓮と那綱がやって来た。
優「まあ、ここで全然知らない奴が来てもだな」
ヘイ「俺は相変わらず蚊帳の外だけどな」
優「いろいろ頑張れ」
ヘイ「投げやりだろ、それ」
優「さて、ここは交渉でいくか。何か最近、まともに戦うとろくなことがない気がするし」
アリア「それは駄目よ。むしろ、わざと負けてほしいくらい」
優「おまえがそう言うならそうするが。そもそもおまえのことだし」
アリア「まあ、わざと負けることもないけどね」
優「要するに、真っ向勝負しろということか。そういうことらしいから、せめて二対一にはするなよ?」
ヘイ「ここはゲームだぞ。何気に俺の方が強いんじゃないか?」
優「だといいけどな」
ヘイ「いや、本当たまには肯定してくれ」
那綱「黙れ屑野朗」
優「言われてるぞ」
ヘイ「俺限定」
優「それはそうと蓮、てっきり春とシオンに乗っかると思ったんだが違ったのか?」
葵「……」
優「なるほど。世界を変えるのが怖いというところか」
アリア「よくわかるね」
優「俺の器のでかさ舐めるなよ。って、どのタイミングで消えてんだよ」
ヘイの体が透け始め、電脳粒子が立ち昇っていく。
優「それなら霞と一緒に消えとけばよかったのにな」
ヘイ「そう言うな。できれば最後まで付き合いたかったんだがな。どうも駄目らしい」
優「それは残念だ。中々おまえをいじるのも面白かったのに」
ヘイ「そうか。俺も残念だ」
と、ベタベタなやりとりでヘイは消滅した。
アリア「どうよ?」
優「生まれた時から全てが出来上がっているからな。それの弊害というところか」
アリア「まさかの辛口」
優「悪いところは直さないと駄目だぞ。これを戯言と流すかどうかだな。どうする?蓮。変えるのを諦めて今あるものにすがりつくか?それも判断と言えば判断だけどな」
蓮「僕は変えるよ」
優「そうか。なら、もっと気合い入れないとな。いや、意地になる必要もないか。ヘイと一緒にいったらどうだ?一人が寂しいなら、かわいい妹もいるだろ?」
と、言っていたら次元の力付きの銃で普通に撃たれた。おかげで俺の胴体に次元の穴がポッカリだ。
HPは一気にゼロになった。
アリア「挑発してやられるとか最悪だね」
優「まったくだ」




